マレーシアの平均年齢は20代後半、国全体が非常に若く活気に満ちています。
その陰でマイノリティーに対する援助は後手に回っています。
障碍者に対する対策がその一つです。マレーシアの街は究極の
非ユニバーサルデザイン設計
となっています。
障碍者を取り巻くマレーシアの街設計
歩道などは整備されておらず、車道との段差が高いところでは600㎜ほどもあります。歩道がない区間も多々あります。
ショッピングモールにはエレベーターがありますが、地元の小さなショップロットにはエレベーターは付いていないところも多いです。
また床はほとんどがタイルを使用しており、滑りやすいです。
特に雨の日やモップ掛けをした後の床は、健常者でも注意していないと転ぶレベルです。
トイレの床も(トイレットペーパーを使用せずに洗う文化のため)常に濡れており、非常に危険です。
ショッピングモールでも不意の段差が設けられているところは多々あります。やはり健常者にも危険で、転倒する人を見かけます。
現在の対策は黄色いテープを張り付けて注意喚起するというものです。
スロープなどは設けられていません。
つまり障碍者が車いすで街中を自力で移動することはほぼ不可能です。
ハード面のみならずソフト面も対策が必要です。
障碍者を取り巻くマレーシアの運転環境
マレーシアでは車がなければ自立した生活を送ることは困難です。どの家庭も車を所持しており、中には一人一台の車を所持している家庭もあります。
しかしながら、障碍者が運転免許を取得することはマレーシアでは非常に困難になっています。
運転免許講習を障碍者には受けさせないところが多いからです。
マレーシアでは国が障碍者用の教官トレーニングを行っていません。そのため教官の方も障碍者に運転を教えるというのは未知の領域です。
教官が障碍者の運転を指導することに危険を感じるとのことで多くの学校では障碍者用の運転講習を取り扱っていません。
そもそも学校そのものがショップロットの上階にあったりして、ユニバーサルデザイン設計ではありません。
現在マレーシアで障碍者用運転講習を行っているのは一社です。
Safety Driving Centre (Selangor) Sdn Bhd
営業時間
月曜日~金曜日:8:30AM–6:30PM
土曜日・日曜日:8AM–4PM
連絡先
Tel : 03-79570370 / 79570371 / 03-79570635
場所
Lot 3A Jalan Utara, 46200 Petaling Jaya
学校では障碍者用の車を用意していないため、講習・テスト時にはPuspakom(※)で許可を得た車を個人で持ち込まなければなりません。
政府も障碍者が車を所持して自力で生活するのを推奨し始めています。
2013年には自動車免許の更新がRM2に値下げされました。Road Taxの更新もRM1となっています。
※Puspakom:マレーシアの車検場で、車の登録・名義変更の時にここで検査を受けます。
まとめ
ハード面・ソフト面の両方の分野で、障碍者の方たちを含む、社会的マイノリティーの人たちが生活しやすい環境づくりが進められています。
障碍者用の車の購入用補助金の整備など、さまざまな分野での政府の補助が期待されています。マレーシアにおいてもこれらの対策が行われていくのはまだまだこれからでしょう。
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