建築の内観ウォークスルーや静止画パースをTwinmotionで作っていると、地味にハマる不具合がいくつかあります。このページは、私が実際に作業して遭遇したTwinmotionの不具合と解決方法を、随時まとめていくページです。
動画が早送りのようになってしまう
Twinmotionでデフォルト設定のまま動画を作成すると、家の中を爆速で走っているような早送り動画になってしまうことがあります。めっちゃ早い!
何とか再生速度を調整したかったので、まずはパソコンに標準で入っているWindows Mediaで再生速度を落として調整してみました。下記の部分で調整できます。

そしてできた動画がこちら。
……画像が荒くなってしまいます。これでは内観パースとしては厳しいです。
原因を探ると、どうやらTwinmotionは動画の長さを10秒で自動調整しているようでした。つまり、いくつもカットを入れると1カットあたりが早く再生され、逆にカット数が少ないと余裕のある速度になる、というわけです。
■ 対策
そこでTwinmotion内で、以下の部分で動画の総再生時間を編集します。カットごとに細かく編集できればベストですが、現状そこまでの機能は実装されていないため、再生を見ながら各カットの位置を調整していきます。

すると、ちゃんと歩く速度の内観パース動画になりました!
クラッシュしやすい
Unreal Engineもそうですが、Twinmotionもクラッシュしやすいです。使用パソコンのスペックの影響もあります。Unreal Engineに比べて、Twinmotionは特に要求スペックが高い印象です。

■ Twinmotion 動作環境(Windows)
以下はTwinmotion 2020.1時点で公表されていた値です。バージョンによって要件は変わるため、最新版の要件はEpic Games公式のシステム要件ページでご確認ください。
最小要件
- Windows 7 / 8 / 10 64-bit
- Quad-core Intel または AMD、2.5 GHz以上
- 8GB RAM
- 8GB VRAM
- DirectX11 または DirectX12 互換のグラフィックカード(AMD / Intel / NVIDIA)
ただし、この最小要件で作業すると、ほぼ確実にクラッシュが多くなります。
推奨環境
- Windows 10 64-bit
- Quad-core Intel または AMD、4.5 GHz以上
- 32GB RAM
- 256GB SSD(OSドライブ)+ 2TB SSD(データドライブ)
- NVIDIA RTX 2070
NVIDIA RTX 2070はかなり要求が高いと感じるのは私だけでしょうか。クラッシュしたり、ファイルが突然開かなくなることがあるので、案件を進めるうちに都度ファイル名を変えて複数バージョンを保存しておくと安全です。データ量が大きくなるのが難点ですが、作業がまるごと飛ぶよりはマシです。
■ 対策:自動バックアップを設定する
- 環境設定(Preferences)を開き、設定(Settings)の項目に進みます。メニューの日本語表記はバージョンにより異なります。
- Auto save(自動保存)をオンにします。
- Interval(自動保存の間隔)を設定します。
- Number(保存ファイルの最大数)を設定します。例えば3とすると、最新の3ファイルが自動で保存されます。大きすぎるとTwinmotionの重いデータが負担になるので、3〜5ファイルで十分です。
- Path(保存場所)を設定します。Twinmotionは未指定だとCドライブに保存され、Cドライブを圧迫するので要注意です。

クラッシュの回数を減らす実務的な工夫
スペックを上げるのが一番効くのは確かですが、機材をすぐ買い替えられるとは限りません。同じパソコンでも、シーンの作り方でクラッシュの頻度はかなり変わります。特に効く順に挙げます。
■ 1. GPUメモリ(VRAM)の使用量を見張る
Twinmotionが不安定になる原因として最も多いのは、GPUメモリの不足だと指摘されています。クラウドレンダリング事業者Vagonの解説記事でも、VRAMの使用率が8割を超えたあたりから表示の乱れやレンダリングエラー、クラッシュが起きやすくなると説明されています。作業中はタスクマネージャーでGPUメモリの使用量を確認し、上限に張り付いているようならシーンを軽くする方向に切り替えてください。
■ 2. ポリゴン数とテクスチャ解像度を落とす
モデル側の作り込みが、そのままメモリ消費に直結します。丸みを表現した曲面、細かい家具、植栽の葉一枚一枚などは分割数を下げても遠目には差が出ません。テクスチャも同様で、4K(4096px)のマップを全材質に使うと一気に容量を食います。カメラから遠い床・壁・外構は1Kか2Kに落とすだけで安定性が変わります。一般に、詳細度を段階的に切り替える仕組み(LOD)を使ってリアルタイム表示を最適化する考え方が知られています。
■ 3. 使わないものは読み込む前に消す
クラッシュの多くは「重い」のではなく「不要なものまで重い」状態で起きます。見えない裏側の躯体、隣地の建物、設備配管、非表示にしただけで残っているオブジェクトは、読み込む前に元のソフト側で削除するのが確実です。非表示と削除は別物で、非表示のままだとデータとしては読み込まれることがあります。
■ 4. シーンを分割する
外観と内観、1階と2階、昼と夜のように、用途ごとにファイルを分けるとひとつあたりの負荷が下がります。ウォークスルー動画も、全体を1ファイルで作らず、区間ごとに書き出して後から編集ソフトでつなぐほうが失敗しにくいです。1回の書き出しが短くなるぶん、途中で落ちたときの損失も小さくなります。
自動保存だけに頼らないデータ保全
自動保存は「直前まで戻れる」仕組みであって、「壊れたファイルから復旧できる」仕組みではありません。Twinmotionのファイルは、保存中に落ちると開けなくなることがあります。自動保存の上書き分しか残っていないと、その壊れたファイルだけが手元に残る事態も起こり得ます。手動のバックアップは別に必要です。
★最低限やっておく3つ
- 命名規則を決める: 「案件名_日付_v01」のように、日付と連番を必ず入れます。「最新」「最終」「本当に最終」は後から見分けがつかなくなります。
- 書き出しの直前に別名保存する: レンダリングは負荷が最も高く、落ちるならここです。書き出し前の状態を1本残しておけば、やり直しは書き出しだけで済みます。
- 素材フォルダごと控える: 差し替えたテクスチャや読み込み元のモデルが別フォルダにあると、ファイルだけ戻しても再現できません。案件フォルダ単位で外部ドライブかクラウドに複製しておきます。
なお、修正依頼は納品後に来ます。案件が終わっても、最終版のファイルと素材一式は少なくとも1年は残しておくと、後の手戻りが軽くなります。
書き出しで詰まりやすい点
作業中は問題なくても、書き出しの段階で止まることがあります。よくあるのは次の4つです。
- 保存先の空き容量が足りない: 高解像度の動画は数GB単位になります。書き出し先をCドライブのままにしていると、OSの動作にも影響します。
- 解像度と品質を上げすぎている: 4Kかつ最高品質は、時間もメモリも一気に増えます。まず低い設定で通しの確認用を1本書き出し、内容を確定させてから本番の設定で回すほうが結果的に速く終わります。
- 書き出し中に他の作業をしている: ブラウザやCADを同時に開いているとメモリを取り合います。書き出しは席を離れる前に開始するのが無難です。
- 長尺を一気に書き出している: 3分の動画を1本で書き出すより、30秒ずつ6本に分けたほうが、途中で落ちたときの被害が小さくなります。連番の静止画として書き出して後で動画化する方法も、保険としては有効です。
特に納品前日は、余裕を持って書き出しを始めてください。落ちてからの再実行が一番効きます。
SketchUpやRevitから読み込むときの注意
Twinmotion側で起きるトラブルの多くは、実のところ読み込み元のデータに原因があります。読み込む前に、元のソフトで次の点を整えておくと安定します。
■ SketchUpの場合
面の裏表(法線)が揃っていないと、マテリアルが片面にしか乗らず、Twinmotion側で黒く抜けたように見えることがあります。読み込み前に裏返った面を直しておいてください。また、コンポーネント化されていない大量の個別オブジェクトは処理が重くなります。同じ椅子を50脚並べるなら、コピーではなくコンポーネントとして配置するほうが軽くなります。単位と原点も先に決めておくと、後から差し替えたときに位置がずれません。
■ Revitの場合
Revitのモデルは、設計情報として持っている内部の詳細まで一緒に運ばれてきます。ビジュアライズに不要な設備配管、内部の構造材、大量のファミリ、フル解像度のマテリアルがそのまま入ってくるため、読み込みの時点で落ちることがあります。ビューを絞る、不要なカテゴリを外す、使っていない要素を整理してから読み込む、という前処理が有効です。レンダーファーム事業者RadarRenderの解説でも、読み込み前にモデルを準備し、不要な要素を非表示ではなく削除してから取り込むことが確実な対処だと説明されています。
どちらの場合も、いきなり全体を読み込まず、一部だけ読み込んで挙動を見るほうが安全です。連携機能でリンクを維持したまま更新できる場合も、元データが重ければ更新のたびに時間を取られます。読み込むデータを軽くしておくことが、結局は一番のクラッシュ対策になります。
まとめ
Twinmotionを使っていて判明した不具合と解決方法は、このページに随時追記していきます。早送り動画は「総再生時間の編集」、クラッシュ対策は「推奨スペック+自動バックアップ」が基本です。
そのうえで、GPUメモリを見張る・不要なデータを持ち込まない・書き出しは分割する、の3つを習慣にしておくと、落ちる回数そのものが減ります。ソフトの安定性を待つより、データの作り方を変えるほうが早く効きます。
建築ウォークスルー・内観パースの制作なら
KOKONATSは、Twinmotion等を用いた建築ウォークスルー動画・内観パースの制作に対応しています。「自社で作っているがクオリティと安定性で詰まっている」「提案用に仕上げてほしい」といったご相談もどうぞ。
あわせて読みたい:SketchUpでシーンを一括静止画書き出し/ChatGPTに店舗パースを頼んだ実録



コメント