マレーシアのATMカードは他の国で使えるか

マレーシアの大手銀行のひとつCIMBは、インドネシア、シンガポール、タイ、カンボジアなど東南アジア各国に支店網を持つ数少ない「リージョナルバンク」です。これらの国に旅行や出張で行くとき、現地の両替所を探し回らなくても、CIMBのキャッシュカードをそのまま現地ATMに差し込んで現金を引き出せることをご存じでしょうか。実際にインドネシア・バリ島への旅行で試してみた体験をもとに、2026年時点の手数料の仕組みと、現金を持ち歩かなくても済む新しい選択肢もあわせて紹介します。

海外利用の設定はCIMB支店の窓口で完結

キャッシュカードは何もしなくても海外で使えるわけではなく、まずCIMBの支店で「海外利用」を有効化する手続きが必要です。面倒に聞こえるかもしれませんが、実際にやってみると拍子抜けするほど簡単でした。

①パスポートとCIMBのキャッシュカードを持って、最寄りのCIMB支店へ行く
②氏名・パスポート番号などを記入する簡単な書類にサインする
③5分ほどで係員が手続きを完了し、パスポートとキャッシュカードが返却される

窓口に着いてから手続き完了まで、体感で15分程度でした。これで準備は完了です。

バリ島のショッピングモールで実際に引き出してみた

設定を済ませてインドネシア・バリ島へ。到着後すぐにショッピングモール内でCIMBのATMを発見したので、さっそく試してみることにしました。

 

(Galaria Shopping Mall)

試しにRp.100,000を引き出してみると、無事に現地通貨が出てきました。肝心のレートも後日オンラインで確認したところ、マレーシア国内の両替所で2日前に両替した際のレート(RM1=Rp.2,958.57)と、ATM引き出し時のレートが小数点以下まで完全に一致していて驚いた記憶があります。余談ですが、同じモール内にはMAYBANKのATMもありました。

2026年時点の手数料の仕組み

当時は「レートが良い」という体感だけで済ませていましたが、実際にはATM引き出しにも手数料はかかります。CIMBの公式案内によると、海外ATM利用には為替スプレッド(VISA/Mastercard/MyDebitのネットワークが決めるレート)に加えて、クロスボーダー手数料1%、さらに通常のCIMBデビットカードでは事務手数料1%が上乗せされます(上位カードのCIMB Preferredデビットでは事務手数料が免除)。加えてマレーシア政府のサービス税が別途かかる場合もあります。

つまり「レートがぴったり一致していた」のは為替そのものが同じだったという意味で、手数料が無料だったわけではありません。頻繁に海外に行く方は、渡航前にCIMBアプリ等で自分のカードの海外利用設定と手数料条件を確認しておくのがおすすめです。

現金を持ち歩かなくても大丈夫な国が増えている

2016年当時は「ATMで現地通貨を引き出す」のがほぼ唯一の現実的な選択肢でしたが、2026年の今はもうひとつ有力な方法があります。マレーシアのDuitNow QRは、タイのPromptPay・インドネシアのQRIS・シンガポールのNETS・カンボジアのBakong・中国の決済網、そして2026年2月からはインドのUPIともクロスボーダーで接続されており、普段使っているマレーシアの銀行アプリやeウォレットで現地のQRコードをスキャンするだけで、リンギ建てのまま支払いが完結します。つまりインドネシア(バリ島を含む)ではQRIS対応の店であれば、そもそも現地通貨の現金を引き出す必要自体がなくなりつつあります。

とはいえ屋台や市場、チップなど現金でしか対応できない場面はまだ多く残っているので、「ATMでの現金引き出し」と「DuitNow QRでのキャッシュレス決済」を状況に応じて使い分けるのが2026年らしいやり方と言えそうです。海外専用の多通貨対応カード(Wiseカード等)を持っておくと、両替を挟まずにさらに手数料を抑えられるケースもあります。

まとめると、①渡航前にCIMB支店で海外利用設定を済ませておく、②現地ATMで引き出す場合は手数料(クロスボーダー1%+事務手数料1%が目安)を織り込んで考える、③QRIS/PromptPay等対応国ならDuitNow QRで現金を持たずに支払う、の3本立てで考えておくと安心です。

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