マレーシアの不動産物件を調べ始めると必ず出てくる単語が
ブミ(Bumi)
です。
マレーシアではこれは非常に重要な意味を持つ言葉で、知らなければ多額の損失を被る恐れがあります。
ブミロット(Bumi Lot)とは
マレーシアの不動産デベロッパーは新規住宅を提供するとき、全住戸のうち30%をブミプトラに割り当てなければならないことになっています。
ブミプトラとはマレーシア政府によりに指定された人達で、マレー系マレーシア人と土着の民族で構成されています。
ブミプトラに割り当てられた土地・建物の物件はブミユニットと呼ばれています。
ブミユニットが一般物件と異なる点
1.ブミユニットは基本的にブミプトラにしか販売できない
2.ブミユニット指定を解除することもできるが手続きは困難
ブミユニットを非ブミプトラに販売する場合は、Land Officeに行って特別な手続きが必要です。
しかもその手続きのすべてが認可されるわけではありません。
Land Officeに行ってブミユニットを解除するプロセス
まずはLand Officeに行って、ブミユニットを解除しなければならない正当な理由を陳述する必要があります。
例えば「市場にある期間出したものの、ブミプトラ市場には需要がないため一般市場に出すしかない」などの陳述が考えられます。
繰り返しになりますが、州によって認可の難易度には違いがあり、認可が非常に困難なところもあります。
ブミユニットは特別割引価格でデベロッパーから販売されています。
幸いなことに認可を得られ、ブミユニット指定を解除する場合、その割引分をデベロッパーに返還しなければなりません。(ブミユニット割引については次項目参照)
またこのプミユニット指定解除も恒久的なものではありません。
仮に新たな購入者も非ブミプトラである場合、再度Land Officeに行って同様の手続きを踏む必要があります。
一般的にLease Hold ユニットの認可を得る方がFreehold ユニットよりも厳しい傾向にあります。
3.ブミユニットは他の制限のかかっていない住宅に比べて住宅価格の値上がり幅が小さい
今のところ、不動産物件価格は現在に至るまで上昇を続けています。
しかし上記のような制限があるため、ブミユニットに限っては一般物件市場に比べ需要が低いです。
そのためブミユニットは他の制限のかかっていない一般住宅に比べて住宅価格の値上がり幅が小さい傾向にあります。
ブミ割引(Bumi Discount)
ブミユニットとして指定されたものは最大15%の割引価格でデベロッパーから販売されています。
建物使用目的と州によって割引割合は異なりますが、クアラルンプールは5%、セランゴール州の住宅は7%、ジョホール州は15%の割引があります。
ブミユニットはブミプトラのみを対象としたユニットです。
そのため市場が小さく不動産会社の思惑通りに販売ができないことが多々あります。
不動産会社によっては購入者に事実を伝えずに、このブミユニットを外国人にも購入させようとするところがあるので注意が必要です。
日本人を含む非ブミプトラは当該物件を買うことはできません。
Malay Reserved Land (MRL)
マレー人にのみが所持できる土地です。ブミユニットよりも強い規制がかかっています。
マレー人オーナーはこの指定地域の土地や建物をマレー人以外に貸すこともできません。
さらにこの地域で行うビジネスはすべてマレー人のオーナーを持っていなければなりません。
まとめ
ブミプトラに該当する人たちにとって、ブミユニットは購入する際は格安価格の物件ですが、同様の物件が市場にあふれているため再販して現金化するには時間がかかります。
長期保有・使用が念頭に置かれた物件であるのは間違いないでしょう。
日本人を含むブミプトラに該当しない人たちは、ブミユニットの購入は不可能です。
物件購入時には必ず販売者にブミユニットでないかどうかを確認しましょう。
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