投資目的でマレーシア不動産を購入する際には気を付けてほしい税金制度があります。本来マレーシアにあった制度ではなく、投資が過熱してからできた、比較的新しい税金制度でRPGTとよばれています。
RPGTってなに?
正式名称 Real Property Gains Taxと呼ばれるこの税金は、投資熱が上がり、価格が急激に上がり続けるマレーシア不動産に対して政府が歯止めをかけようと2008年に一時的に導入したのが始まりです。
その後2010年にふたたび導入され、2014年の改正を経て現在に至っています。
適用範囲
物件を購入して販売したとき、その販売価格が購入価格を上回った場合に適用されます。物件の持ち主が個人法人にかかわらず適用されます。
税金はこの販売利益にかかってきますが、販売利益は販売を行うためにかかった宣伝広告費や法的文書発行の諸経費を差し引いて計算できます。(Stamp Dutyなど)
物件保持期間により税金額が異なっています。この物件の保持期間とはS&P Agreement 売買契約書 (Sales and Purchase Agreementの略)を結んでから物件を手放した時までの期間です。
例外
生涯で初めて購入した物件
生涯で初めて購入した物件はこの対象から外れます。この除外を適用できるのは一度限りです。
家族間取引
家族間で物件の売買を行った場合はこの税は適用されません。
計算方法
前述の販売利益から控除額を引いて物件保持期間別に設定された税金率をかけたものが支払わなければならない税金額です。
控除額
販売利益の10パーセントまたはRM10,000のいずれか高い額
税金率
物件保持期間であるか、マレーシア市民であるか、法人であるかによって別のレートが適用されます。
物件保持期間 | マレーシア市民または永住者 | 外国人 | 法人 |
3年以下 | 30% | 30% | 30% |
4年以下 | 20% | 30% | 20% |
5年以下 | 15% | 30% | 15% |
それ以上 | なし | 5% | 5% |
例
購入から4年たった家を販売し、販売利益RM300,000を得たマレーシア人の場合、
控除額は【販売利益の10パーセントまたはRM10,000のいずれか高い額】であるので、販売利益の10パーセントのRM30,000となります。
物件保持期間が4年以下の場合は、上記リストより税金率20%が適用されます。
したがってRPGTの税金総額は
(販売利益-控除額)*税金率=(RM300,000ーRM30,000)*20%=RM54,000
となります。
まとめ
個人利用のために物件購入した人にはあまり関連のない税金システムですが、投資のために購入した個人や法人には大きく影響を及ぼす税金設定となっています。特に外国人が投資目的に購入した場合は5年以下で販売すると税金率が販売利益の3割にもおよぶため決して無視できないシステムとなっています。
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