【尺で9割決まる】建築ウォークスルー動画(3DCGアニメーション)の依頼で決めておきたい5つのこと|「とりあえず全部映してください」が遠回りになる理由
「動線が伝わるように、間取り全体を歩いて回る動画がほしい」
「せっかくだから、全部の部屋を見せてもらえますか」
建築ウォークスルー動画(3DCGアニメーション)のご依頼では、こうしたご要望をよくいただきます。
気持ちはよく分かるのですが、「全部見せる」を目的にすると、たいてい間延びした動画になります。静止画のパースと違い、動画は尺(長さ)・カメラの動き・音の有無まで決めて初めて発注できる成果物で、決め忘れた項目は撮影後ではなく完成後に「思っていたのと違う」という形で表に出るのが現実です。
この記事では、建築ウォークスルー動画を依頼する前に決めておきたい5つのことを紹介します。
1. 尺(長さ)は「全部見せる」ではなく「用途」から決める
ウォークスルー動画の尺は、映す部屋数ではなく使い道から逆算するのが基本です。SNSや広告用の切り出しであれば15〜60秒程度、施主向けの提案・投資家向けのプレゼンであれば60〜90秒程度が目安とされ、1分半を超えたあたりから最後まで見てもらえる割合が下がりやすいという指摘もあります。
「全部の部屋を見せてください」という依頼は、尺を決めずに発注しているのと同じで、結果として一部屋あたりの滞在時間が短くなり、どの部屋も印象に残らない動画になりがちです。逆に言えば、見せたい部屋を2〜3室に絞り込むほど、1カットあたりの見せ場に時間を配分でき、仕上がりの印象は強くなります。
2. カメラの動線は「最初に何を見せるか」で決まる
ウォークスルーのカメラパスは、玄関から順番に部屋を巡ればよいというものではありません。最初の数秒で印象づけたい場所(リビングの吹き抜け、水回りの質感、店舗ならファサードなど)を先に見せ、そこから回遊するルートを組む方が、動画全体の第一印象は強くなります。
また、部屋の切り替えごとにカットを割るか、1本の連続したカメラで動線をつなぐかによっても印象は変わります。連続したカメラは空間のつながりを伝えるのに向き、カット割りは各部屋の見せ場を個別に作り込みやすいという違いがあり、どちらが良い・悪いではなく用途に応じた選び方になります。
3. 静止画パースと動画、どちらが向いているか
動画にすれば何でも伝わりやすくなる、というわけではありません。用途によって、静止画と動画は向き不向きがはっきり分かれます。
| 目的 | 静止画パース | ウォークスルー動画 |
|---|---|---|
| 素材・色・質感の細部確認 | ◎ 静止画の方が細部を作り込みやすい | △ 動いている間は細部を見てもらいにくい |
| 間取り・動線の伝達 | △ 1枚では空間のつながりが伝わりにくい | ◎ 歩いた時の広がりが伝わる |
| SNS・広告での訴求 | ○ 差し替え・切り出しが手軽 | ○ 目を止めやすいが尺の設計が必須 |
| 制作費・修正のしやすさ | ◎ 1カット単位で修正しやすい | △ 一部の修正でも再レンダリングの範囲が広くなりやすい |
迷ったら、細部を詰めたい段階は静止画、動線や広がりを伝えたい段階は動画、という使い分けが現実的です。
カメラの構図やアングルの考え方そのものは静止画と共通する部分が多く、そちらは建築パースのカメラ位置と構図の決め方5つの基準で扱っています。
4. 音・字幕・ナレーションは「どこで見せるか」から決める
同じウォークスルー動画でも、展示会のブースでスピーカー越しに大音量で流すのか、SNSで音を消したまま最後まで見てもらうことを想定するのか、社内プレゼンの手元資料として使うのかで、音周りの設計は変わります。
- BGMのみ: 汎用性が高く、SNS・展示会どちらでも使いやすい。
- ナレーションあり: 訴求したいポイントを言葉で補足できる一方、台本の確定が前提になるため制作期間が延びやすい。
- テロップ(字幕)あり: 音を消した環境(SNSのフィード等)でも要点が伝わる。文字量が多いと画面が忙しくなる点に注意。
- 無音: 展示会場や商談の場で流す音源として、周囲の音に配慮したい場合に選ばれる。
音・字幕・ナレーションは動画が完成してから足すほど手戻りが大きくなりやすい要素です。使う場所が決まっているなら、発注時点で伝えておくと後工程がスムーズになります。
5. 料金・納期の目安と、追加費用になりやすいポイント
KOKONATSのウォークスルー動画は、外観のみ40,000円・内観のみ80,000円・内観と外観のセットで110,000円(いずれも税別)を目安にご案内しています。「動画は一律いくら」ではなく、外観だけか内観まで含むかで料金が変わる点は、見積もり依頼の前に押さえておきたいポイントです。基本修正(色味・仕上材の差し替えなど、形状に手を入れない範囲)は無料で対応していますが、制作途中・納品後のレンダリング品質の変更(4K化など)は別途お見積りとなる項目に含まれます。
1. 尺を決めずに「後から短くしてください」と依頼する
全カットを撮ってから編集で短縮する前提だと、使わないカットのレンダリング時間がそのままコストと納期に乗ります。尺は撮影前に決めておく方が無駄がありません。
2. 静止画用の高精細設定をそのまま動画に流用しようとする
動画は1秒間に何十枚もの静止画を書き出す仕組みのため、静止画と同じ設定のまま尺を延ばすと、レンダリング時間が比例して膨らみます。動画用に解像度・設定を調整するのが前提です。
3. カメラパス確定後に部屋の配置変更を依頼する
静止画であれば1カットの取り直しで済む変更でも、動画では動線全体のカメラパスに関わるため、再調整の範囲が広がりやすくなります。間取りや什器配置は、カメラパスを決める前に固めておくと手戻りが少なくなります。
逆に言えば、この3つはいずれも「発注前に尺と用途を決めておけば」避けられる追加費用です。修正の範囲や料金の考え方全般は修正変更の時の料金設定についてにまとめています。
発注時に伝えたい5項目
最後に、ウォークスルー動画を依頼するときに一言添えるだけで初稿の精度が変わる項目をまとめます。
- 1. 用途: SNS・広告用か、施主向け提案か、社内プレゼンかで尺の目安が変わる。
- 2. 尺の目安: 短い動画ほど見せる部屋を絞り込む必要がある。
- 3. 最初に見せたい場所: カメラの動線は「どこから始めるか」で印象が決まる。
- 4. 音周りの方針: BGMのみ・ナレーション・テロップ・無音のどれで使うか。
- 5. 間取り・什器配置の確定状況: カメラパスを決める前に配置を固めておく。
この5つが発注時に伝わっていれば、初稿の時点で「思っていたのと違う」という形の手戻りはかなり減らせます。動画の元になる3Dモデルをお持ちの場合の受け渡し方は3Dモデル支給時のパース制作 受け渡し5つのチェックポイント、静止画を含めたサービス全体の料金は建築パース・店舗内装CG制作代行で確認できます。
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