マレーシアの長期滞在ビザ制度「MM2H(Malaysia My Second Home)」は、審査停止・制度見直しを経て、大きく生まれ変わりました。2020年前後に一時審査停止となった当時の状況から、2026年時点でどう変わったのかを整理します。
2020年前後の混乱期
2020年当時、MM2Hの審査当局が観光局からイミグレーション(移民局)に移管されたことなどを背景に、新規申請の審査が一時停止し、多くの申請が却下される事態となりました。制度の見直しには時間がかかり、申請者や不動産業界に大きな不安を与えました。
2024年7月: MOTAC主導での再編・現行制度へ
2026年時点の3階層と要件
| 階層 | 在留期間 | 定期預金額 | 不動産購入最低額 |
| Silver | 5年(更新可) | USD150,000〜 | RM600,000 |
| Gold | 15年(更新可) | USD500,000〜 | RM1,000,000 |
| Platinum | 20年(更新可) | USD1,000,000〜 | RM2,000,000 |
大きな変更点として、以前は任意のライフスタイル要素だった不動産購入が、現在は各階層の必須要件になっています。購入する不動産の最低価格は西マレーシア(半島)向けの基準で、州(クアラルンプール・ペナン・ジョホール等)によって実際の適用条件が異なる場合があります。
年齢・滞在日数要件
SEZルートは21歳以上、Silver・Gold・Platinumは25歳以上が対象です。50歳未満の申請者は年間90日以上のマレーシア滞在が必要ですが、50歳以上の申請者には現時点で最低滞在日数の規定がありません。定期預金は2年目以降、不動産購入・医療費・子女教育費といった承認済みの用途に限り最大50%まで引き出し可能です(承認には2〜4週間程度、MM2Hオフィスからの正式な承認レターが必要)。
扶養家族の範囲
配偶者、未婚の子(34歳以下でマレーシア国内就労をしていない者)、障がいのある子(年齢制限なし)、そして本人または配偶者の親も扶養家族として申請に含めることができます。
ビザとしての位置づけの注意点
MM2Hは長期滞在を可能にするビザですが、就労ビザとは異なり、原則としてマレーシア国内での就労は認められていません(投資・事業経営など一部例外はケースバイケースで判断されます)。ビジネス目的でマレーシアに拠点を置く場合は、MM2Hではなく別の就労・投資関連ビザ(Employment Pass等)の取得が必要になる点に注意が必要です。ビザ関連の情報は個別の状況により大きく変わるため、本記事の内容はあくまで一般的な制度概要としてご参照いただき、実際の申請にあたっては必ず移民局または専門のビザコンサルタントにご相談ください。
複数エージェントへの相談をおすすめする理由
MM2Hのようなビザ申請は、書類不備が差し戻しの主な原因になります。信頼できるエージェント・行政書士に依頼すれば、書類の事前チェックだけでも大きな時間短縮になります。無料相談を実施しているところも多いため、契約前に複数社へ問い合わせて対応の丁寧さを比較することをおすすめします。
申請にかかる期間の目安
MM2H申請は、書類準備から承認まで数か月単位の時間がかかるのが一般的です。定期預金の開設や不動産購入は承認後に行う必要があるため、申請中は資金を動かさずに待機しておく必要があります。エージェント経由で申請する場合、エージェントの実績・対応の丁寧さによって進行速度が変わることもあるため、複数のエージェントから話を聞いて比較検討することをおすすめします。
2020年以前の制度との違い
2020年の審査停止より前のMM2H制度は、年齢によって定期預金額が2段階(50歳未満・50歳以上)に分かれるシンプルな単一階層の制度でした。当時は定期預金額もRM150,000〜RM300,000程度と、現行のSilver階層(USD150,000〜)と比べてかなり低い水準で、不動産購入も義務ではなく任意でした。現行制度は階層が3段階に細分化され、預金額・不動産購入の必須化により、全体として参入のハードルが上がっている点が大きな変化です。一方で、以前は不透明だった審査基準がMOTAC主導のもとである程度明文化された点は、申請者にとってプラスの変化とも言えます。



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