鉄骨工事の新規開拓|元請け・商社の2ルートと、当てる時期の決め方

鉄骨工事の新規開拓。建設中の鉄骨造で組み上がったH形鋼の梁と高力ボルトの接合部、奥に移動式クレーン

「現場と工場で手一杯で、新規に手が回らない」—鉄骨工事の会社がよく感じる悩みです。

建方が始まれば朝から現場、終われば翌日の段取り。社長自身が職長として現場に立っていることも珍しくありません。営業に使う時間は、いつも最後に残るはずだった時間です。そして、たいてい残りません。

結論を先に言えば、鉄骨工事の新規開拓でつまずくのは営業の話し方ではありません。当てる先と、当てる時期の2つが決まっていないからです。鉄骨は、元請けが工事を受注してから協力会社を探す仕事です。つまり探されるタイミングが決まっている。ここに合わせられるかどうかで結果が変わります。

こんなお悩み、ありませんか?

  • 現場と段取りで一日が終わり、新規開拓に手をつけられない
  • 取引先が5〜6社に固定されていて、そこの発注量で稼働が振り回される
  • 営業は社長がひとりで担っていて、代われる人がいない
  • 電話をしても「協力会社は足りている」で終わってしまう

ひとつでも当てはまるなら、それは貴社の腕や段取りの問題ではありません。鉄骨工事は、相手が「いま探しているとき」に当たらなければ、どんなに良い会社でも話が始まらない仕事だからです。

1. なぜ鉄骨工事は「決まった元請けだけ」になりやすいのか

仕事の入り方が、そもそも受け身になっている

鉄骨工事の仕事は、多くの場合こう入ってきます。付き合いの長いゼネコンからの声かけ、鉄骨ファブからの相番の依頼、同業からの応援要請。どれも相手から声がかかって始まる形です。

この形は、発注が続いているうちは何の問題もありません。問題が出るのは、主力の元請けが工事量を絞ったとき、担当者が代わったとき、他の協力会社に切り替えたときです。受け身で入ってくる仕事は、受け身のまま失われます。

「協力会社は足りている」から始まる市場

鉄骨工事に固有の事情があります。ゼネコンや建設会社は、すでに使っている協力会社を持っています。空白のまま工事を進めている元請けは、まずありません。

つまり新規開拓の第一声に返ってくるのは、ほぼ例外なく「間に合っています」です。これは会社の実力とは関係ありません。この市場の初期反応がそうなっているだけです。ここで「うちのやり方が悪いのか」と止まってしまうと、新規は永久に増えません。

職長が営業を兼ねている構造

鉄骨工事は、現場を知っている人間でないと話が成立しません。工程も、必要な人数も、重機の段取りも、やったことがなければ答えられないからです。そのため営業も社長や職長が兼ねることになります。

すると、現場が忙しい時期=営業ができない時期という構造ができあがります。そして鉄骨工事は、忙しい時期がはっきりしている業種です。継続的に接触しつづけることが、構造的に難しいのです。

2. 鉄骨工事の当て先は、2系統ある

新規開拓の話をするとき、まず決めるべきは手法ではなく相手です。鉄骨工事の当て先は、大きく2つに分かれます。求められるものも、決まるまでの時間も違います。

当てる相手 相手が求めているもの 注意点
ゼネコン・建設会社の
工事部・購買
工期に間に合う人と重機。安全書類が整っていること。急な工程変更に動けること 単価は守りやすいが到達が難しい。すでに協力会社が入っている前提で臨む必要がある
商社・鋼材業者 鋼材を納めた先で、施工まで含めて提案できる相手 案件数は多くないが、一度信頼されると継続的に情報が回ってくる

2系統を同時に持つ意味

どちらか片方に寄せると、必ず弱点が出ます。ゼネコン・建設会社だけを追うと、決まるまでの時間が読めません。商社経由だけに寄ると、案件の数と時期を相手に握られます。

現実的なのは、商社や既存の付き合いから入る案件で稼働をつなぎながら、単価と将来の柱になる元請け直の取引を並行して育てる二本立てです。当てる相手が2系統あるとわかっているだけで、リストの作り方も、電話をかける順番も変わります。

当てる前に、条件で言葉にしておくこと

「鉄骨工事全般に対応します」では、相手は既存の協力会社との違いを判断できません。相手が判断できる形にしておく必要があります。

書き出しておく項目

対応できる工種(建方・相番・本締め・タッチアップ・デッキ張り・鍛冶工事など)/同時に出せる人数と班の数/保有・手配できる重機と揚重の可否/対応できる規模(超高層・中低層・工場・倉庫・共同住宅)/対応エリアと現場までの移動時間/建設業許可の業種と有資格者(鳶・玉掛け・とび技能士・職長など)/安全書類やCCUSへの対応状況/工程ごとの部分請けが可能かどうか

この項目が言葉になっていれば、当てるべき元請けの条件も自動的に絞れます。逆にここが曖昧なままだと、どの手法を使っても「何かあればご連絡します」で終わります。

とくに効くのが「工程ごとに請けられるかどうか」です。一連の建方を丸ごと請ける会社は多くても、本締めだけ、デッキ張りだけ、といった部分での依頼に応じられる会社は限られます。相手が困っているのは、たいてい全部ではなく一部です。

3. 「協力会社は足りています」の後にこそ、仕事がある

断りの言葉は、状況の説明であって拒否ではない

すでに書いたとおり、この市場の第一声は「間に合っています」です。押し返す必要はありません。重要なのは、その相手を切るのか残すのかを分けることです。

「いま協力会社が足りている」と「うちの規模やエリアでは合わない」は、まったく別の情報です。前者はいつか空く相手であり、後者は最初から対象外です。この2つを同じ「断られた」の箱に入れてしまうと、翌年に取れるはずだった仕事が消えます。

入れ替わりが起きるきっかけ

協力会社が入れ替わるのは、たいてい何かのきっかけがあったときです。既存の協力会社が工期に対応しきれなかったとき、担当者が代わったとき、そして工事の量が一時的に増えるときです。

三つ目は予測できます。元請けが大きな工事を受注すれば、既存の協力会社だけでは手が足りなくなる。そのときに名前が挙がるかどうかが、分かれ目です。

4. いつ当てるか|元請けのカレンダーから逆算する

鉄骨工事は、当てる時期が結果を大きく左右します。相手の予定が読める業種だからです。

① 元請けが工事を受注した直後

鉄骨建方は、躯体工事のなかでも早い段階に来ます。だからこそ、元請けが協力会社を探すのは着工よりかなり前です。着工が近づいてから当てても、体制はもう決まっています。

とはいえ、どの元請けがいつ受注したかを、外から正確に知る方法はありません。だからこそ、受注が出たときに思い出してもらえる状態をつくっておくほうが現実的です。一度きりの接触では、たまたまその時期に当たる確率は低いままです。定期的に接点を持っている相手のなかから、工事が動いた会社が案件になる——という順番になります。

② 年度末の繁忙期に入る前

建設業は年度末に工期が集中しやすい業種です。そこで人が足りなくなることは、元請け側も分かっています。足りなくなってから探すのではなく、その前に候補を持っておきたいのが相手の本音です。繁忙期の真っ最中に当てても、電話に出てもらえません。

③ 期首の協力会社見直し

新しい期が始まる時期は、協力会社の構成を見直す機会になります。決算期は会社ごとに違うので、リストを作る段階で調べておくと当てる順番が変わります。これは法令ではなく商慣習の話です。絶対ではありませんが、材料にはなります。

④ 担当者が代わる時期

工事部や購買の担当者が代わると、協力会社との関係は一度ゼロベースで見直されます。人事異動の時期に接点があるかどうかには運の要素もあります。だからこそ、年に一度しか当てていない相手からは、この機会が見えません。

5. 手法の比較|鉄骨工事の場合

当て先と時期が決まってから、はじめて手法の話になります。

手法 向いている当て先 長所 弱点
同業・職人からの紹介 同業、既存取引先 信用が最初からある。決まるのが早い 数と時期を自社で決められない
協力会社登録・飛び込み ゼネコン、建設会社 登録されれば声がかかる可能性が生まれる 登録しただけでは動かない。移動の時間がかかる
WEB・問い合わせ 急ぎで探している元請け 緊急性の高い相手が来る 件数が読めない。エリアや規模が合わない相談も混ざる
テレアポ・インサイドセールス 2系統とも 当てる相手と時期を自社で決められる唯一の手段 断られる前提の量が必要。現場を持つ会社では継続が難しい

つまり、紹介は相手のタイミングに依存し、登録は待ちで、WEBは件数が読めません。「この時期に、この元請けに当てる」と自社で決められるのは、テレアポとインサイドセールスだけです。前章のとおり、鉄骨工事は当てる時期が結果を左右します。時期を選べる手段を1本持っておく意味は、そこにあります。

そしてその1本が、現場を回している会社ではいちばん続きません。継続できないから外に出す、という判断は、営業が苦手だからではなく構造上の話です。

6. 断られた相手を、どう残すか

鉄骨工事の新規開拓で最も取りこぼしが多いのが、ここです。初回で「協力会社は足りています」と言われた相手を、そのまま消してしまうことです。

この市場では初回に決まる案件はほとんどありません。相手が次に大きな工事を受注するまで、月単位・年単位の時間がかかります。ですから新規開拓の成否は、初回の反応ではなく、断られた相手をどう残したかで決まります。

KOKONATSの場合:担当者につながらない相手には最大6回まで架電するルールで運用しています。担当者に到達するまで平均4〜6回のすれ違いが発生するため、1回で判断すると、そもそも届いていない相手を「反応なし」に分類してしまうからです。断られた相手も理由とともに記録し、受注の公表や期首のタイミングに合わせて再度接触します。

7. 費用の考え方|相場と、KOKONATSの料金

市場の相場

BOXILによる主要34サービスの調査では、月額費用の中央値は約27万円(10〜50万円に分布)、初期費用の中央値は約16万円、成果報酬はアポ1件あたり1万5,000〜2万円が目安とされています。同じ調査で、料金を公開しているのは34社中9社でした。

料金が非公開であること自体が問題なのではありません。ただ、検討する側からすると社内で予算を通すための資料が作れないという不便があります。もし非公開の会社を検討するなら、確認しておきたい質問がひとつあります。「実際に架電するのは誰ですか」です。問い合わせを受けてから協力会社に見積もりを取る形も現実にあります。再委託そのものは違法ではありませんが、費用は上がり、商材の理解とリスト作成は顔の見えない相手に委ねられます。

KOKONATSの料金(建築・設備)

初期費用は一切いただきません。

プラン名 月間基本料金(税抜) ターゲット件数
100社開拓プラン ¥80,000(定価 100,000円) 100社
200社開拓プラン ¥140,000(定価 160,000円) 200社
300社開拓プラン ¥190,000(定価 210,000円) 300社
見込み客フォローアップ特化プラン ¥80,000
※商材・ボリュームにより変動
100社(枠)
初期費用 ¥0 全プラン共通

新規開拓スタンダードプランには、アポインセンティブ(5,500円/件〜)とコールリスト作成(18,000円/100社)が別途かかります。見込み客フォローアップ特化プランは、どちらも対象外の定額です。

【見込み客フォローアップ特化プラン】の「100社」について

「100社」は、かけて終わりの100社ではありません。同時に追い続ける枠の数です。初月に100社すべてへ連絡して温度を仕分け、2か月目以降は温度別に頻度を変えて追い続けます。

追跡のなかで確度が低い・条件が合わないと分かった先は枠から外し、空いた枠に次の候補を入れます。名簿が積み上がるのではなく、枠の中身が入れ替わっていきます。外した理由は毎月のレポートでお返しします。

追いたい先が100社に収まらない場合は、枠の追加も承りますので、別途ご相談ください。※この枠の考え方は見込み客フォローアップ特化プランのみに適用されます。

鉄骨工事は、「いま協力会社が足りている元請け」を、次の受注が出るまで追い続ける仕事です。断られた相手を残して時期を見る運用が要るという意味で、見込み客フォローアップ特化プランの考え方と相性のよい業種です。

8. まとめ|当て先と時期を決めれば、新規は増える

  • 決まった元請けだけになるのは受け身で仕事が入る構造のため。失うときも受け身になる
  • この市場の第一声は「協力会社は足りています」。断られるのが普通で、そこから先が本番
  • 当て先は2系統。ゼネコン・建設会社の工事部・購買/商社・鋼材業者
  • 稼働は商社・既存の付き合いから、単価と将来の柱は元請け直。二本立てで持つ
  • できることは工種・人数・重機・規模・エリア・資格で言葉にする。とくに「工程ごとに請けられるか」
  • 当てる時期は元請けのカレンダーから逆算する。受注直後・繁忙期の前・期首・担当者交代
  • 相手と時期を自社で決められるのはテレアポ・インサイドセールスだけ
  • 「いつか空く相手」と「条件が合わない相手」を分けて残す。これが翌期の案件をつくる

現場が動いているあいだも、次の元請けへの接触は止められません。

初期費用0円。料金・支援の流れはこちらから。

よくある質問

Q. 鉄骨工事の新規開拓は、何から始めればいいですか?

A. 自社ができることを条件で書き出すところからです。対応工種、同時に出せる人数と班の数、重機と揚重の可否、対応できる規模、エリアと移動時間、建設業許可と有資格者、安全書類やCCUSへの対応状況。そして工程ごとの部分請けが可能かどうか。ここが言葉になっていないと、リストを作る段階で対象を絞れません。手法を選ぶのはそのあとです。

Q. 「協力会社は足りています」と言われたら、それ以上は無理ではないですか?

A. その場では無理です。ただし、そこで切ってしまうかどうかで翌期が変わります。「いま足りている」は状況の説明であって、条件が合わないという意味ではありません。元請けが大きな工事を受注したとき、既存の協力会社が工期に対応しきれなかったとき、担当者が代わったときに、外部を探す動機が生まれます。そのときに名前が残っているかどうかが分かれ目です。

Q. ゼネコン直と商社経由、どちらを狙うべきですか?

A. 両方です。ただし役割が違います。商社経由は一度信頼されると継続的に情報が回ってくる代わりに、案件の数と時期が相手の都合で決まります。ゼネコン直は到達に時間がかかりますが、単価を守りやすく、将来の柱になります。商社や既存の付き合いで稼働をつなぎながら、元請け直を並行して育てる形が現実的です。

Q. 協力会社登録をしても声がかかりません。

A. 登録は「思い出してもらえる状態」をつくるだけで、それ自体は待ちの施策です。相手が探しているタイミングで接点があるかどうかが結果を分けます。登録したうえで、受注の公表や期首など時期を選んで接触を重ねる形にすると、登録が生きてきます。

Q. 【見込み客フォローアップ特化プラン】の100社を超えたらどうなりますか?

A. この100社は、同時に追い続ける枠の数です。確度が低い・条件が合わないと分かった先を枠から外し、空いた枠に次の候補を入れる運用のため、名簿のように積み上がることはありません。それでも追いたい先が100社に収まらない場合は、枠の追加も承りますので別途ご相談ください。なおこの枠の考え方は、見込み客フォローアップ特化プランにのみ適用されます。

Q. 営業専任がいなくてもできますか?

A. できますが、当て先の設計を誰かが持つ必要があります。架電そのものは外注できても、「自社の人数と重機で対応できる現場はどこか」を決められるのは自社だけです。KOKONATSでは月末に最大30分の戦略会議を行い、断られた理由や競合の状況を共有したうえで、翌月のターゲットを一緒に調整しています。

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