アメリカの大統領ドナルド・トランプ氏がイスラエルの首都としてエルサレムを認めるとの見解を表明しました。
ここでは触れませんが、これには大きな意味があり、中東の周りの国々を巻き込む可能性のある発表となっています。
ということでエルサレムそしてイスラエルに行ってきたレビューをさせていただきたいと思います。
イスラエルの治安って大丈夫なの? 前評判
多くの友人、親族にこう聞かれました。参考になるサイトは以下のサイトです。
日本の外務省発表サイト
パレスチナ自治区を除いたエリアの危険度は最低のレベル1。パレスチナ自治区は総じてあまり治安が良くないことが見て取れます。
このレベルは何年も変わっていません。同じレベルに指定された国を見てみると、
日本周辺ではロシア、インドネシアやフィリピンがランクインしています。世界的有名観光地であるバリはどうやらエルサレム並みの治安のようです。
現地に実際に2年半滞在した友人のレビュー
今もイスラエル国内に多くの友人を持つ彼ですが、彼は一言、
イスラエルの治安が悪いというのはプロパガンダだよ
といいました。実際とても治安が良く、多くの観光客が訪れている現状を教えてくれました。過去2年半の滞在期間中も、そして現在も、治安上の問題はほとんど起きていない模様です。
残念なことに殺人や衝突はどの国でも起きていますね。しかしそれらの情報のみが拡大解釈されているのがイスラエルです。
ただしツアーを利用してパレスチナ自治区にあるヘブロンやベツレヘムに入る際には、銃を持った護衛が付くようです。投石をしてくるパレスチナ人がいるからです。しかし彼らのターゲットは外国人ではなくあくまでもユダヤ人、外国人を対象にはしていません。
イスラエルの治安って大丈夫なの? 実際
超平和です。
要所要所に2人一組で兵士が配置されています。ユダヤ人が多く集まる嘆きの壁に通じる道では荷物チェックと身体検査に至るまで行っていました。
エルサレム旧市街内でも数年前まではスリが多いとのことでしたが近年環境は改善してきているようです。
夜間でも女性、子供の独り歩きを多数目撃しました。
ただしパレスチナ人居住区は夜間になると寂れた雰囲気となるため避けた方が無難です。あまりよい印象を受けませんでした。
例)ダマスカス門北側、City of David周辺
唯一他の国と異なるなと思ったのはガリラヤ湖畔のティベリアという町に行ったときにトーチカがあったことくらいでしょうか。
入国
厳しいとうわさされていたのを聞いていたので準備していきました。実際、入国で怪しまれないようにするにはコツがあります。
まず入ったのは空路でベン・グリオン国際空港です。陸路でヨルダンなどの隣国から入るのはまたもう少し厳しくなると聞いています。現地のツアー企画されている方からヨルダンから陸路でイスラエルに入る方が簡単だと教えていただきました。ありがとうございます。
入国管理局に入る際に注意するのは以下の点です。
- 手書きの旅行スケジュール(日本語で可)を見せる
- 服装はキレイ目
- 滞在先ホテルの住所も見せる
手書きのスケジュールの威力は絶大です。自分で考えて作ったその感じが入国係官に受けるので、パソコンでタイプしたり、無理して英語で作ったりする必要はありません。むしろ係官が詳細がすぐに見えないくらいでちょうど良いのかもしれません。
通過まで3分とかかりませんでした。
移動手段
空港からの移動手段
シェルートと呼ばれる乗り合いバスがおすすめです。金曜日は安息日のため便数が限られるとのことでしたが、問題なく乗ることができました。
空港に専用の待合場所があり、バスの運転手にエルサレム周辺のホテルや観光地点を指定するとそこまで連れて行ってくれます。
街中での移動手段
タクシーはいたるところにあります。運転手たちが話しかけてきますがぼったくられる可能性があるのでそれらのタクシーは利用しませんでした。
代わりに利用したのがこのアプリ、
イスラエルにおいてはUber的な位置づけとして利用されています。
レンタカー
ツアーを利用しないでイスラエルを楽しむためにはレンタカーを借りるのも一つの手です。バスの利用なども検討しましたが、短い間でフルに時間を使おうということでレンタカーを借りました。
運転マナー
ユダヤ人のプライドの高さがもろに現れる場面。運転は性格が出ます。安全上は問題ありませんがなぜそうなるの?という運転をする人を見るのも観光のひとつ。その時は神対応でよろしくお願いします。
おすすめレンタカー会社
まずは下の比較サイトで検討するのがよいです。
このなかでもHERTZは海外で運転する際にいつも利用するレンタカー会社で対応が非常によいです。
任意保険を追加でつけることをお忘れなく。何が起こるかわかりません。自分は絶対にお世話にならないと思っていても、お世話になったことがあります。
イスラエルにおいてはテルアビブ以北に車で行った場合は、後で追加料金を40シェケルほど取られます。
ナビを利用する際の注意点
検問等があり、治安面でもあまりよくないとのレビューを得ていたので、大事を取ってパレスチナ自治区は避けました。
気を付けなければいけない点は、Google Map等のアプリをナビとして利用するとこのエリア内の道路を選択するということです。
例えばエルサレムから死海湖畔のエン・ゲディに出かけたい場合、パレスチナ自治区内を通過すると1時間少しで到着するところが、エルサレムはパレスチナ自治区で囲われているため、そこを避ける場合はCの形に大きく迂回して行かなければならないのです。その場合は3時間近くかかります。
ナビを設定する際にはパレスチナ自治区を通らないルートか、再度確認する必要があります。
両替
空港、観光地の両替所ははっきり言ってぼったくり価格です。まあこれはどの国でも同じでしょう。クレジットカードのキャッシングを利用してATMからお金を引き出そうとしたのですが、これが大失敗!金曜日ということで空港のほとんどのATMが使用不可能でした。
そのためシェルートの料金のみ空港の両替所で両替して、他はエルサレムで見つけたATMでキャッシング利用による引き出しとなりました。
引き出したATMがあった場所付近がこちら↓
歩き回ってようやく見つけました。良い思い出です。
厳選おすすめ観光場所
エルサレム内
オリーブ山
夕焼け時に上るのがおすすめです。エルサレムの町は外壁が白に統一されているので夕焼けの光が反射してとてもきれいに見えます。
写真手前に見えるのはユダヤ人たちの墓です。土葬されているのですが、すべて頭側をエルサレム市街側をむいて埋葬されています。いつかメシアがこの世に現れた時に見ることができるためとのことです。
City of David
1世紀当時の遺跡がたくさんある中で、ここの遺跡は群を抜いて古いものとなっており、恐らく紀元前8~6世紀のものと考えられています。現在まだ発掘中です。
特に保護されているわけでもなく、雨ざらしの状態となっています。観光客を隔てる策もありません。近隣に住居も立ち並んでおり、これらはこの紀元前8~6世紀の上に立っている住居です。
イスラエル博物館
世界的にも有名な博物館です。膨大な量の展示があるのですべて丁寧に見ようとすると1日では回り切れないでしょう。
死海
真冬でも気温が20℃を超えるため、入ることができます。塩があたりにごろごろ転がっています。美肌効果があります。ただ冬には日が暮れるとさすがに寒くなるので、なるべく昼間に浮いてしまってください。
塩はお土産にできます。
マサダ要塞
ローマ帝国に反乱を起こしたユダヤ人たちが最後に立てこもった砦です。
山一つをそのまま要塞にしており、ローマ軍はこれを巨大スロープを作って攻め落としました。ふもとにはローマ軍野営地跡がそのまま残っています。
ここは明け方前に行って徒歩で登り、頂上で朝焼けを見るのがおすすめです。ロープウェーも出ています。
気候
訪れたのは11月でした。体感的には東京の1~2月くらいの気温でしょうか、エルサレムの気温は常時7℃ほどでした。
ただし死海エリアに行くのであれば話は変わります。一般的に山に登って標高が低くなると気温は下がっていきますね。死海は海面下のレベルに位置しており、地上で最も標高の低い場所となっているため、その逆のことが起こります。気温が上昇するのです。
エルサレムの気温7℃に対して、死海近辺の気温は23℃ほどもありました。昼間には多くの観光客がTシャツで歩くほどの気温でした。
物価
物価は高いとの評価を得ていますが、日本と同じくらいです。今回は7日間滞在の旅で旅費は航空券、ホテル、レンタカー代などすべてを含めておおよそ一人20万円ほどでした。すべて外食です。
イスラエルの人々の性格
イスラエルの人々といっても大きく分けてユダヤ系とアラブ系の住民がいます。
どちらにも共通して言えることは親日であるということ。プライドは高いですが、そこを尊重してあげると、とてもフレンドリーです。
そもそもイスラエル国内でアジア人を見ることがまず珍しいことです。韓国人、中国人、その他東南アジア人すべてを含めてもアジア人はほとんど見ません。一度だけ日本人女性観光客に会いましたが、逆に妙な連帯感が発生します。
お、アジア人!しかも日本人という感じです。
特にツアーを組んでいない個人のアジア人観光客にはみんな興味津々。どんどん話しかけてきます。
アジア人はここで何を食べているのか、その視線の先にあるものは何か。
そんなまなざしで見てきます。
一度小学生くらいの子に
I love you Japan.
と言われました。なんか、ありがとう。
英語が話せなくても、あからさまな外人であっても、タクシーの運転手を除いて外国人からぼったくろうとする人には会いませんでした。
英語は通じるか
エルサレムでは全く問題なく、どこでも使えます。イスラエルは欧米など他の国に住んでいたことのある人が多く、非常に流ちょうな英語を話します。
英語のアクセントもあまりありません。アメリカ・イギリス英語よりも日本人にとっては分かりやすいのではないかと思われるレベルです。
ロシアからの観光客が多いこともあって、街ではロシア語を耳にすることも多々あったのが意外な点でした。
ところがガリラヤ地域や南部の町となると話は別です。一気に英語は通じなくなります。しかし単語レベルならば通じるので簡単な単語を並べて何とか意思疎通することはできます。
ベエル・シェバの屋台で英語が通じなかった時には列に並んで自分の番が来た時に前の人がオーダーしたのを指さし、
Same。
といってオーダーしました(笑)
食事
非常においしいです。庶民の味である屋台食も野菜やオリーブがふんだんに使われたサンドイッチなど癖になるものが多い。
イスラエルに行って健康になったのではないかと思うほどです。
おすすめ宿泊先
ホテルとAirbnbの両方を利用しましたが、イスラエルにおいては確実にAirbnbの方がよい施設でした。
※Airbnbとはオンラインで民泊を申し込むことのできるサービスのことです。
割安で設備も充実していました。
おすすめ滞在期間
もし可能であれば最低でも1週間はお勧めします。今回はイスラエル滞在7日間という日程でしたが、とても回りきれる量ではありませんでした。
弾丸観光ツアーのように、半日は滞在したいところでも、15分でさようならということも多々ありました。
出国
意外に出国が入国よりも厳しいものでした。細かくいろいろと個人情報を聞かれます。
- 帰る先はどこか
- 住所
- 勤め先
- 友人関係
- お土産の内容など
マレーシア居住ということでイスラム教徒の友達と同僚がいるかどうかをしつこく聞かれました。
もし疑わしい人であればどうする気だったのかは謎です。出国拒否してイスラエル国内にとどめておくのでしょうか??
まとめ
イスラエルは危険で避けた方がよいというのはプロパガンダであり、行けるのであれば行くの一択である、とイスラエルに住んでいた友人は言いました。
行く前には心配していましたが、治安の良さは欧米とは比較にならないほど良好です。子供や女性が夜間に独り歩きをしているのを多く見る国は、世界でもそれほど多くはないでしょう。
観光スポットに関してもこれほど多く見どころのある国はありません。2000年前の1世紀くらいの遺跡ならばゴロゴロ転がっており、紀元前8~6世紀の遺跡も見ることができます。
遺跡に興味のない人でも、紅海沿いにあるエイラトのリゾートは世界的にも有名です。
食事もアラビア料理にイスラエル料理もありますが、旅先で恋しくなったら日本食という選択肢もあります。イスラエルの食事は非常にハイレベルです。
治安・食事・観光のどの面をとってもイスラエルは今まで訪れた国々の中でトップクラスの国でした。スイス、イギリス、フランス、スペイン等の観光の観光を検討されている方はイスラエルという案を検討される価値が大いにあると思います。
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