
2026年1月の工業用潤滑油の販売量は84,567kL。前年同月より6.8%少ない数字です(経済産業省の統計をもとにした業界紙の集計)。
市場が広がらない以上、潤滑油のメーカーや販売店が取引先を増やすには、ほかの会社の油を使っている工場に、切り替えてもらうしかありません。ところが工場の側は、いまの油で機械が動いているなら替える理由がない。購買が価格に興味を示しても、保全の担当者が「止まったら困る」と言えば話はそこで終わります。
この記事では、工場が油を替えたがらない理由を整理したうえで、切り替えの入り口になる4つの提案、当て先、当てる時期、最初に出す条件をまとめます。
1. 市場は縮んでいる。新規開拓は「切り替え」を取ること
経済産業省の統計をもとにした業界紙の集計では、2026年1月の潤滑油の販売量は141,544kLで、前年同月より6.4%減りました。そのうち工業用は84,567kLで、6.8%の減少です。
| 区分(2026年1月) | 販売量 | 前年同月比 |
|---|---|---|
| 潤滑油 合計 | 141,544kL | −6.4% |
| 工業用 | 84,567kL | −6.8% |
| うち マシン油 | 19,780kL | −6.4% |
| うち 金属加工油 | 10,172kL | −0.8% |
| 車両用 | 48,802kL | −7.0% |
販売量の6割近くは工業用ですが、全体としては減っています。市場が大きくならない中で売上を伸ばすには、ほかの会社の油を使っている工場に、切り替えてもらうしかありません。新規開拓とは、つまり「切り替え」を取ることです。
出典:ジュンツウネットニュース「2026年1月の潤滑油販売実績」(経済産業省の統計による)
2. 工場が油を替えたがらない理由
切り替えを取るには、まず工場側が替えたがらない理由を知っておく必要があります。
- 機械メーカーの指定がある……取扱説明書で油が指定されていて、替えると保証や不具合のときの対応が気になる
- 替えて機械が止まるのが怖い……油が原因で設備が止まれば、生産に響く。うまく動いているものを替える動機がない
- 決める人が分かれている……価格を見るのは購買、使い勝手と安全を見るのは保全や設備の担当者。どちらか一方だけに話しても進まない
- 油の種類が多く、管理が面倒……機械ごとに違う油を使っていて、替えるとなると確認の手間が大きい
価格が少し安いだけでは、この不安を超える理由になりません。工場が抱えている困りごとを解決する形で、切り替えを提案する必要があります。
3. 切り替えの入り口は4つ
| 入り口 | 工場の困りごと | 提案の中身 |
|---|---|---|
| ① 油種の集約 | 機械ごとに油が違い、在庫と管理が煩雑 | 使える機械を確かめたうえで、油の種類を減らす。在庫と発注の手間が減る |
| ② 高引火点の油への切り替え | 危険物の保管量や届け出の管理が負担 | 消防法では、引火点200℃以上250℃未満の潤滑油は第4類第4石油類(指定数量6,000L)、250℃以上は指定可燃物の可燃性液体類になる。後者に切り替えると、保管や届け出の扱いが緩和される |
| ③ 使用済みの油の回収まで一括 | 使い終わった油の処分先を別に探している | 納品と回収を同じ窓口にまとめる。廃油の回収・運搬には、原則として産業廃棄物収集運搬業の許可が要る |
| ④ 1台からの試験導入 | いきなり全部は替えられない | 1台・1ラインで試し、使用中の油の状態を見ながら、交換の時期や効果を確かめてもらう |
4つとも、「油を替えると、工場の手間やリスクが減る」という話です。価格の話は、この入り口から関心を持ってもらったあとで十分間に合います。
出典:シェルルブリカンツジャパン「石油製品の消防法基礎、高引火点タイプの潤滑油とは?」、環境Q&A(EICネット)「潤滑油の再生業は産廃処理ですか」
4. 当て先は3つ。決める人が分かれている
| 当て先 | 見ていること | 最初に出す話 |
|---|---|---|
| 保全・設備の担当者 | 機械が止まらないこと、交換の手間 | 試験導入、油の状態を見ながらの交換時期の提案、油種の集約 |
| 購買・資材の担当者 | 価格、納期、発注の手間 | 発注先をまとめられること、小口でも届けられる体制 |
| 工場長・総務・安全の担当者 | 危険物の管理、廃棄物の処理 | 高引火点の油への切り替え、使用済みの油の回収まで一括 |
どこから入っても構いませんが、最終的には保全と購買の両方が納得しないと、切り替えは決まりません。最初に話した相手に、もう一方の担当者へつないでもらう前提で動きます。
工場の設備まわりの当て方は、工場設備メンテナンスの新規開拓でも整理しています。
5. 当てる時期は4つ
| 時期 | 工場で起きていること | こちらが先に出す情報 |
|---|---|---|
| ① 長期休暇前の定期修理 | 大型連休や年末の休みに、まとめて油の交換や設備の点検をする | 交換に合わせた試験導入の段取り、納期 |
| ② 新しい設備の導入 | 新しい機械に使う油を決める | 機械に合う油の確認方法、既存の油との集約 |
| ③ 仕入れ先から値上げの案内が来たとき | 購買が、ほかの仕入れ先を比べ始める | 価格の目安と、切り替えの手間を減らす段取り |
| ④ 危険物や廃棄物の管理を見直すとき | 保管量の見直し、処分先の変更 | 高引火点の油、回収まで一括の提案 |
①は毎年めぐってくるので、休みより前に余裕をもって当てておくと、試験導入の話が間に合いやすくなります。③は外から見えないので、一度「いまの仕入れ先で足りている」と言われた工場にも、時期を置いて当て直す意味があります。
6. 最初に出すのは、切り替えの不安を消す条件
工場が初めての潤滑油の会社と話すとき、最初に確かめたいのは「替えても機械が止まらないか」「手間が増えないか」です。電話をかける前に、次の条件を1枚にまとめておきます。
- 扱う油種……作動油、マシン油、ギヤ油、切削油など。粘度のグレードの幅
- 適合の確かめ方……機械メーカーの指定油と置き換えられるかを、どう確認するか
- 試験導入……1台・1ラインから試せるか。サンプルの有無
- 使用中の油の確認……油の状態を調べて、交換の時期を提案できるか
- 高引火点の製品……可燃性液体類にあたる製品を用意できるか
- 配送……ドラム缶だけでなく、ペール缶など小口でも届けられるか。納期
- 使用済みの油の回収……回収まで受けられるか。許可を持つ会社と組んでいるか
- 対応エリア……すぐに工場へ行ける範囲
とくに試験導入と回収の可否は、保全と総務の両方に響く条件です。ここを最初に示せると、価格以外の理由で話を聞いてもらいやすくなります。
7. 事例|工場のキーマンに当て、アポ率20.7%
潤滑油の事例ではありませんが、工場の設備に関わる商材を、メーカーの工場のキーマンに当てた例です。
滋賀県 工場設備工事業者様
- 営業対象:大手メーカーの工場
- 商材:電気・空調・配管・製缶工事
- 成果:アポ率20.7%
新しい法人の立ち上げにあわせてのご依頼でした。KOKONATSが受付を突破し、各工場のキーマンに営業。先方からは「自分でやっていたらアポ率5%くらいだった。満足度は250%」というお声をいただきました。契約終了の数か月後には「お客様が増え、案件も多数受注」とのご連絡もいただいています。
工場は受付で止まりやすい相手ですが、誰に、何の話で当てるかを決めておけば、設備の担当者まで届きやすくなります。
※成果は商材・エリア・時期によって変わります。
8. KOKONATSの場合:最初の接点をつくるところだけを切り出す
潤滑油の会社の強みは、油の選び方や使い方を技術の言葉で説明できることです。この機械ならこの油で、交換の周期はこれくらい、回収まで一緒にできると説明できれば、工場の担当者との話は前に進みやすくなります。
足りないのは、その説明の場をつくるための「最初の電話」をかける人です。技術の話ができる人は既存の取引先を回るので手一杯で、新しい工場に電話をかけ続ける時間がありません。その結果、取引先は紹介と代理店経由の範囲にとどまってしまいます。
KOKONATSがお引き受けしているのは、最初の接点をつくるところだけです。
- 当て先の設計……どの業種の工場の、どの部門を狙うかを決め、検索に使うキーワードとエリアを一緒に決める
- リストの作成……決めたキーワードでGoogle検索し、当てはまる工場を拾う
- 架電と記録……反応と断られた理由を記録し、すぐに切り替えに進まない工場も追客データとして残す
担当者につながらない相手には、最大6回まで架電するルールで運用しています。保全や設備の担当者は現場に出ていることが多く、1〜2回では「不在」と「見込みなし」の区別がつかないためです。
費用の考え方|相場と、KOKONATSの料金
営業代行の市場相場は、BOXILの主要34サービス調査で月額の中央値が約27万円、初期費用の中央値が約16万円とされています。料金を公開しているのは34社中9社だけです。KOKONATSが料金を出しているのは、検討を社内に持ち帰るとき、金額がなければ判断の材料にならないからです。
| プラン | 月額(税抜) | 対象 |
|---|---|---|
| 高精度マッチング(機械加工・板金等) | 140,000円 | 200社 |
| 大型案件創出(製造装置・FA等) | 230,000円 | 200社 |
| 見込み客フォローアップ特化 | 80,000円 | 100社(枠) |
| 初期費用 | 0円 | 全プラン共通 |
アポインセンティブは、高精度マッチングが15,000円/件(キャンペーン中は5,500円/件)、大型案件創出が30,000円/件です。
【見込み客フォローアップ特化プラン】は、一度接触したものの、すぐには切り替えに進まなかった工場を、半年から1年かけて追い続けるためのプランです。「100社」は名簿の数ではなく、同時に追い続ける枠の数を指します。確度が低いと分かった先は枠から外し、空いた枠に次の候補を入れます。外した理由は毎月のレポートで返します。なお、このプランはアポインセンティブ・コールリスト作成の対象外です。
潤滑油の切り替えは、定期修理や値上げのタイミングで動きます。1回当てて終わりにしないことが、そのまま成果につながります。
9. まとめ
- 潤滑油の販売量は減っている(2026年1月は前年同月比−6.4%、工業用は−6.8%)。新規開拓とは、他社からの切り替えを取ること
- 工場が替えたがらないのは、機械メーカーの指定、止まるリスク、決める人が分かれていること、管理の手間
- 切り替えの入り口は4つ。油種の集約/高引火点の油/使用済みの油の回収まで一括/1台からの試験導入
- 当て先は3つ。保全・設備/購買・資材/工場長・総務・安全。最後は保全と購買の両方が納得して決まる
- 当てる時期は4つ。長期休暇前の定期修理/新しい設備の導入/値上げの案内が来たとき/危険物や廃棄物の管理の見直し
- 最初に出すのは油種・適合の確かめ方・試験導入・油の状態の確認・高引火点品・配送・回収・エリア
KOKONATSでは、製造業に特化した営業代行・インサイドセールスを行っています。ターゲットの選定からリスト作成、アポイント獲得、断られた相手の追客までを一貫してお引き受けします。
工場がどの油に切り替えるかは、替える理由を最初に出した会社で決まります。
初期費用0円。料金・支援の流れはこちらから。
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よくある質問
代理店経由で売っているのに、工場へ直接当てても大丈夫ですか?
直接当てても、注文の窓口を代理店にする形は取れます。メーカーが工場との接点を持ち、納品は代理店を通す——そうすれば、代理店にとっても売れる相手が増えることになります。どこまで直接やるかは、代理店との契約や関係に合わせて決めてください。
電話で、技術的な質問に答えられますか?
最初の電話の役割は、技術の話ができる貴社の担当者と、工場の担当者が話す場をつくることです。電話で聞けた反応や困りごと、断られた理由は記録してお渡しするので、次の商談の材料になります。
カーショップや整備工場にも当てられますか?
当てられます。ただ、車両用と工業用では、決める人も、比べるポイントも違います。当て先ごとにリストと話す内容を分けて進めるのがおすすめです。



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