【図面なしでOK】AI活用の建築パース3プランの選び方|5,000円と20,000円で何が変わるのか

「まだ図面が固まっていないけれど、雰囲気だけ先に見せたい」
「置きたい家具のイメージはあるのに、既製の素材にちょうどいいものがない」

建築パースのご相談で、この2つは本当によくいただきます。前者は設計の初期段階、後者は店舗やクリニックのように「誰がどう使う空間か」が勝負になる案件で必ず出てきます。

どちらも根っこは同じで、パースの費用は「絵の綺麗さ」ではなく「何をゼロから作るか」で決まるという点が伝わりにくいことが原因です。図面がなくても作れますし、既製の家具で足りるなら安く済みます。逆に、手持ちにない家具を新しく作るなら、その分の手間が価格に乗る。それだけの話なのですが、価格表を眺めているだけでは判断がつかないのが現実です。

この記事では、KOKONATSの建築パース3プランの違いと、どの場面でどれを選べばいいのかを、価格・納期・できること・できないことまで具体的に紹介します。

3つのプランの違いを一枚の表で

まず全体像です。価格はすべて税抜表示、1枚(1カット)あたりの基本料金です。

項目 簡易パース 簡易パース+
オリジナル家具作成
フォトリアルパース
基本料金(税抜) 5,000円 10,000円 20,000円
家具・什器 △ 手持ちモデルから選定 ◎ 案件に合わせて新規作成 ◎ 図面・仕様に沿って作成
図面の要否 不要(スケッチ可) 不要(スケッチ可) × 図面が必要
3Dモデル ○ 既存モデルで構成 ◎ 家具を新規作成 ◎ 建物ごと作成
アングル追加 ○ 可 ○ 可 ◎ 得意
納期の目安 2〜3営業日 2〜3営業日 初稿3〜5営業日
修正 500円/箇所 500円/箇所 別途ご相談
向く場面 社内検討・初期のたたき台 施主提案・コンペの一次案 最終提案・販促・掲載用

迷ったら「手持ちにない家具が主役かどうか」で分かれます。主役なら10,000円、脇役なら5,000円です。

クリニック待合室を簡易パースで描いた例。既製の汎用的な受付カウンターとベンチを配置している
手持ちの3Dモデルで構成した場合。配置と広さの確認には十分だが、家具は「よくあるもの」になる。
同じクリニック待合室で、受付カウンターと待合ベンチをその案件のために新規に3Dモデル化した例
同じ空間で、受付カウンターと待合ベンチだけを新規に作った場合。空間の印象を決めているのは、この2つの家具である。

どのプランを選べばいいのか

1簡易パース(5,000円)

弊社が持っている3Dモデル(家具・照明・植栽・人物添景など)を組み合わせて、空間の雰囲気とスケール感を確認するためのパースです。図面は不要で、手描きのスケッチや参考写真からでも制作できます。

向いているのは、社内で方向性を揃えたい段階や、施主との初回打ち合わせに持っていく1枚です。安く早く出せるのが最大の利点で、複数案を並べて比較するような使い方にも耐えます。

一方で、手持ちのモデルにない家具は「似たもの」で代用します。そのため、特定のブランド什器やオリジナル造作が空間の顔になる案件では、どうしても「イメージと違う」が残ります。ここが5,000円の限界です。

2簡易パース+オリジナル家具作成(10,000円)

手持ちにない家具・什器を、その案件のために新しく3Dモデルとして作るプランです。参考画像やスケッチをいただければ、そこに寄せた形状・素材で作り起こします。

先に価格の理由を説明しておきます。この価格が成立しているのは、家具の造形に画像生成AIを使っているからです。同じことを手作業で1点ずつ詳細にモデリングすると、10,000円ではとても収まりません。制作の進め方を工夫することで、この価格に収めています。

そして重要なのは、作った家具が3Dモデルとして残ることです。画像として描いただけなら、アングルを変えた瞬間に作り直しになります。3Dで持っていれば、カメラを動かしても配置を入れ替えても同じ家具がそのまま付いてくる。アングルを変えた2枚目が欲しくなったときに、この差が効いてきます。

逆に言えば、型番どおりの忠実な再現をお約束するプランではありません。細部の作り込みは、手作業で1点ずつモデリングしたものには及びません。カタログの寸法・素材を正確に反映する必要がある場合は、図面や仕様書をいただいた上でフォトリアルパースとしてお見積りします。「雰囲気を指定に寄せる」のがこのプラン、「仕様どおりに作る」のが次のプランです。

3フォトリアルパース(20,000円)

図面をもとに建物そのものを忠実にモデリングし、光の回り方や素材の質感まで詰めて仕上げます。施主への最終提案、販促資料、Webサイトへの掲載など、そのまま人前に出る1枚はこちらです。

図面が必要になる分だけ着手のハードルは上がりますが、建物ごと3Dで組むため、内観と外観の整合が取れ、アングルの追加にも強くなります。詳しい相場観は建築パースの価格相場と見積りで確認したい5項目にまとめています。

納品物について

ひとつ補足しておきます。生成した画像をそのまま納品することはありません。納品物は、3Dソフト上で空間を組み立ててレンダリングした画像です。制作の途中でどの道具を使っているかにかかわらず、お渡しするものは通常のパースと変わりません。

対応できないこと(先にお伝えします)

実施設計レベルの正確な再現 — 簡易パースの2プランは、寸法の厳密さを保証するものではありません。確認申請や施工の根拠資料としてはお使いいただけません。

指定型番どおりの什器の再現 — 前述のとおり「寄せる」までで、細部の作り込みは手作業でモデリングしたものには及びません。忠実再現が要る場合はフォトリアルでお見積りします。

3Dデータそのもののお渡し — 制作した3Dモデルは弊社で保管し、アングルの追加や配置変更のご依頼に使わせていただきます。データ単体での納品・譲渡は行っておりません。納品物はレンダリングした画像です。

広告・販売用の完成予想図としての無条件の使用 — 不動産や住宅の販売広告に使う完成予想図には、現況と異なる部分の明示など表示上の配慮が求められる場合があります。簡易パースは実物の完成形を保証する図面ではないため、広告用途でお使いになる際は、適用される表示ルールを広告主側でご確認ください。判断が必要な場合はご相談ください。

ご依頼時に用意していただきたいもの

図面がなくても着手できますが、次の4つがあるほど初稿の精度が上がり、修正の往復が減ります。

  • 平面のスケッチまたは図面 — 手描きで構いません。壁の位置と広さが分かれば十分です。
  • 参考画像 — 「こういう雰囲気」の写真を3〜5枚。特に家具を新規作成する場合は、これが仕上がりを大きく左右します。
  • 見せたいアングル — 入口から見た構図なのか、奥から振り返る構図なのか。1行のメモで足ります。
  • 使う場面と提出先 — 社内検討なのか施主提案なのかで、詰めるべき精度が変わります。

用意する資料の詳細は建築パースに必要な資料と渡し方7項目に、修正の伝え方は修正指示の伝え方5つのコツにまとめてあります。什器や添景の決め方で迷ったら内観パースの什器・添景の決め方5つの基準もどうぞ。納期の内訳は建築パースの納期の内訳と5つの工程で分解しています。

迷ったときの決め方

最後に、選び方をひとつの基準に落とします。その1枚が誰に見せるものかで決めてください。

自分たちで見るなら簡易パースで足ります。施主やコンペの審査員に見せて、空間の主役になる什器が手持ちの素材では表現しきれないなら、オリジナル家具作成込みの10,000円が費用対効果で最も落ち着きます。そのまま広告やWebに載る1枚なら、迷わずフォトリアルです。

パースの費用を決めるのは絵の綺麗さではなく、ゼロから作るものの量です。ここを最初に切り分けておくことが、無駄な出費と手戻りを防ぐ唯一の方法です。最新の料金は価格表ページをご覧ください。

どのプランに当てはまるか判断がつかない場合は、お手元の資料をそのままお送りください。内容を拝見して、適したプランと概算をご案内します。

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