
原状回復の新規開拓、なぜ「自力テレアポ」は失敗するのか——管理会社の休み・不在・追客の物理的限界
「新しい賃貸管理会社を開拓したい。まずは自分たちで電話をかけてみよう」——原状回復業者の多くが、ここからスタートします。
ところが、しばらく続けても手応えのある商談はほとんど生まれず、「うちの商材が悪いのか」「営業のセンスがないのか」と自信をなくしてしまう。これは非常によくある光景です。
しかし、断言できます。自力テレアポで新規案件が増えないのは、根性やセンスの問題ではありません。原状回復という仕事の“構造”に、はっきりとした理由があります。
この記事では、KOKONATSが実際に行った1,000件超の架電データ(コールログ)から見えてきた「自力テレアポが失敗する4つの理由」と、その突破法を解説します。
こんな状況に、心当たりはありませんか?
- 電話をかけても担当者が不在で、なかなかつながらない
- やっと話せても「間に合っています」の一言で切られてしまう
- 現場が忙しく、日中に何度も追客電話をかける余裕がない
- 何十件かけても手応えがなく、モチベーションが続かない
ひとつでも当てはまるなら、それは貴社のせいではなく、これから説明する“構造”にハマっているだけです。順番に見ていきましょう。
理由1:そもそも、賃貸管理会社は電話がつながらない
最初の壁は、驚くほど単純です。担当者に電話がつながらないのです。
賃貸管理会社は「火曜・水曜休み」の会社が多く、営業日であっても担当者は「接客中」「物件確認で外出中」「クレーム対応中」で席にいないのが当たり前。実際のコールログを見ると、担当者と話せるまでに平均4〜6回のすれ違いが発生しています。「6回目でようやく上席とコンタクトが取れた」「資料を送ってから確認されるまでに3週間かかった」——こうした記録がずらりと並びます。
つまり、原状回復の新規開拓は「1回かければ誰かが出てくれる」世界ではありません。同じ相手に、タイミングを変えて何度もかけ直して、ようやくスタートラインに立てる。この“すれ違い前提”を知らずに数回で諦めてしまうと、成果が出る前に手が止まってしまいます。
理由2:「1回かけて終わり」では取れない——追客の物理的限界
理由1と地続きですが、これがもっとも大きな壁です。原状回復の営業は「断られてからが勝負」なのに、施工業者の社長にはそれを続ける時間が物理的にない。
賃貸管理会社は、繁忙期(おおむね1〜3月)には「今は猫の手も借りたいほど忙しい」と一蹴し、それ以外の時期でも「もう付き合っている業者がいる」と断ってきます。ここで引き下がれば終わりです。しかし本来やるべきは、「今は無理」を“いつなら話せるか”というサインに変え、繁忙期が明けたベストなタイミングで再アプローチすること。実際、閑散期に入った時期へ一斉に再架電をかけると、アポ率が跳ね上がります。
問題は、この追客を続けられるかどうかです。現場で日中に汗を流している社長が、片手間で「4〜6回のかけ直し」と「再架電のスケジュール管理」をやりきるのは、物理的に不可能です。夜に事務作業をこなし、日中は現場——その合間に戦略的な追客を回すのは、どんなに気合いがあっても限界があります。自力テレアポが尻すぼみになる最大の原因は、能力ではなく“時間の構造”なのです。
理由3:「間に合っています」を突破できない
電話口での第一声は、9割が「既存の業者で間に合っている」です。ここで会話が終わってしまう人がほとんどですが、実はこの言葉の多くは“建前”です。
業界知識を持って一歩踏み込むと、生々しい本音がこぼれてきます。「実は今の業者はレスポンスが悪くて困っている」「クロス単価が平米980円を超えていて、オーナーへの提案が厳しい」「クリーニングだけでなく、建具の調整みたいな小修繕も一緒にやってくれるなら乗り換えたい」——。
つまり「間に合っている」の裏には、乗り換えの余地が確実にあります。その隠れた不満を引き出せるかどうかが、アポ獲得の分かれ目です。ところが、業界の商慣習や単価感を知らないまま架電すると、「間に合っている=脈なし」と受け取って引き下がってしまう。ここでも、知識のない自力テレアポは取りこぼしを量産します。
理由4:そもそも“かける相手”を間違えている
最後は、もっとも根本的な失敗です。アプローチするリストがズレていると、何件かけても成果はゼロになります。
同じ「不動産管理会社」でも、分譲系と賃貸系では発注構造がまったく違います。原状回復工事の定期的な発注が発生するのは「賃貸管理会社」です。ところが、市販のリストや他社の営業代行が用意するリストは、分譲系の管理会社が中心になっていることが少なくありません。ターゲットが根本的にズレていれば、どれだけ架電数を増やしても門前払いにされるのは当然です。
「賃貸を多く扱っているか」「管理戸数は」「自社施工を求めていそうか」——こうした条件で発注可能性の高い会社だけを厳選できるかどうかが、成果の8割を決めます。数を撃つ前に、“撃つ相手”を正しく選ぶ。ここを外したまま頑張っても、努力は報われません。
では、原状回復の新規開拓を回すには?
ここまでの4つを裏返すと、原状回復の新規開拓で成果を出す条件がはっきりします。
①賃貸管理会社に絞った精緻なリスト設計、②すれ違い前提で何度もかけ直す粘り、③繁忙期・閑散期を見極めた再アプローチのスケジュール管理、④「間に合っている」を突破する業界知識のあるトーク——この4つが揃って初めて、アポは安定して生まれます。
裏を返せば、自力テレアポが失敗するのは、この4つを「現場に出ながら片手間で」やろうとするから。時間と専門性の両方が必要な仕事を、社長一人の空き時間に押し込むのは無理があります。だからこそ、新規開拓の“仕組み”の部分だけを専門チームに任せる、という選択肢が有効になります。
実際にKOKONATSがこの4条件をやりきった結果、ある原状回復業者様では、5月の再アプローチでアポ率14.0%を記録しました。その具体的な取り組みと数字は、こちらの事例記事で詳しく紹介しています。(※原状回復の事例記事URLをここに設定してください)
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