工場設備メンテナンスの新規開拓|当て先と当てる時期の決め方【工場メンテナンス営業】

工場設備メンテナンスの新規開拓。配管とバルブの前で点検記録を取る設備保全の作業員

止められない設備を預かる仕事は、いったん入り込めば長く続きます。呼ばれれば行き、行けば一日が終わる。その強さがそのまま、既存の客先だけで手一杯という状態をつくります。

新規開拓がいつも来週以降に回るのは、努力が足りないからではありません。設備保全は、すでに他社が入っていて困っていない相手に当てる仕事で、普通に電話をすれば断られるのが当たり前です。その代わり、業者が入れ替わる瞬間が年に何度か決まっています。

工場設備のメンテナンスや保全を請け負う会社に向けて、当て先を2つに整理し、いつ当てるかの考え方を示します。

こんな会社に向けた記事です

  • 電話をしても「もう業者さんが入っているので」で終わってしまう
  • 元請けからの下請け仕事が中心で、単価を自分で決められない
  • 技術者はいるが営業専任がいない。社長が兼任している

1. なぜ工場メンテナンスは「既存客先だけ」になりやすいのか

仕事の入り方が、そもそも受け身になっている

設備メンテナンスの仕事は、多くの場合こう入ってきます。既存客先からの呼び出し、元請けからの応援依頼、そして昔からの付き合い。どれも相手から声がかかって始まる形です。

この形は、仕事が途切れないうちは何の問題もありません。問題が出るのは、主力の客先が工場を縮小したとき、担当者が代わったとき、元請けが他社に切り替えたときです。受け身で入ってくる仕事は、受け身のまま失われます。

「困っていない相手」に当てる仕事だから、断られ方が特殊

もうひとつ、設備保全に固有の事情があります。工場の設備は、すでに誰かが見ています。自社の保全部門か、既存の協力会社かの違いはあっても、空白のまま放置されている設備はほとんどありません。

つまり新規開拓の第一声に返ってくるのは、ほぼ例外なく「間に合っています」です。これは商材が悪いのでも、伝え方が下手なのでもありません。この市場の初期反応がそうなっているだけです。ここで「うちのやり方が悪いのか」と止まってしまうと、新規は永久に増えません。

技術者が営業を兼ねている構造

設備保全の会社は、現場を知っている人間でないと話が成立しにくい仕事です。そのため営業も技術者や社長が兼ねることになります。すると、現場が忙しい時期=営業ができない時期という構造ができあがります。忙しさに波がある以上、営業の量にも波が出る。継続的に接触しつづけることが、構造的に難しいのです。

2. 工場メンテナンスの当て先は、大きく2つ

新規開拓の話をするとき、まず決めるべきは手法ではなく相手です。工場設備のメンテナンス・保全を売るなら、当て先は大きく2系統に分かれます。求められるものも、決まるまでの時間も違います。

TARGET
工場メンテナンスの当て先は、大きく2つ
01工場の設備部門・保全部門
(ユーザー企業に直接)
相手が求めているもの
止めずに動かし続けること。急なトラブルに来てくれること。既存業者が対応しきれない領域を埋めること
注意点
直請けになるため単価は守りやすい。ただし到達が難しく、すでに既存業者が入っている前提で臨む必要がある
02プラントエンジニアリング会社・設備工事の元請け
相手が求めているもの
繁忙期に動ける手。自社で持っていない工種。エリアを埋めてくれる協力会社
注意点
一度入れば継続受注につながりやすい反面、下請け構造のなかで単価は相手の設定に寄る
工場設備メンテナンスの新規開拓KOKONATS

2系統を同時に持つ意味

どちらか片方に寄せると、必ず弱点が出ます。直請けだけを追うと、決まるまでの時間が読めません。元請けだけに寄ると、単価と仕事量の両方を相手に握られます。

現実的なのは、売上の土台を元請け経由でつくりながら、単価と将来の柱になる直請けを並行して育てる二本立てです。当てる相手が2系統あるとわかっているだけで、リストの作り方も、電話をかける順番も変わります。

直請けを狙うときに、先に言葉にしておくこと

工場の設備部門に当てるなら、自社が何をどこまでできるのかを、相手が判断できる形にしておく必要があります。「設備メンテナンス全般」では、相手は既存業者との違いを判断できません。

書き出しておく項目

対応できる工種(電気・空調・配管・製缶・機械据付など)/対応できる設備の種類とメーカー/緊急対応の可否と到達時間/夜間・休日・停電作業の可否/対応エリア/自社で持っている資格と有資格者数/年間の点検で請けられる範囲

この項目が言葉になっていれば、当てるべき工場の条件も自動的に絞れます。逆にここが曖昧なままだと、どの手法を使っても「では何かあればご連絡します」で終わります。

3. 「もう業者が入っています」の後にこそ、仕事がある

断りの言葉は、状況の説明であって拒否ではない

すでに書いたとおり、この市場の第一声は「間に合っています」です。ここで押し返す必要はありません。重要なのは、その相手を切るのか、残すのかを分けることです。

「いま業者が入っている」と「うちの工種では合わない」は、まったく別の情報です。前者はいつか空く相手であり、後者は最初から対象外です。この2つを同じ「断られた」の箱に入れてしまうと、翌年に取れるはずだった仕事が消えます。

入れ替わりが起きるきっかけ

設備保全の業者が入れ替わるのは、たいてい何かのきっかけがあったときです。既存業者が対応しきれなかったとき、担当者が代わったとき、そして工事の量が一時的に増えるときです。

とくに三つ目は予測できます。工場には、設備を止めて一気に整備する期間があります。定期修繕、いわゆるシャットダウンやターンアラウンドと呼ばれる時期です。この期間は自社の保全部門と既存業者だけでは手が足りなくなり、外部の応援を探す動機が生まれます。

4. いつ当てるか|工場側のカレンダーから逆算する

工場には、設備まわりの動きが集中する時期があります。当てる時期を工場側のカレンダーに合わせるだけで、同じ架電数でも結果は変わります。

① 定期修繕・停電作業の前

多くの工場では、設備を止めて点検や更新を行う期間を年に1〜2回設けています。長期休暇と重ねられることが多く、その準備は実施の数か月前から始まります。手が足りるかどうかを工場側が検討しているのは、この準備の段階です。実施の直前や実施後に当てても、すでに体制は決まっています。

② 法定の点検・検査の周期

工場の設備には、法令にもとづいて定期的な点検・検査が求められるものがあります。自家用電気工作物の保安規程にもとづく点検、ボイラーや第一種圧力容器の性能検査、消防用設備等の点検などです。周期が決まっている=相手の予定が読める、ということです。

※対象設備・周期・検査主体は法令や設備の種類によって異なります。自社が関われる範囲は、必ず所管の規定でご確認ください。

③ 予算を組む時期

更新工事や年間保守契約は、その場の判断では決まりません。予算に載っているかどうかで結論が変わります。決算期は会社ごとに違うため、リストを作る段階で調べておくと、当てる順番の材料になります。これは法令ではなく商慣習の話ですが、実務では効きます。

④ 担当者が代わる時期

設備・保全の担当者が代わると、既存業者との関係は一度ゼロベースで見直されます。人事異動の時期に接点があるかどうかは、運の要素も大きい。だからこそ、年に一度しか当てていない相手からは、この機会が見えません。

5. 手法の比較|工場メンテナンスの場合

当て先と時期が決まってから、はじめて手法の話になります。工場設備メンテナンスで現実的に使われている手段を並べると、次のようになります。

COMPARE
手法の比較|工場メンテナンスの場合
01紹介・既存客先からの横展開
向いている当て先
同じ企業の別工場、元請け
長所
信用が最初からある。決まるのが早い
弱点
数と時期を自社で決められない
02元請けへの登録・協力会社営業
向いている当て先
プラントエンジ、設備工事会社
長所
一度入れば継続的に声がかかる
弱点
単価と仕事量が相手側の都合で決まる
03WEB・問い合わせ
向いている当て先
緊急対応を探している工場
長所
緊急性の高い相手が来る
弱点
件数が読めない。地域と工種が合わない問い合わせも混ざる
04展示会・工業系の商談会
向いている当て先
工場の設備・保全部門
長所
担当者に直接会える
弱点
その場に案件があるとは限らず、会期後のフォローで差がつく
05テレアポ・インサイドセールス
向いている当て先
両方(工場・元請け)
長所
当てる相手と時期を自社で決められる唯一の手段
弱点
断られる前提の仕事量が必要。現場を持つ会社では継続が難しい
工場設備メンテナンスの新規開拓KOKONATS

つまり、紹介と元請けは相手のタイミングに依存し、WEBは件数が読めません。「この時期に、この工場に当てる」と自社で決められるのは、テレアポとインサイドセールスだけです。前章で見たように、この仕事は当てる時期が結果を左右します。だからこそ、時期を自分で選べる手段を1本持っておく意味があります。

そしてその1本が、現場を回している会社ではいちばん続きません。継続できないから外に出す、という判断は、営業が苦手だからではなく構造上の話です。

6. 断られた相手を、どう残すか

工場メンテナンスの新規開拓で最も取りこぼしが多いのが、ここです。初回の電話で「いま業者が入っている」と言われた相手を、そのまま消してしまうことです。

すでに書いたとおり、この市場では初回に決まる案件はほとんどありません。案件が出るまで、月単位・年単位の時間がかかります。ですから新規開拓の成否は、初回の反応ではなく、断られた相手をどう残したかで決まります。

KOKONATSの場合:担当者につながらない相手には最大6回まで架電するルールで運用しています。担当者に到達するまで平均4〜6回のすれ違いが発生するため、1回で判断すると、そもそも届いていない相手を「反応なし」に分類してしまうからです。断られた相手も理由とともに記録し、定期修繕の時期や予算期に合わせて再度接触します。

実際の事例

滋賀県 工場設備工事業者様(大手メーカーの工場への開拓/電気・空調・配管・製缶工事)

受付を突破し、各工場のキーマンへ直接つなぐアプローチでアポ率20.7%。BtoBテレアポの平均アポ率が0.5〜3%とされる中での数字です。案件を複数受注いただきました。

「自分でやっていたら5%くらいだと思う」というのが、この会社様からいただいた言葉です。技術がある会社ほど、営業に割ける時間のほうが先に尽きます。

※アポ率はリスト・商材・時期・架電数によって大きく変動します。成果を保証するものではありません。

7. 費用の考え方|相場と、KOKONATSの料金

営業代行に外注する場合の費用を、市場相場と自社の料金の両方で示します。

市場の相場

BOXILによる主要34サービスの調査では、月額費用の中央値は約27万円(10〜50万円に分布)、初期費用の中央値は約16万円、成果報酬はアポ1件あたり1万5,000〜2万円が目安とされています。同じ調査で、料金を公開しているのは34社中9社でした。

料金が非公開であること自体が問題なのではありません。ただ、検討する側からすると社内で予算を通すための資料が作れないという現実的な不便があります。設備保全の外注検討は、その場では決まりません。持ち帰って稟議に載せる段階で、金額が要ります。

もし非公開の会社を検討するなら、確認しておきたい質問がひとつあります。「実際に架電するのは誰ですか」です。問い合わせを受けてから協力会社に見積もりを取る形も現実にあります。再委託そのものは違法ではありませんが、費用は上がり、商材の理解とリスト作成は顔の見えない相手に委ねられます。

KOKONATSの料金(製造業)

プラン 月額(税抜) アポインセンティブ 対象社数
高精度マッチングプラン
機械加工・板金加工等
140,000円 15,000円/件
キャンペーン中 5,500円/件
200社
大型案件創出プラン
製造装置・FA企業等
230,000円 30,000円/件 200社
見込み客フォローアップ特化プラン
製造業界
80,000円
※商材・ボリュームにより変動
無し(定額) 100社(枠)
初期費用 0円 — 全プラン共通

【見込み客フォローアップ特化プラン】の「100社」について

「100社」は、かけて終わりの100社ではありません。同時に追い続ける枠の数です。初月に100社すべてへ連絡して温度を仕分け、2か月目以降は温度別に頻度を変えて追い続けます。

追跡のなかで確度が低い・条件が合わないと分かった先は枠から外し、空いた枠に次の候補を入れます。名簿が積み上がるのではなく、枠の中身が入れ替わっていきます。外した理由は毎月のレポートでお返しします。

追いたい先が100社に収まらない場合は、枠の追加も承りますので、別途ご相談ください。※この枠の考え方は見込み客フォローアップ特化プランのみに適用されます。

工場設備のメンテナンスは、「いま業者が入っている相手」を何か月も追い続ける仕事です。断られた相手を残して時期を見る運用が必要になるという意味で、見込み客フォローアップ特化プランの考え方と相性のよい業種です。

8. まとめ|当て先と時期を決めれば、新規は増える

  • 既存客先だけになるのは受け身で仕事が入る構造のため。失うときも受け身になる
  • この市場の第一声は「間に合っています」。断られるのが普通で、そこから先が本番
  • 当て先は2系統。工場の設備・保全部門(直請け)と、プラントエンジ・設備工事の元請け
  • 土台は元請け経由、単価と将来の柱は直請け。二本立てで持つ
  • 当てる時期は工場のカレンダーから逆算する。定期修繕の準備期・法定点検の周期・予算期・担当者交代
  • 相手と時期を自社で決められるのはテレアポ・インサイドセールスだけ
  • 「いつか空く相手」と「条件が合わない相手」を分けて残す。これが翌期の案件をつくる

新規開拓は、手が空いたらやる仕事にすると、いつまでも順番が回ってきません。

初期費用0円。料金・支援の流れはこちらから。

よくある質問

Q. 工場メンテナンスの新規開拓は、何から始めればいいですか?

A. 自社ができることを条件で書き出すところからです。対応できる工種、設備の種類とメーカー、緊急対応の可否と到達時間、夜間・休日・停電作業の可否、対応エリア、有資格者の数。ここが言葉になっていないと、リストを作る段階で対象を絞れません。手法を選ぶのはそのあとです。

Q. 「もう業者が入っている」と言われたら、それ以上は無理ではないですか?

A. その場では無理です。ただし、そこで切ってしまうかどうかで翌期が変わります。「いま業者が入っている」は状況の説明であって、条件が合わないという意味ではありません。定期修繕で手が足りなくなるとき、担当者が代わるとき、既存業者が対応しきれなかったときに、外部を探す動機が生まれます。そのときに名前が残っているかどうかが分かれ目です。

Q. 直請けと元請け経由、どちらを狙うべきですか?

A. 両方です。ただし役割が違います。元請け経由は一度入れば継続的に声がかかる代わりに、単価と仕事量が相手の都合で決まります。直請けは到達に時間がかかりますが、単価を守りやすく、将来の柱になります。売上の土台を元請け経由でつくりながら、直請けを並行して育てる形が現実的です。

Q. 【見込み客フォローアップ特化プラン】の100社を超えたらどうなりますか?

A. この100社は、同時に追い続ける枠の数です。追跡のなかで確度が低い・条件が合わないと分かった先を枠から外し、空いた枠に次の候補を入れる運用のため、名簿のように積み上がっていくことはありません。それでも追いたい先が100社に収まらない場合は、枠の追加も承りますので別途ご相談ください。なおこの枠の考え方は、見込み客フォローアップ特化プランにのみ適用されます。

Q. 営業専任がいなくても新規開拓はできますか?

A. できますが、当て先の設計を誰かが持つ必要があります。架電そのものは外注できても、「自社の工種と体制で対応できる工場はどこか」を決められるのは自社だけです。KOKONATSでは月末に最大30分の戦略会議を行い、断られた理由や競合の状況を共有したうえで、翌月のターゲットを一緒に調整しています。

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