クアラルンプールでプラスチックストローが使えなくなる、という法律が話題になったことがありました。違反した店には営業権剥奪というかなり重い罰が適用される見込みで、さらに罰金・懲役も検討されているという話でした。すでにビニール袋の使用が禁止されているマレーシアですが、この法律はどれほど徹底されるのでしょうか。
詳しくは下記記事をご覧ください。

ビニール袋の禁止令が出たあとも、いまだに店で持ち帰りを頼むとビニール袋が使われたり、プラスチックケースの入れ物に入れてくれたりします。ストローについても、マクドナルドでは自由に取れたストローがなくなりました。従来ケチャップやチリソースなどと一緒に並んでいたものです。まあ実際はレジに行って「ストローください」と言えばくれるんですけどね(笑)。
■当時の国民の反応
国民の反応はなかなか現実的でした。
環境のために良いことだからどんどん推進すべきだ
という意見、そして
マレーシア国中でどれほどの店が営業許可をとって営業しているんだ。結局誰も守らないよ
という現実的な意見に大別されました。営業許可をとらずに営業している店も多く、夢を語ってもなかなかその通りにいかないところが難しいところです。また
ストローに限らずすべてのプラスチック製品を禁止すべきだ。紙の入れ物を使っていた時代に戻そう!
との革新的な意見や
また無意味な法律が設定されたよ。やってらんねー
などの冷めた意見も展開されていました。
8年後の現在地:禁止令は施行されたが
結論から言うと、当時マレーシア国民が語っていた懐疑的な意見「結局誰も守らないよ」の方が的中しました。クアラルンプール(DBKL管轄エリア)では実際に2020年からプラスチック製の使い捨てストローの提供が禁止され、違反した飲食店はライセンス取消しの対象になるという制度自体は施行されています。
ところが現地メディアの報道では、クアラルンプールのほぼすべての飲食店でプラスチックストローの提供が変わらず続いていると繰り返し指摘されています。環境団体Sahabat Alam Malaysiaの代表者も「この施策が機能していない最大の理由は執行(エンフォースメント)の失敗にある」と述べており、原因は当時の予想通り、取り締まりの不徹底です。DBKLの取り締まりの重点も、近年はストロー規制そのものより不法投棄や清掃問題の方にシフトしている様子がうかがえます。
マレーシア連邦政府としては使い捨てプラスチック全般の削減を段階的なロードマップとして掲げていますが、地方自治体(DBKL等)ごとの条例の運用状況には差があり、「法律が施行されている」ことと「現場で守られている」ことは別問題だという、この記事が最初に投げかけた疑問への答えが、そのまま今も続いているという状況です。
旅行者としての実用的な結論は、「ストロー規制を過度に気にする必要はないが、環境意識の高いお店やホテルでは提供されないことがある」くらいに考えておくのが現実的です。ゴミの分別やビニール袋の有料化についても、店舗やモール、州によって運用のばらつきが大きいため、マレーシア国内を移動する際は「ここではこうだった」という体験を過度に一般化しないほうがよさそうです。マイストローや折りたたみ式のエコバッグを持ち歩いておけば、規制の有無にかかわらず困ることはないので、身軽な備えとしては悪くない選択です。結局のところ、法律というのは施行して終わりではなく、日常の現場でどう運用され、どこまで浸透するかがすべてなのだと、この記事を書いてから数年経った今、あらためて実感させられます。
出典: The Vibes(KLでのプラスチックストロー禁止令の実態) / Malaysiakini(禁止令の現状)。禁止令の詳細な運用状況は地域や時期によって変わりうるため、最新の状況は現地の報道や各自治体の公式発表で確認することをおすすめします。




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