【港町グルメ】クアンタンの人気シーフード店「Ana Ikan Bakar Petai」|入り口が”魚市場”になっている理由

「クアンタンでシーフードを食べるなら、まずこの店に行くべき」
「入り口に並んでいる魚を指さして、焼くか揚げるか言うだけでいい」

マレーシア東海岸の港町・クアンタン(Kuantan)を訪れたとき、現地の知人にそう勧められて向かったのが、漁村タンジュン・ルンプールにあるシーフードレストラン「Ana Ikan Bakar Petai」でした。看板も控えめで、パッと見は普通の食堂です。ところが店に着いて、その”入り口”の作りにまず驚かされました。

首都圏のスーパーやレストランのように「席に着いてからメニューを開く」のではなく、この店は入り口の一番目立つ場所に、その日水揚げされたばかりの魚介がずらりと氷の上に並べられています。客は席に着く前に、まず魚を選ぶところから始まる構造になっているのが現実です。

この記事では、実際に食べてわかった注文の流れと、なぜこの店だけ深夜まで賑わっているのか、そして行き方までを紹介します。

入り口がそのまま”魚市場”になっている

この店でいちばん印象に残ったのは、入り口(ファサード)の使い方です。マーケットさながらに氷の上へ並べられた魚介を見ながら、「Ikan Bakar(焼き魚)」にするか「Tiga Rasa(甘辛酸っぱい揚げマリネ)」にするかをその場で店員さんに伝えます。値段は魚の種類と重さ次第で、注文の時点で目方を量って教えてくれました。

席に座ってから写真付きメニューで迷う必要がないぶん、注文から配膳までが早いのも気に入った点です。ただし、目の前で魚を選ぶスタイルに慣れていない人は、最初は少し戸惑うかもしれません。値段交渉のような緊張感はありませんが、「これは1人前でどのくらいの量になるか」を先に聞いておかないと、想定より量が多く出てくることもあります。

■ 日本の飲食店の感覚で行くと戸惑う点

日本の「効率重視の客席配置」や「厨房を見せない作り」に慣れていると、こうした”見せる・選ばせる”スタイルは新鮮に映るはずです。生の魚介を大量の氷とともに並べる場所と、実際に食事をする場所が近いため、席によっては魚介のにおいが気になる人もいるかもしれません。逆に言えば、そのにおいと活気こそが「今日獲れたものを今日食べている」という安心感につながっている面もあります。

注文前に確認しておきたいこと

①魚の重さと1人前の目安量 ②調理法(焼き・揚げ・蒸しなど)による値段の違い ③辛さの強さ(Tiga Rasaは辛味が強いことがある) の3点を、注文時に一言添えて確認しておくと、想定と違う量・味で戸惑うことが減ります。

Googleマップで「0:00閉店」でも、実際は深夜まで開いている

訪れた日、Googleマップの営業時間表示は「0:00閉店」となっていましたが、実際には日付が変わってからもテーブルは埋まったままでした。地元の常連らしき客が次々と入ってきて、店員さんも慌てる様子はありません。表示上の営業時間と、客足が続く限り営業を続けるという現場の運用が食い違っているのは、東南アジアの個人経営の飲食店ではめずらしくない話です。

この手の店は、地図アプリの情報だけを鵜呑みにせず、可能であれば現地の人に「今も混んでいるか」を聞いてから向かうのが確実です。逆に言えば、多少表示とずれていても現場に行けば大抵は対応してもらえる、という懐の広さもこの手の店の魅力だと感じました。

味と値段のリアルなところ

肝心の味ですが、Ikan Bakar(焼き魚)はバナナの葉に包んで炭火で焼いてあり、皮はパリッと身はふっくら、余計な味付けがない分だけ魚そのものの新鮮さがよく分かります。Tiga Rasaは甘辛酸っぱいタレがしっかり絡んでいて、白いご飯が止まらない味付けでした。値段は魚の種類・重さで前後しますが、複数人でシェアして1人あたり数十リンギット程度の実感で、首都圏の観光客向けシーフード店より割安に感じました。

①誰と行くのがいいか

1人前の量が読みにくい店なので、2〜4人でシェアしながら数種類を頼むのが向いています。1人で行く場合は、店員さんに「小さめでいい」と一言伝えると量を調整してくれることもありました。

②辛いものが苦手な場合

Tiga Rasaは辛味が強めなので、辛いものが苦手な人はIkan Bakar(素焼き)を中心に選び、タレは別添えにしてもらうと安心です。

行き方・営業情報

クアラルンプールから車で3〜4時間ほど。クアンタン市街からはタクシーかGrabで漁村タンジュン・ルンプールへ向かうのが現実的です。夕方以降のほうが魚の品揃えが良く、活気もあります。駐車スペースは店の前に数台分しかないため、混雑時は少し離れた場所に停めて歩くことになる点も覚えておくとよいでしょう。

Ana Ikan Bakar Petai

Kampung Tanjung Lumpur, 26060 Kuantan Pahang

クアンタンでシーフードを食べるなら、地図の営業時間よりも「並んでいる魚を見て決める」現場のスタイルを楽しみに行くのが正解です。

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