マレーシアの駐車券事情 ー スクラッチ式とデジタル決済アプリ(2026年版)

クアラルンプールでは路上駐車を行う際、機械式の駐車券発行システムが広く使われていますが、

で紹介したこの仕組みは都市部が中心です。実はShah Alamやイポーなど、マレーシアの比較的地方寄りのエリアでは、今もスクラッチ式の駐車券がよく使われています。機械式が導入される前は、クアラルンプールでも同じやり方で路上駐車が行われていました。機械の維持費が高いこともあり、地域によっては「スクラッチ式に戻すべき」という声が根強く残っています。

1スクラッチ式駐車券の購入場所

ショップロットにある店舗などで販売されています。写真のような「EJEN KUPON」の標識を掲げている店で販売されているので、そこに入って「パーキングチケットを買いたい」と伝えてください。当局によって価格が決められているため、どの店で購入しても値段は同じです。駐車券は複数枚がまとめられ、本のような形態で販売されています。地元の方であれば見慣れた光景ですが、外国人観光客や新しくマレーシアに来た人にとっては、この「スクラッチして削る」という発想自体が最初は分かりにくく、戸惑うポイントのひとつです。

2駐車券の使い方

1枚につき1時間の駐車が可能です。現在の日時・時刻を確認し、その時間をスクラッチして削ります。その状態から1時間、このチケットは有効です。2時間停める場合はさらにもう1枚使い、1時間後の時間をスクラッチします。3時間、4時間と駐車時間が延びるにつれ、必要な駐車券の枚数も増えていきます。スクラッチした駐車券は、車のダッシュボードに並べて置いておくのがルールです。長時間停める車のダッシュボードには、駐車チケットがずらりと並んでいることもしばしばです。

駐車券をダッシュボードに提示しなかった場合は、当局係員による取り締まりの対象になります。駐車禁止の黄色ラインエリアへの駐車と合わさると、レッカー移動されてしまうこともあり、対応は迅速です。不幸にも車の罰金の請求が来てしまった場合の調べ方は

も参考にしてください。

32026年、都市部はほぼデジタル化

クアラルンプールを中心とする都市部では、スクラッチ式駐車券に代わり、スマートフォンアプリでの駐車料金支払いが主流になっています。代表的なのが2015年創業のJomParkingで、クアラルンプール・スランゴール・プトラジャヤ・ヌグリスンビラン・クランタン・マラッカ・サバ州など複数州の路上駐車・屋内駐車場で利用できます。事前にトークンをチャージ(RM10で1,000トークンなど)しておき、アプリ上で駐車を開始・終了するだけで、行列に並ぶ必要もクーポンを買いに行く必要もありません。このほか、クアラルンプール市が運営するEZ KL Smart Park、ジョホールバル市のMBJB Spot、Flexi Parking、Touch ‘n Go eWalletでの直接決済など、エリアによって使えるアプリが異なる点には注意が必要です。

まとめ: 都市部ではデジタル決済アプリが主流になりつつありますが、地方都市やエリアによってはスクラッチ式駐車券が今も現役です。訪れる場所に応じて、両方の仕組みを知っておくと、駐車違反による罰金やレッカー移動といったトラブルを避けやすくなります。

テナント・オフィス利用者への実務アドバイス

商業ビルやオフィスのテナントとして働く場合、来客用の路上駐車についてこうした地域差を把握しておくと、来客案内の際に地味に役立ちます。マレーシアのオフィスエリアでは、建物専用の駐車場だけでなく周辺の路上駐車に頼らざるを得ない場面も多く、来客に「このエリアはJomParkingアプリが必要です」「このエリアはスクラッチ券がショップロットで買えます」といった案内ができると、初めて訪れる方にとって非常に親切です。特に日系企業の駐在員が新たにオフィスを構える際は、周辺の駐車事情がスクラッチ式かデジタル式かを事前に確認しておくと、開業初日からのトラブルを防げます。小さなことのようですが、こうした地域ごとの実務的な違いを把握しているかどうかが、テナント側の対応力・信頼感につながる場面は意外と多いものです。マレーシアの駐車事情は都市と地方でここまで違うのかと、実際に走り回ってみると新鮮な発見があるはずです。旅行や出張でクアラルンプールと地方都市の両方を訪れる予定がある方は、事前にこの違いを頭に入れておくと安心です。小銭とスマホの両方を用意しておけば、どのエリアに行っても慌てずに対応できます。ちょっとした準備が、駐車違反という思わぬトラブルを未然に防いでくれます。マレーシアで暮らす、あるいは頻繁に訪れる予定がある方は、ぜひ一度この違いを実際に確かめてみてください。

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