マレーシア人って残業するの?そんなことを時々聞かれます。現状はどのようなものなのでしょうか。そもそも法律で既定されている残業時間とは?
現状
人種によって異なる傾向があります。もちろん社風もあり、残業がほとんどなかったり、そももそも定時がなかったりするIT系の会社もあります。他方会計事務所系はどこの会社も馬車馬のように働いており、日本の残業文化と大差はありません。
中華系
お金を重視する傾向が強いといえます。ビジネスを経営している人が多く、例え雇われている人でもほとんどの人はいつか自分のビジネスを持とうと考えています。そのため会社に対して働いている人は、技術やコネを少しでも多く早くつけようとして必死に働いています。お金のためなら残業もいといません。
例えば閉店間際に客が入ってきたら客を優先して開店時間を延長します。というより客の動向に合わせて開店時間を調整することも多々あります。
残業する面では日本人と大差はない文化ですが、根本にあるものは企業への忠誠心ではなく、いつかは独立しようという夢であることが多いです。
マレー系
家族を重視する傾向にあります。大切な家族を養うために働くという基本的スタンスはぶれることがありません。なるべく少なく働いて、お金を得れれば尚可能という人が多いです。
例外ももちろん多くありますが、自分でビジネスをしようという考えの人は少ないです。
そのため残業をしようとすることはほとんどなく、きっちりと定時で上がる。
店を回しているのがマレー系の従業員である場合は定時きっかりどころか10分前に店が閉まることもざらです。
インド系
働くスタンスは二極化しているといえるでしょう。医者や弁護士などの特殊技術を身に着けてプロフェッショナルになる人も多くいます。
他方家族を重視して、必要なお金のみを得られれば良いという考えの人も多いです。
後者の方は残業をしようとすることはほとんどなく、きっちりと定時で上がります。
残業問題
過労が問題になっていることが多い日本ですが、マレーシアはマレーシアで異なる問題が発生しています。マレーシアでは管理職ではない労働者は残業手当が付くよう法律で守られています。
よく問題となっているのは、やることがないのに定時の後にオフィスに残ってゲームをしたりビデオを見たりお茶などをして残業代を申請することです。先日は基本給と同額の残業代を申請して却下された事例が報道されていました。
また事業時間内に終わる内容をわざと先送りして残業時間を発生させるといった事例も多くあります。事業時間内は個人のほかのことを行っているわけです。
もちろんすべての会社がこのようなわけではなく、本当は残業したくないのにせざるを得ないという会社も多くあります。
残業は法的にはどこまで可能なのか
マレーシアの残業はどこまで可能なのでしょうか。
マレーシアの法律では管理職には適用されませんが、
Employment (Limitation of Overtime Work) Regulations 1980 により
1か月の残業時間104時間
The limit of overtime work for the purpose of section 60A (4) (a) of the Act shall be a total of one hundred and four hours in any one month.
と設定されています。
まとめ
マレーシアの法律は労働者を強く守る法律(自国民に限る)であることが知られています。そのためこのような特殊な問題が発生しています。しかしこの制度を誤用するとこの先どうなるでしょうか。全体レベルではアメリカのように定時はなし、成果のみが求められる社会システムに移行せざるを得ないかもしれません。
個人レベルでは今うまいことをやっても後でつけが回ってくるのは本人たちですね。いずれにしても正直に働くのが一番であるのは言うまでもありません。
解雇に関連する法律もありますが、それはまた別の記事でご説明します。
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