(全公開)マレーシア建築職人たちの日給

東南アジアに来ると多くの工事現場を見ます。マレーシアも不動産市場の停滞であるものの相変わらずの建築ラッシュが続いています。

現場を見てみると多くの労働者が安全基準もままならないまま働いていますが一体彼らは1日いくらもらっているのでしょうか。

CIDBというマレーシアにおいて建築を管轄する役所がありそこで公式データが出ているので建築関連を見てみます。これは2015年度のデータです。

データが見ずらい方は最後にグラフをつけているのでご参照ください。

【2026年時点の重要な補足】本記事の元データは2015年のCIDB(マレーシア建設産業開発庁)統計です。当時は外国人労働者とマレーシア人労働者で法定最低賃金の扱いが分かれていましたが、2022年の制度改正によりこの二重基準は撤廃され、現在は国籍を問わず単一の全国最低賃金(2026年時点で月額RM1,700、時給換算でRM8.18)が適用されています。したがって「外国人労働者は必ずマレーシア人より人工が低い」という下記データの傾向は、現在の法制度上はそのまま当てはまらなくなっている点にご留意ください。以下の具体的な人工データは、あくまで2015年当時の職種間・地域間の相対的な水準感を知るための歴史的参考資料としてご覧ください。

マレーシア人労働者(半島サイド)

職種 人工(RM) 参考(JPY)
親方 見習い 親方 見習い
建築一般 83 2,075
コンクリート作業 109 90 2,734 2,239
煉瓦積 112 91 2,797 2,268
左官 120 94 2,991 2,355
タイル 119 99 2,984 2,469
鉄筋工 112 88 2,807 2,211
型枠 124 95 3,102 2,373
大工 129 99 3,216 2,464
屋根 123 100 3,081 2,498
鉄骨溶接 134 108 3,354 2,703
一般溶接 125 105 3,118 2,627
設備 121 98 3,034 2,458
配管 130 106 3,251 2,649
配線 116 2,909
電気2級(月給) 2,845 71,134
電気1級(月給) 3,993 99,831
プレハブ足場 118 93 2,947 2,321
現場組立足場 121 95 3,013 2,375
塗装 107 89 2,684 2,217
土方 97 2,413

日給にして¥3,000前後、一番高いのは電気工事士のRM 3,993(約¥99,831)です。これらの数字は手取り額ではなく各種天引き前の値段です。

 

マレーシア人労働者(サバ州)

職種 最大人工(RM) 参考(JPY)
親方 見習い 親方 見習い
建築一般 77 1,921
コンクリート作業 109 94 2,724 2,341
煉瓦積 107 86 2,671 2,138
左官 112 97 2,788 2,413
タイル 122 98 3,046 2,438
鉄筋工 111 90 2,771 2,254
型枠 113 96 2,833 2,388
大工 126 105 3,158 2,613
屋根 123 97 3,071 2,433
鉄骨溶接 124 107 3,096 2,663
一般溶接 120 103 2,988 2,563
設備 119 96 2,971 2,396
配管 127 114 3,163 2,842
配線 120 2,992
電気2級(月給) 2,657 66,421
電気1級(月給) 3,317 82,933
プレハブ足場 108 95 2,688 2,379
現場組立足場 111 92 2,779 2,296
塗装 107 91 2,678 2,267
土方 91 2,279

マレーシア人労働者(サラワク州)

職種 最大人工(RM) 参考(JPY)
親方 見習い 親方 見習い
建築一般 77 1,913
コンクリート作業 111 100 2,768 2,500
煉瓦積 108 87 2,691 2,179
左官 113 103 2,833 2,579
タイル 119 102 2,975 2,550
鉄筋工 109 96 2,721 2,392
型枠 118 104 2,954 2,608
大工 126 109 3,158 2,733
屋根 124 103 3,108 2,583
鉄骨溶接 128 111 3,200 2,767
一般溶接 122 106 3,058 2,657
設備 117 100 2,933 2,504
配管 135 123 3,371 3,066
配線 126 3,158
電気2級(月給) 2,828 70,702
電気1級(月給) 3,536 88,391
プレハブ足場 110 97 2,754 2,433
現場組立足場 118 99 2,942 2,471
塗装 112 94 2,805 2,350
土方 93 2,333

 

次にマレーシアで働く外国人労働者たちです。実はマレーシアで働く建築労働者は非常に多くの割合でインドネシア、最近は中国からの労働者です。

外国人労働者(半島サイド)

職種 最大人工(RM) 参考(JPY)
親方 見習い 親方 見習い
建築一般 71 1,764
コンクリート作業 93 78 2,320 1,943
煉瓦積 94 75 2,343 1,869
左官 98 82 2,457 2,044
タイル 101 84 2,535 2,093
鉄筋工 90 75 2,254 1,873
型枠 96 80 2,394 2,000
大工 103 84 2,582 2,108
屋根 102 84 2,546 2,109
鉄骨溶接 109 92 2,737 2,309
一般溶接 110 87 2,738 2,179
設備 101 84 2,520 2,095
配管 107 90 2,687 2,257
配線 101 2,522
電気2級(月給) 2,231 55,774
電気1級(月給) 3,053 76,322
プレハブ足場 97 80 2,431 1,989
現場組立足場 98 81 2,448 2,014
塗装 92 74 2,297 1,857
土方 78 1,955

 

外国人労働者(サバ州)

職種 最大人工(RM) 参考(JPY)
親方 見習い 親方 見習い
建築一般 67 1,671
コンクリート作業 97 82 2,433 2,046
煉瓦積 91 72 2,267 1,788
左官 102 90 2,538 2,238
タイル 103 89 2,579 2,229
鉄筋工 94 83 2,354 2,063
型枠 99 90 2,471 2,246
大工 114 96 2,838 2,396
屋根 105 90 2,633 2,242
鉄骨溶接 112 97 2,804 2,421
一般溶接 112 97 2,801 2,421
設備 105 86 2,625 2,154
配管 116 101 2,900 2,525
配線 112 2,804
電気2級(月給) 2,247 56,163
電気1級(月給) 2,772 69,308
プレハブ足場
現場組立足場
塗装
土方

 

外国人労働者(サラワク州)

職種 最大人工(RM) 参考(JPY)
親方 見習い 親方 見習い
建築一般 66 1,654
コンクリート作業 104 85 2,592 2,125
煉瓦積 91 76 2,263 1,904
左官 106 97 2,658 2,417
タイル 105 96 2,625 2,396
鉄筋工 97 83 2,413 2,067
型枠 104 97 2,604 2,415
大工 114 101 2,854 2,521
屋根 133 95 3,333 2,375
鉄骨溶接 118 98 2,958 2,442
一般溶接 116 100 2,908 2,504
設備 103 90 2,567 2,238
配管 125 105 3,137 2,623
配線 123 3,063
電気2級(月給) 2,358 58,961
電気1級(月給) 2,950 73,754
プレハブ足場 101 93 2,523 2,325
現場組立足場 105 89 2,628 2,221
塗装 96 83 2,392 2,079
土方 82 2,054

各職種、地域での賃金の比較(2015年データ)

マレーシア建築職人の人工比較グラフ

サバ・サラワク州は地方であるものの、マレーシア人・外国人ともに人工の水準は半島部と大きくは変わりません。配管分野に限ってはサバ・サラワク側の人工の方が半島側より高く、当時から人材不足の兆候がうかがえます。一方で、当時のデータでは外国人とマレーシア人の間の人工に日給RM20〜30ほどの差があり、どの職種でも外国人がマレーシア人の水準を上回ることはありませんでした。

2026年現在の状況

前述の通り、2022年の最低賃金法改正により、国籍による賃金の二重基準は法制度上廃止されています。現在は全国一律で月額RM1,700(時給RM8.18換算)が最低賃金として適用され、外国人労働者にも同じ基準が適用されます。ただし、これはあくまで「法定の下限」であり、実際の現場での人工(熟練工の日給)は職種・経験・雇用主との交渉によって最低賃金を大きく上回る水準で決まるのが実情です。かつて指摘されていたような制度上の賃金格差は解消されつつありますが、実務上の待遇差(住居・保険・労働環境など)については今も課題として残っているとの指摘もあります。

マレーシアでは今なお活発な建築ラッシュが続いており、外国人労働者への依存度も高い状態が続いています。建築業界の労働環境・賃金水準は法改正や経済状況によって変化するため、最新の制度についてはCIDB(マレーシア建設産業開発庁)や人材資源省(Ministry of Human Resources)の公式発表を確認することをおすすめします。

※本記事の個別職種データ(表・グラフ)は2015年時点のCIDB統計です。現在の具体的な人工水準を保証するものではなく、歴史的傾向を知るための参考情報としてご覧ください。

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