自動車業界においてゲームエンジンとして使用されていたUnreal Engineの導入が進んでいます。すでにBMW、Ferrari などの企業がUnreal Engineによって開発されたVRを取り入れ始めています。この自動車産業におけるデジタル化の流れは、設計段階からからマーケティング手法まで、自動車開発プロセス全体に影響を与えています。
Epic Gamesより開発されたゲームエンジンでゲーム制作、建築レンダリング、アニメーション制作などに使用されています。3か月の売り上げがUS100万ドル以下の事業主の場合無料で利用することができます。
Unreal Engine使用による設計手法の変化
何十年もの間、自動車設計・検討は、粘土のような工業用プラスチックを使用しての進められてきました。
しかしUnreal Engineのようなゲームエンジンを利用したバーチャルリアリティ(VR)導入により、設計者には新たな可能性が生まれています。粘土のモデリングでは行うことのできなかったことをVR では行うことができるようになったのです。
Unreal Engineのようなゲームエンジンを利用したバーチャルリアリティ(VR)導入には以下のような大きなメリットが挙げられます。
- 設計の再検討プロセスの迅速化
- 大胆な新コンセプト検討の簡易化
- 実際の素材を使用しないことによるコストカット・作業時間短縮
- 設計初期段階からの使用素材やディテールの検討
影響を受けるのは設計だけではありません。販売の現場にも変化が訪れています。
Unreal Engine使用によるマーケティング手法の変化
Unreal Engineのようなゲームエンジンを利用したバーチャルリアリティ(VR)導入は、顧客の意見をデザインに反映させる新しい方法を生み出しています。
ディーラーに顧客を連れてきて、新しい車のコンセプトを実際に見せてフィードバックをもらうことがより簡単になったのです。新しいコンセプトはVRの中で発表されるので、写真を密かに撮って持ち帰ることができません。
なんたってゴーグルの中で新しいデザインを見るのですから。カメラ機能付き眼鏡を付けて撮影しない限りこっそり写真を撮るのは難しいですね。
またゲーム空間を利用しての自動車販売も行うことができます。通常レースゲームでは、メニューから車の色やホイールなどをカスタマイズすることができます。同じようにVR使用により自動車販売店は、バーチャルなショールームを提供して、顧客がバーチャルなオプションを閲覧し、希望の車を設定できるようにすることができます。車体の色からシート、タイヤの仕様など、現実世界に制約されずに何百万通りもの組み合わせ設定を行うことができます。そしてこの3Dモデルをゲームに接続し、仮想現実の中でテストドライブを行えます。
さらに既存のゲームとコラボレーションしてオリジナルデザインをゲームの中で見せて現実世界でそれを売るというマーケティング手法も検討されています。
まとめ
リアルタイム3D技術が、本来のゲーム開発分野のみならず、自動車産業などの業界に影響を与えていることに注目です。VRは新しいデザインや技術の秘密保持分野にも新たな解決策を提供しています。
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