皆さん、如何お過ごしでしょうか?
マレーシアに住んでいると色々なことが起こりますよね。
その中の一つとしては突然の親知らず。。。
予期もしない時に親知らずが痛み出し、現地で抜歯しなくてはいけない・・・
そんな時に日本に帰国するには時間が無い時もありますよね。現地の医療事情にも通じておらずパニックになりますよね。そこで今回は親知らずを抜く際のマレーシアの医療事情を調査しました。
【体験談】なぜマレーシアで口腔外科を受診したの?!
まずは、筆者がなぜマレーシアで口腔外科を探す必要があるのかを説明させて頂きたいと思います。
(マレーシアにお住まいの方でも同じ事象があれば、参考になるかと思います)
ある日、首のリンパ節両側の腫れが発生しました。無視しておけば良くなるだろうと楽観視していたところ、どんどんと悪くなり、口が思うように開けられなく状態に・・・。そして血痰も1日に2回程出ました。
当初は歯が問題だとも想像しておらず、現地の耳鼻科(ENT)を受診してみました。
そうすると抗生剤の処方がありました。
ところが5日服用しても治らず。。。内視鏡検査を行ったところ、喉・鼻には何も異常がありませんでした。
原因は不明の状態でしたが、まず入院をして、点滴にて抗生剤を投与することで顎の下にできたリンパ節の腫れに対処することにしました。また、息苦しさも出たためX線で検査したところ気管支炎を発症していることが分かり、CTスキャンと結核検査(ツベルクリン反応)も行いました。
結果、結核等の検査は陰性となりました。
また、内視鏡検査を喉まで行いましたが、特に変化は無く・・・
5日間の入院代お値段は何とRM8300・・・・
リンパ節の腫れが引いてきたため無事退院しましたが、血痰は良くなるどころか頻度が増していきました。
さあ、どうしようかと考えていたところ、念のため歯医者を受診してみることにしました。そうすると該当のリンパ節は親知らずの感染症から来ているはずだという口腔外科医の診断がありました。
親知らずの抜歯は、難易度が高いものとの診断結果に
さて、口腔外科医にて、X線で写真を撮った時の結果がこちらです。(マレーシアでは要望すればX線でもCTでもデーターをもらえます)
X線の費用はRM180、CTスキャン代RM650でした。
赤で記したのが今回の親知らず、そして青で記したのが下顎管の神経です。CT診断の結果、歯と神経が2mmのみだったという結果になりました。
そう、今回の抜歯は難易度が高いものだとの診断となったわけです。
クアラルンプール内の口腔外科医巡りの旅へ
今回は、クアラルンプールの抜歯かつ難易度が高いということで、親知らず抜歯のスペシャリストを探してみることにしました。
日本と大きく異なるのは、インターネット上で「親知らず専門医」という書き方をしている歯医者がないことです。
今回はGoogleのレビューを参考にして、1つずつ調べていきました。
筆者で取捨選択したところ、出てきた候補は以下の2つ。
①DR ARASU DENTAL, ORAL SURGERY & IMPLANT SPECIALIST
こちらはBangsarにある歯医者で、インド人の医者Arasuが口腔外科医です。
受付は金色のデザインで、とても煌びやかですね。
さて、Dr.Arasuですが、非常に辛抱強く最後まで質問を聞いてもらえます。
疑問点を最後まで解消させてもらえるのがこちらの口腔外科医の強みかと思います。
リンパ節の腫れについても質問を投げたところ、該当のリンパ節は喉・鼻関連の感染症ではないと断言していました。技術力もピカ一と思います。
ただ、若干残念だったのはお値段の提示・・・
今回は難易度が高い抜歯だということで、最低でもRM2500-4000、状況によってはRM4000-6000という提示でした。
どう考えても高いな・・・ということでセカンドオピニオンを考えてみることにしました。
(こちらの医者で取ったX線写真とCTデーターはもらうことにしました)
②Dentessence Dental Clinic (Dr Brian’s SMILE28)
さて、調査の結果第二候補として上がってきたのが、こちらの口腔外科医です。Dr.Brianという口腔外科医が所属しているクリニックということで、インプラント治療に定評がある医者のようでした。
口コミを見ていると親知らずの治療も数多くやっているということでこちらの歯医者に行ってみることにしたのがきっかけです。
以下のように受付は過剰な装飾も見られずにシンプルです。ウェルカムドリンクとクッキーまで用意してくれ、クリニックの方はとてもフレンドリーでした。
Dr.Brianはとてもサバサバした方で、あまり人と話すのは得意ではない職人さんのような人でした。
ただ、症状を全て話したところ感染症は親知らずからの可能性が高いということで、抜歯を勧めてもらえました。
抜歯の費用はRM500-1200ということでだったので、こちらの口腔外科医に抜歯をしてもらうことにしました。
さて、抜歯の当日ですが、神経が近いので最悪の場合神経が傷つく可能性があるということでサインをする必要がありました。非常に心配になる説明でしたが、質問をしてみると沢山の症例をこなしているとのことで2回抜歯も不要な内容だということで「万が一」のためだということでした。
麻酔は15分程、抜歯は約9分で完了しました。
抜歯の後で、話を聞いたところDr.Brianはムダに歯を小刻みに割らず、傷口を少なくするために丸々抜歯するのが得意だということでした。
抜歯後の親知らずがコチラ。。。ちょっとグロいですね・・・
さて、気になる抜歯の費用ですが、施術料がRM1200、抗生剤等がRM250でした。
===術後(約1週間後)追記===
気になる術後ですが、数日経っても何と舌神経の感覚が戻りません。
何と、抜歯した側の半分が麻痺状態になっていることに気が付きました。
楊枝等でツンツンしても全然感覚がありません・・・・
歯医者に相談したところ、4‐5カ月すれば治るだろうとのこと。
ビタミン剤を処方してもらうことになりました。
===術後(4カ月経過)追記===
何と、全然感覚が戻りません。一向に回復する気配もありません。
日本語の文献を色々と調べました。
https://ir.tdc.ac.jp/irucaa/bitstream/10130/1006/1/99_1102.pdf
個人的にまとめられたのが上記の記事でした。
考えられる原因としては手術中に神経を誤って切ってしまったということです。同意書にサインをさせられているので、歯科医に苦情をすることもできず、泣き寝入りの様相です。。。
もし神経の修復術をするのであれば、「6カ月以内」に舌神経回復手術をするのが望ましいようです。さてマレーシア国内では治療できる医者がいないということ。。
さて、どうしよう・・・
===術後(6カ月経過)追記===
色々と調べましたが、舌神経の修復術も入院を要する大掛かりな手術のようです。
片方の味覚はあるので、家族内でももう諦めよう・・・という話になりました。
(因みにこちらのドクターですが、謝罪の言葉もなく特にフォローアップもないためとても残念です)
===術後(8カ月経過)追記===
なんと朗報が。。。全く感覚のなかった舌の半分ですがほんの少しだけ冷たい感覚が分かるようになってきました。まだ希望があるといいのですが・・・
結論:
マレーシアでの親知らず抜歯は避けて頂くのが賢明のようです。
日本に一時帰国し、定評のある歯医者に行かれることで、納得のいく治療ができるかと思います。
もちろん日本で治療するということで、舌神経の切断がゼロになる訳ではないと思います。
もちろん手術は常にリスクが伴いますので、100%確実な治療はできません。
ただ、腕がある歯医者に行くことでリスクを最小限にできるのは確かであると思います。
是非マレーシアでの治療を考えておられる方は参考になさってください。
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