日本では聞きなれないマレーシア独特のルールが不動産業界にはあります。
融資を受ける際、再販売時などに影響してくるので事前に必ず確認が必要です。
購入を検討する際には注意してください。
Freehold と Leasehold
マレーシアの不動産はすべてこの
Freehold かLeasehold
のいずれかに属します。
Freehold は日本と同様に物件を購入するとその物件の所有権は購入者に移るので理解しやすいかもしれません。
しかしLeaseholdはマレーシアならではの区分なので注意が必要です。
Leaseholdの物件は(土地・建物)州に属しています。Leaseholdの物件の基本的な考え方は州が決められた期間物件を貸し出しているというものです。
Leasehold物件を売買する際には州当局(Land Office)からの許可が必要です。州当局は売買契約を否決する権限を持っています。
Leasehold期間満了時には期間を延ばすこともできます。その費用は州当局に払う必要があります。
通常銀行はLeasehold残存期間30年以下の物件に対しては融資を行っていません。
このような事情にから、マレーシアではFreehold とLeaseholdの市場価値に開きがあります。例えFreehold とLeaseholdの物件が似通ったものでも、Freehold 物件の方が高値で取引されます。
タイトル
建設中の物件や計画中の物件は多くの場合
「Master Title」
という一つのタイトルの下で分譲されます。
その物件を家やユニットごとに個別に販売する場合、「Master Title」は幾つかのタイトルに分割されます。
土地付き物件(一戸建て等)の場合
「Individual Titles」
となります。
コンドミニアムなどの集合住宅の場合
「Strata Titles」
となります。
これらの個別のタイトルに分割された際には、州当局のLand OfficeがMemorandam of Transfer(権利移転記録)が記録をつけ、新しい所有者がだれなのかという履歴を参照できるようにします。
本来であればデベロッパーから各個人に販売する時点で、タイトルはIndivisual TitlesかStrata Titlesに分けなければなりません。
しかしマレーシアでは慣習上、引き続きMaster Titleを使用したままデベロッパーから個人に販売することがあります。
書類上の手続きは後回しというわけです。
その場合、高等裁判所により売買記録の一時的な書類が記録されます。タイトル上はデベロッパーが所有者ですが、デベロッパーが所有の権利を割り当てるという仕組みです。
注意点ですが、もし物件完成後10年たってもこのMaster Titleが分割されていなければ、銀行はこの物件に対し融資を行わないということです。
つまりこの物件を販売に出しても、買い手は融資を受けられないため、なかなか売却できません。
Master Titleの物件を購入する際のリスクはここにあるでしょう。
土地の使用目的(用途区分)
用途により銀行から融資を受けられる金額が変わってきます。
住宅
- 完成物件・建設中物件 最大90%
- 土地のみ 最大60%
商業・複合施設
- ソーホー・サービスアパートメント 最大80%(物件によっては住宅用途としてローンが可能)
- ショップロット・オフィス 最大90%
- 土地のみ 最大60%
農地
- ヤシ油用 最大90%
- 他使用 最大60%
産業エリア
- 各使用目的による
Malay Reserved Land (MRL)
多くの銀行では融資は取り扱っていません。
マレー人にのみが所持できる土地です。マレー人オーナーはこの指定地域の土地や建物をマレー人以外に貸すこともできません。
さらにこの地域で行うビジネスはすべてマレー人のオーナーでなければならないという制約もあります。
まとめ
日本ではあまりなじみのない不動産業界の用語についてでした。
物件閲覧時から必ず上がってくるキーワードです。
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