【2026年最新】マレーシア高速道路の料金所の通過方法5種類|JustGo登場で「どれを選ぶか」が変わりました

マレーシアで初めて高速道路に乗ると、最初の関門は料金所です。頭上にいくつも表示が並び、どの車線に入ればいいのか一瞬で判断を迫られます。入る車線を間違えると、後ろが詰まっている中で立ち往生することにもなりかねません。

この記事を最初に書いた2017年当時、選択肢は「SmartTAG/Touch ’n Goカード/現金」の3つだけでした。それが2026年9月現在は5つに増え、しかも2026年に入ってから主役が入れ替わりつつあります。ナンバープレートを読み取って自動で決済する「JustGo」が、8月に南北高速道路のほぼ全線で使えるようになったためです。

この記事では、5つの支払い方法の違いと、旅行者・短期滞在者・在住者がそれぞれどれを選ぶべきかを整理します。

料金所の支払い方法は、いま5種類ある

まず全体像を押さえます。5つのうち3つは車に機器やカードを用意するタイプ、残り2つは「持っているものでそのまま払う」タイプです。

方式 必要なもの レーン 向いている人
JustGo(ANPR) MYJPJのVOC+アプリ登録+銀行カード ◎ どのレーンでも可 南北高速をよく使う在住者
TNG RFID ステッカー+eWallet残高 ○ RFID専用レーン 在住者・自家用車
Touch ’n Goカード カード+チャージ残高 △ 停止してタッチ 旅行者・レンタカー
SmartTAG 車載機器+TNGカード ○ 黄色いレーン すでに機器を持っている人
Open Payment Visa/Mastercard/MyDebit △ 対応高速のみ 短期出張・都市高速中心

迷ったら、滞在が数日なら Touch ’n Goカード、住むならJustGoかRFIDです。

JustGo(ANPR)——2026年に南北高速のほぼ全線へ拡大した

いま最も動きが大きいのがJustGoです。料金所のカメラが車のナンバープレートを読み取り、登録済みの支払い方法から自動的に引き落とす仕組みで、ショッピングモールの駐車場と同じ考え方だと思えば分かりやすいはずです。車載機器もカードも要りません。

■ 拡大の経緯

2026年1月12日、南北高速道路のHutan Kampung〜Sungai Dua間(87.7km)でパイロット運用が始まりました。対象はHutan Kampung、Alor Setar(北・南)、Pendang、Gurun、Sungai Petani(北・南)、Bertam、Sungai Duaの計9料金所です。同年2月12日に「JustGo Malaysia」として正式にサービスが開始されました。

6月には最北のJitraと、Butterworth-Kulim高速(Kubang Semang・Lunas)へ拡大。7月には南部で6料金所——Seremban〜Port Dickson高速のMambau・Lukut、南北高速のKempas、そしてマレーシア=シンガポール第2リンクのTanjung Kupang・Lima Kedai・Perling——が加わりました。そして2026年8月19日、PLUSは南北高速道路の全線でJustGoが利用可能になったと発表しています。

■ 使い方と、専用レーンが要らない利点

利用の準備は、アプリのダウンロードとアカウント登録から始まります。ここで見落としがちなのが車両の確認手続きで、MYJPJアプリから車両所有証明書(VOC)を取得してアップロードし、車の写真を登録する必要があります。そのうえで支払い用の銀行カードを紐づけます。

自分名義の車でなくても登録はできます。配偶者名義など他人の車なら所有者のMyKadと所有者のVOC、社用車や団体名義の車なら事業登録証と所有者のVOCを添えて申請する形です。ただしこの場合は手動審査になり、最大48時間かかります。出発の前日に思い立っても間に合わないことがあるので、余裕をもって済ませておきましょう。

なお対象は2軸3〜4輪の乗用車(Class 1)に限られます。登録が済んでしまえば、あとは料金所をそのまま通過するだけで決済されます。

RFIDと違って専用レーンが存在しないのが実務上いちばん大きな違いです。空いているレーンを選べるため、混雑時にRFIDレーンだけが長い列になっている状況を避けられます。

注意: 全線ではあっても「全部」ではありません

2026年9月現在、ペナン大橋(第1)はJustGoに未対応で、PLUSは準備が整い次第あらためて告知するとしています。第2ペナン大橋のBandar Cassia料金所は対応していますが、ここは例外的にRFIDレーンにのみ設置されており、赤い丸印が目印です。Tanjung KupangのUターン料金所も対象外です。長距離を走る前には、アプリで対応区間を確認しておくと安全です。

また、ナンバープレートの読み取りに失敗すると、登録した銀行カードではなくRFIDタグ側(Touch ’n Go eWallet)から引き落とされることがあります。これは想定された動作で、JustGoの公式FAQでも案内されています。ただし利用者からは、入場記録が無い扱いになって最大料金を引かれたという報告も出ています。RFIDと併用している方は、しばらく明細を見ておくと安心です。

RFID・SmartTAG・Touch ’n Goカードは今も現役

JustGoが広がっても、従来の3方式がすぐ消えるわけではありません。それぞれの使い方と注意点を押さえておきます。

① TNG RFID

フロントガラスやヘッドライトに貼るステッカー式のタグで、Touch ’n Go eWalletの残高から自動的に引き落とされます。現在、在住者にとっての標準的な手段です。専用レーンを使う必要があります。

② SmartTAG(黄色いレーン)

車載の赤外線機器で、中にTouch ’n Goカードを挿して使います。持っている方はカード面を自分側に向けて運転席から前にかざしてください。向きを間違えると読み取られません。

マレーシアの料金所で使うSmartTAG車載機器。カード面を運転者側に向けて前方にかざしている様子

Source: @jasa_rina Twitter

③ Touch ’n Goカード(青いレーン)

「Touch ’n Go Sahaja」と表示された青いレーンは、カード専用です。いったん停止して窓を開け、所定の場所にカードをかざします。カード自体の入手方法やチャージについてはTouch ’n Goカードの解説記事にまとめています。

料金所のブースに設置されたTouch n Goカードの読み取り機。運転席の窓から手を伸ばしてタッチする位置にある

参照:https://www.carsifu.my/news/plus-to-sort-out-difficulties-related-to-touch-n-go-transactions

なお工事省は、Touch ’n GoカードとSmartTAGを段階的に廃止してRFIDへ一本化する方針を示しています。当初は2021年末に「2023年末まで」とされ、2022年には「2025年まで」へ後ろ倒しになりました。そしてその2025年も過ぎた2026年9月現在、両方式は問題なく使えています。廃止の時期については確定的なことは言えないため、当面は手元の方式を使いつつ、料金所の表示に従うのが現実的です。

Open Payment——クレジットカードでそのまま払う

Open Payment System(OPS)は、Visa・Mastercard・MyDebitのカードを料金所の読み取り機にタッチして支払う方式です。2023年9月29日、LDP(Lebuhraya Damansara-Puchong)を含む11の高速道路で正式に開始されました。事前のチャージが不要で、追加手数料もかかりません。

対応しているのはクランバレーの都市高速が中心です。逆に言えば、KL周辺だけを数日走る短期出張であれば、手持ちのクレジットカード1枚で用が足りる場面が増えています。ただし全国どこでも使えるわけではないので、長距離ではJustGoかTouch ’n Go系を用意しておくほうが確実です。

ゲートが開かないときは、慌てず待つ

方式が何であれ、ゲートが開かず止まっている車は今でもよく見かけます。前の車との間隔をあけ、速度を落として進入するのは、2017年当時からまったく変わらない鉄則です。

止まってしまっても、おとなしく待っていれば係の人が来て解決してくれます。マレーシア人流に、イライラせずに構えているのが正解です。

ちなみに以前この記事では、一番左端のレーンの表示を「Nilai」と書いていました。正しくはマレー語で現金を意味する「Tunai」です。もっとも、その現金レーン自体がすでにありません。クランバレーでは2016年までに姿を消し、2017年8月には全国177の料金所で現金収受が終了しています。旅行者が現金だけを持って高速に乗るという選択肢は、実質的に無いと考えてください。

結局、どれを選べばいいのか

  • 旅行者・レンタカー … Touch ’n Goカードを1枚。レンタカーにRFIDが付いていても、eWalletの残高が不足していればゲートは開きません。
  • 短期出張でKL周辺のみ … 対応高速ならOpen Paymentで手ぶら通過。
  • 在住者・南北高速をよく使う … JustGoかRFID。レーンの自由度を取るならJustGoですが、登録にVOC(車両所有証明書)が必要で、他人名義・社用車だと審査に最大48時間かかります。急ぐならRFIDが確実です。

どの方式を選んでも、料金所で止まる原因のほとんどは残高不足です。乗る前に残高を確認する。これが料金所で立ち往生しないための唯一の鉄則です。

慣れてしまえば、マレーシアの道路は日本と比べて広く、とても運転しやすいですよ。

マレーシアでのカーライフなら、タイヤ交換はネット購入+取付予約が主流になった話も併せてどうぞ。

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