皆さんこんにちは。KOKONATSです。
お元気でしょうか?
マレーシアに移住してきた人の大半は、住む場所を決める時には「賃貸」という選択肢を選択されると思います。以前のブログでは、賃貸契約書(Tenancy agreement)の記載内容で起こりえるトラブルを特集しましたが、今回は賃貸契約書の「作成」時に頻発するトラブルについて特集したいと思います。
②通常の賃貸物件契約の流れ
さて、まずは賃貸契約をする際の流れをざっくり復習するところから始めたいと思います。
①物件をネットで調べる
Mudah.comや、property guru、ipropertyが有名なウェブサイトですね。
②ネットに掲載してある担当不動産屋に連絡する
③内覧日を調整する
④物件が気に入れば価格交渉・条件交渉
Web掲載価格からRM100-200/月ほど価格交渉できることが多いですね。破損個所の修理の依頼や新しい家具の導入に関しても交渉可能です。
⑤口頭にて契約同意、デポジット入金
⑥不動産屋にて賃貸契約書を手配
⑦オーナー・借り手、双方にてサイン
⑧不動産屋にて印紙税を支払い契約書を有効化をする
このプロセスにより、契約書が法的に有効になります
⑨不動産屋より印紙税スタンプ付きの契約書(オーナー、借り手各1通ずつ)が渡される
②賃貸物件を契約する際のトラブル事例
上記の流れでご説明した通り、物件の内覧が済み、物件を実際に借りるという段階になると「賃貸契約書(Tenancy agreement)」が必要になります。法的に有効になる書面なので、オーナー側と借り手にトラブルが生じた場合にはこの書類に基づいて判断が下されることになります。非常に大切な書類ですね!
多くの場合は、不動産屋が物件を仲介することになるので、不動産屋がオーナーに代わってこの書類を手配します。
筆者もこれまで多くの物件を下見・契約を行ってきましたが、不動産屋によって賃貸契約書の作成内容が異なります。
一例として、A不動産屋がKL市内のDコンドミニアムの契約を仲介してくれた時の内容ですが、契約までに支払った金額はSecurity Deposit2か月とUtility Deposit1か月、初月賃貸料金のみでした。別途請求される費用は全くありませんでした。
対して、先日契約したMコンドミニアムはB不動産が対応しました。契約までに支払った金額はSecurity Deposit 2か月、Utility Depositが半か月、初月の賃貸料金でした。
が・・・ここからが注目!!
このB社ですが「賃貸契約書にサインした「後」になって、違和感のある言葉を口にし始めました。
「Tenancy agreementの作成代として別途RM400が必要だ」
賃貸契約の前に渡された「Letter OF Offer To Rent」の内容を確認しましたが、賃貸契約書の代行手数料に関しては一言も述べられていません。
地元の友人に聞いても、地元の風習は「賃貸契約書は口頭で請求されることが多い」ということでした。
そこで、筆者は真相を追及するべく調査してみることにしました。
今回相談したのは、地元で弊社とも取引がある弁護士C事務所。
「地元の不動産屋にTenancy agreementの作成費用がRM400と言われているんだけど、本当に支払う義務はあるのでしょうか?」と聞いてみました。
結果:「No。これは法律を遵守していないから支払う必要はない」という回答でした。
驚きですよね。
理由としては、「Tenancy agreement」は通常弁護士によって作成される内容のため、不動産屋が代行して受け取ることは禁止されているということでした。
そう、「Tenancy agreement」は弁護士によって作成される書類であるため、借り手が「弁護士への報酬として支払うお金であれば合法である」ということです。
ただ、地元の風習と国の法律が必ずしも一致しないのが東南アジアですね。
今回、不動産屋が交渉してきた内容と弁護士に聞いた内容を整合すると・・・
「不動産屋が一度弁護士に依頼した内容をコピーして使いまわし、「作成代」としてお客さんから多額のお金を巻き上げている」、という現実のようです。
皆さんも、何故不動産屋が「請求書」に契約書の作成費用を載せないかというのも納得できるのではないでしょうか。もし請求書に載せてしまうとお客さんに訴えられる危険があるから・・・ということになります。
③Tenancy agreementの作成費用を請求された時の対処方法
法律を遵守していないと分かった瞬間、不動産屋が請求してくる費用を払いたくないと感じる方も多くいらっしゃるかと思います。
そこで、次の疑問として自分に実際に起きた際に「どのように対処すればいいのか」、という点です。
対応パターンを2つご紹介したいと思います。
①不動産屋に支払い、契約を完了させる
もし、請求額が「お手頃価格」であれば不動産屋の「言い値」で賃貸契約を完了させてしまうのも問題ないかと思います。というのも、オーナーとの関係も大事であるため、風習に逆らわずに行動することも後々の交渉で優位になる可能性があるからです。
「お手頃価格」というのは、下記の情報から算出できます。
①印紙税=(年間賃貸料-2400)÷250 x 下記の「額」
入居期間 | 額 |
1年以内 | RM1 |
1年から3年 | RM2 |
3年以降 | RM4 |
例えば、RM1500/月の物件を1年契約するとします。
その場合の印紙税は約 RM62です。
どの不動産屋が対応しても該当の印紙代は必ず必要になります。(自分で対応したとしても同額です)最低限の価格と覚えておくといいかもしれません。
②こちらは地元の不動産屋が提示する「手数料」のマーケット価格です。
月間賃貸料 | 平均手数料 |
< RM1,000 | RM100 |
> RM1,000 ~ RM1,999 | RM150 |
> RM2,000 ~ RM3,000 | RM200 |
> RM3,000 ~ RM4,000 | RM250 |
> RM4,000 | RM300 |
先ほどご説明した月間RM1500の物件だとすると、マーケットプライスはRM150が手数料ということになりますね。
よって、RM1500程度の物件で、RM210 程度の「作成費」であれば波風を立てずにそのまま支払ってしまう方法もありだと個人的には思います。
②不動産屋のTenancy agreementを自分で作成する
こちらが日本人だと分かると、マーケット平均額以上の価格を吹っかけてくる場合も多くあります。先にご紹介した不動産屋はその一例ですね。マーケット価格の倍額以上を請求してきた事例です。
では、どのような交渉術を使えばいいのでしょうか?
不動産屋と言い合いになっては意味が無いので、丁重に話し合いを進める必要があります。
まずは「Tenancy agreement」の支払い先の弁護士、「Tenancy agreement」の作成費用のブレイクダウンを記載した請求書を「書面」で作ってもらえるように依頼してみるのはどうでしょうか?
もし本当に「弁護士」費用を支払っているのであれば、借り手はしっかりと支払いましょう。
ただ、もし不動産屋が利益として請求しているのであれば、当然「書面」は出てこないはずです。
書面が出てきたら「一度、地元の友人に確認をする」と言って持ち帰るのもありだと思います。
ただ、この方法で危険なのは、交渉中に不動産屋に相手にされなくなることです。
その場合は自分で「Tenancy agreement」を作成し、オーナーとも直接交渉をする必要があります。(勿論オーナーに説明する必要がありますが)
筆者の場合、上記交渉を行ったところ不動産屋が音信不通になりました。。。泣笑
その場合、自分で契約書を作成しオーナーに提出する責任が発生します。
④番外編 Tenancy agreementの作成方法
前述した、「契約書」を自分で作る方法ですが以外と簡単です。
まずは、TA sampleをダウンロードしてみてください。
次に、自分とオーナーの必要箇所を全て記入します。
オーナーに原案を送付して、内容を確認してもらうようにしましょう。
さて、双方の合意が取れたらコピーを2通送り、オーナーにサインをもらいます。
郵送で2通受け取ったら、借り手もサインをします。
さて、印紙税を購入できる場所ですがクアラルンプール内で一か所ご紹介したいと思います。
場所はペタリンジャヤにあるLDHN Malaysiaです。
印紙を押してもらえる時間は、朝8時から12時となっておりますので注意が必要です。
無料駐車場も目の前に完備してありますので、お車を所有していればドライブしていくといいですね。
館内に入るとスタッフがいますので、Tenancy agreementの印紙を購入したいと伝えます。コンピューターに案内され、詳細を入力します。
入力が完了次第、カウンターに行き手続き完了です!
印紙税を貼った1通をオーナーに郵送すればすべて完了です。
如何でしたでしょうか?Tenancy agreementの作成をすると思っていなかった筆者ですが、非常にスムーズに完了しました。
参考になった方がいらっしゃれば是非コメントをお願いします!!
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