【試行錯誤】サンゲツのレインフィルムを使用したパース作成

最近サンゲツのレインフィルムを使用した案件を何度かいただいています。いつもありがとうございます。
建築ビジュアライゼーションの現場では、クライアントから要求される表現に合わせて、さまざまな素材を表現することが求められます。しかし、時には手に入る素材や情報に制約があり、思うように作業が進まないことも。。。今回は、サンゲツのレインフィルムを使ったパース作成の過程で直面した苦労と、その解決策を紹介します。

サンゲツのレインフィルム:公式サイトでマテリアルの提供なし

サンゲツのレイン窓フィルムを使用したパース作成に取り組んだ時、最初に直面した問題は、「公式サイトでマテリアル情報がない」という点でした。他のサンゲツの製品や他のメーカーでは、マテリアルがすでにパース用で提供されていることがよくあります。しかしこの窓フィルムについては写真のみ。下がサンゲツ様のウェブサイトからの資料です。透過性のあるマテリアル提供は確かに難しいです。

1回目の納品:若干フロストガラス風の表現

最初の納品物では、若干フロストガラス風に仕上げました。フロストガラスはレイン窓フィルムに近い質感を持っており、光の拡散とぼんやりとした反射を表現できるため、まずはこの手法を採用しました。しかし、この方法では、窓フィルム特有のレインパターンを完全に再現することはできず、クライアントからのフィードバックを受けて改良が必要だと感じました。

2回目の納品:レインパターンの追加

2度目の納品では、クライアントからのリクエストに基づいて、窓フィルムの特徴的なレインパターンを取り入れました。これにより、窓フィルムの視覚的な印象が強調され、より実際に近い効果を目指しました。しかし、レインパターンをもっと目立たせたいとのことで、再度改善することとなりました。

3回目の納品:レインパターンの誇張表現

3度目の納品では、レインパターンを大きくして誇張表現を加えました。これは、窓フィルムの効果をより目立たせ、視覚的なインパクトを強調するために試みた方法です。レインパターンが強調されることで、フィルムの効果がより目に見えるようになりましたが、逆に一部のクライアントには不自然に感じられる結果となり、再度の調整が必要だというフィードバックを受けました。

4回目の納品:レインパターンのサイズを調整

クライアントからのフィードバックを受け、4度目の納品では、レインパターンを少し小さくして、自然な印象に仕上げました。この段階で、パターンのバランスを取ることができ、より実物に近い質感が伝わるようになったものの、まだ完璧には仕上がっていないと感じました。

5回目の納品:公式サイトの写真を編集してマテリアル化

最終的に、公式サイトからの写真をなんとか編集してマテリアルを作り込みました。記事冒頭にあげたサンゲツの公式サイトの写真を基にPhotoshopなどのアプリ(その他いろいろ)を使用して、レインパターンや光の反射、透明感などを細かく再現しました。この編集作業を通じて、フィルムの質感や光の具合をシミュレーションし、実際の窓フィルムに近い仕上がりにすることができました。下がサンプル。結構似てるでしょ?

サンゲツのレインフィルムCGシミュレーション

最終的には、5度目の納品物がクライアントに満足してもらえるものとなり、納品後はその精緻さやリアルさに対する高い評価をいただき、無事にプロジェクトを完了することができました。

まとめ

「サンゲツのレイン窓フィルム」を使ったパース作成の過程は、さまざまな試行錯誤の連続でした。最初はマテリアルの提供がなく、フィルムの質感やパターンを再現するのが難しく感じましたが、公式サイトの写真を活用することで最終的に実物に近いパースを作成することができました。このように、素材が提供されない場合でも、柔軟なアプローチと編集技術を駆使すれば、クライアントの求めるビジュアライゼーションを作り上げることが可能です。もちろんこのマテリアル情報は他案件で使用できるようにストックしてあります!

これからも、サンゲツのレインフィルムを使ったパースを制作する際には、この経験を活かし、さらにクオリティの高い作品を目指していきたいと思います。

 

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