マレーシアで暮らしていると、時々こんな話を耳にすることがあります。
「あの魚、新鮮に見えるけど、実は薬品で処理されてるらしいよ」
これはあくまで噂・伝聞レベルの話であり、私自身が特定の業者や産地の実態を検査・確認したわけではありません。ただ、地元の市場や漁港で売られている魚の一部について、鮮度を保つために何らかの薬品が使われているのではないかという声が一部にあるということ自体は、話として耳にします。
今回、私はこのテーマに関心を持ち、漁港の町として知られるSekinchan(セキンチャン)の朝市と、クアラルンプールで見かけたBeacon Martという鮮魚小売店を訪ねてみました。以下は、それぞれの場所で私が感じたことを、なるべく主観を交えすぎずお伝えするものです。あらかじめお断りしておくと、今回訪れた特定の場所や業者が薬品を使用しているという事実を確認したという内容ではありません。
噂される「薬品使用」の話とリスクについて(伝聞・一般論)
一部のローカル市場では、ホルマリンや過酸化水素などを使って魚の鮮度を演出しているという話を耳にすることがあります。ただし、これはあくまで一部の業者や漁船に関する噂であり、市場や産地全体、まして今回私が訪れた場所を名指しして言っているものではない点にご留意ください。現地消費者の間で、こうした噂に対する漠然とした不安の声があるということ自体は事実として存在するようです。
噂に挙がることがある薬品と、一般に指摘されているリスク(公開情報で確認できた範囲の一般論です)
| 薬品 | 噂される使用目的 | 一般に指摘されている健康リスク・規制状況 |
| ホルマリン(ホルムアルデヒド) | 防腐・鮮度の演出 | 国際がん研究機関(IARC)によりグループ1(ヒトに対する発がん性が認められる物質)に分類されている。食品への使用は一般的に認められていない。 |
| 過酸化水素 | 漂白・脱臭 | 高濃度で摂取・接触した場合に粘膜刺激等が報告されている。食品添加物としての使用は用途や濃度が限定的とされる。 |
| 亜硫酸塩 | 変色防止・酸化防止 | 多くの国・地域で使用が認められている添加物だが、ぜんそくなど特定の体質を持つ人にはアレルギー反応の注意が必要とされる。 |
マレーシアには食品の安全や添加物の使用を規制する法律(Food Act 1983など)が存在し、許可されていない物質を食品に使用することは規制の対象になり得ると理解していますが、個別の取り締まりの実態や運用状況について私は確認できていません。「取り締まりが強化されている」「違法な使用が減少している」といった具体的な傾向についても未確認のため、この記事では断定を避けます。気になる方は、マレーシア保健省(Ministry of Health Malaysia)など公的機関が発表している情報を確認することをおすすめします。
Sekinchanの港と魚市場で見たもの
朝方の漁港は活気があり、漁師さんたちが水揚げを終えたばかりの魚を次々に運んでいました。魚の種類も豊富で、タイやカマス、エビなどが氷詰めの状態で並んでいます。冷凍庫や氷の製造設備も整っており、漁業の町としての基盤はしっかりしているという印象を受けました。


ただ、市場を歩いていると、魚の見た目にばらつきがあることも感じました。目が澄んでいて状態の良さそうなものもあれば、目が濁っていたり身がやや柔らかそうに見えるものもある、という具合です。これは水揚げから店頭に並ぶまでの時間や保管条件による違いという可能性もあり、薬品の使用有無と直接結びつけて判断できるものではないと私は考えています。あくまで見た目から受けた私の印象であり、実際に薬品検査を行ったわけではないことを重ねてお伝えしておきます。

Beacon Martを訪れて感じたこと
次に訪れたのは、クアラルンプールにあるBeacon Martという鮮魚小売店です。以下は、あくまで一利用者として一度訪問した際の個人的な感想であり、同社から取材や広告の依頼を受けたものではなく、提携関係もありません。
店舗の説明によれば、魚は産地で処理され、内臓を取り除いたうえで低温冷凍された状態で店舗に並んでいるとのことでした。仕入れはサバ州の海域が中心で、自社ブランドのもとで漁獲から加工、物流、販売までを一貫して管理しているという説明を店頭で受けました。この説明の正確性について、私自身が第三者として裏付け調査をしたわけではない点はご了承ください。価格は近隣の一般的な鮮魚店と比べてやや高めに感じましたが、品揃えや店内の清潔さには好感を持ちました。
参考までに、同店のオンラインストアのリンクを掲載しておきます。Beacon Mart Official Store(Shopee Malaysia)
処理と流通の差が「価値」になる可能性
今回感じたのは、現地の魚そのものの質が低いということではなく、天然物が多く、旨みも強いという点です。むしろ課題があるとすれば、水揚げから店頭までの処理と流通の仕組みに、店舗や業者によって差があることだと感じました。鮮度管理や情報の開示(どこで獲れて、どう処理されたか)が進めば、魚はより高い価値を持つ商品になり得るのではないかと思います。
日本では神経締めや血抜き、真空冷凍といった処理技術が比較的広く知られていますが、こうした技術を簡易的な形でマレーシアの漁港に取り入れることができれば、現地の漁業関係者にとっても新たな収益機会につながるかもしれません。もっとも、これは私個人の推測であり、実際の導入コストや現場での実現可能性については未確認です。
まとめ
現地を歩いてみて感じたのは、「きちんと処理されている魚は、多少価格が高くても選ばれやすい」という傾向があるらしいということです。同時に、「処理の実態が分からない魚」に対する漠然とした不安が、消費者の選び方に影響しているようにも感じました。
繰り返しになりますが、薬品使用に関する話はあくまで噂・伝聞レベルのものであり、私が実際に検査や確認を行った事実ではありません。特定の市場や業者、産地を非難する意図は一切なく、あくまで滞在中に見聞きしたことと、そこから私が考えたことをまとめたものとして読んでいただければと思います。



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