「Fusion 360、無料版と有料版で何が違うんだろう。」
「昔は無料でいろいろできたと聞いたけど、今はどうなっているのか気になる。」
このテーマで検索する声は、今でも見かけます。
3DCGやVRを作成する上で有効な3D CADの一つであるFusion 360は、2020年10月1日付でAutodeskから個人利用(パーソナルユース)の機能制限に関する案内が出され、話題になりました。それから数年が経ち、価格体系や利用条件はさらに変わっています。この記事では、当時の経緯を踏まえつつ、2026年8月時点での無料版と有料版の違いを整理します。
2020年に何があったか
2020年10月1日付でAutodeskから届いた案内の要点は、個人利用のFusion 360で以下の機能が使えなくなる、というものでした。
- プロービング、3+2軸ミル加工(工具の向き)、多軸ミル加工、ラピッドムーブ、自動工具交換
- マルチシート、スマートテンプレート、図面の出力オプション(印刷のみ)
- 公開されている共有リンクからのダウンロードオプション
- クラウドレンダリング
- DWG、IGES、SAT、STEP、DXFを含むエクスポートオプション(DXFはスケッチ経由での保存は継続)
- シミュレーションとジェネレーティブデザイン
- 無制限のアクティブ・編集可能なドキュメント(10ドキュメントに制限)
- Fusion 360エクステンション(ジェネレーティブ設計・製造エクステンション)
個人・非商用のホームユースであれば無料利用は継続する、という位置づけ自体は当時から変わっていません。
2026年時点の無料版(個人利用)の条件
2026年8月時点でも、非商用の個人利用であれば無料で使い続けられる仕組みは残っています。ただし対象になるには、次のような条件を満たす必要があります。
個人利用(無料)の主な条件
自宅で行う非商用のデザイン・製造・ファブリケーションプロジェクトであること、そのプロジェクトによる年間収益が1,000米ドル未満であることが目安とされています。この収益基準は「販売してよい」という許可ではなく、あくまで無料ライセンスの対象範囲を示すものである点に注意してください。商用利用は基本的に対象外です。
有料版の価格(2026年8月時点)
有料版(Autodesk Fusion)のサブスクリプションは、月額換算でおおむね8,000円前後という情報が複数の販売代理店で見られます。契約期間は月間・1年・3年から選べるプランが一般的です。2025年5月には新規契約の希望小売価格が平均約3.3%、更新価格が約8.7%値上がりしたという情報もあります。正確な金額は時期・契約形態によって変わるため、購入前に必ずAutodesk公式サイトで最新価格を確認してください。
従業員10名以下・年間売上10万ドル以下のスタートアップ企業向けには、1ユーザーあたり年間15米ドル(3年間有効)という割引プログラムも用意されているようです(対象条件は変更されることがあるため要確認)。
インポート・エクスポート形式の違い(2020年時点の情報)
2020年の変更直後に確認できていた形式の違いは以下の通りでした。ファイル形式のサポート状況はバージョンアップで変わることがあるため、現在の対応状況は利用前にAutodesk公式のヘルプで確認することをおすすめします。
| バージョン | インポート可能形式(2020年時点) |
|---|---|
| 有料版 | dwg, dxf, f3d, ipt, fbx, igs, iges, obj, sat, skp, smt, step, stl, stp |
| 無料版 | f3d, f3z, fbx, iam, ipt, obj, skp, smt, step, stl, stp |
無料版ではDWGのインポート・エクスポートともに対応していなかった一方、SketchUp(skp)形式は無料版でも使えていました。
Fusion 360の良いところ
■ 曲面を自在に操ることができる
SketchUpだと曲面を操作するのにプラグインなどを入れる必要があり、面取り一つとっても簡単にはいきません。Fusion 360だと曲面を自由自在に操ることができ、面取りもワンタッチで行えます。
■ VR・3DCGモデリングにも活用できる
数々のエクスポート形式に対応しているため、VRや3DCGモデリングにも使えます。3DCGモデリングにはBlenderなどもよく使われますが、Fusion 360はCADならではの正確な寸法をもとに3Dモデルを作成できる点が強みです。自在に操った曲面にも寸法性を持たせられます。
以下は、Fusion 360を使う上で参考になった書籍です。実例をこなすことで、3Dモデルを作る実践的な力が身に付きます。
まとめ
2020年の機能制限は、無料版のダウンロード数が伸びたことを受けて、他のCADサービスとの差別化・収益化を図る動きだったと見られます。2026年時点でも、非商用の個人利用なら無料で使える仕組み自体は続いていますが、対象条件や有料版の価格は変わり続けています。3Dモデリング用CADは他にも選択肢があるため、用途と予算に応じて都度見直すのが現実的です。



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