補修・修繕工事の新規開拓|技術ではなく症状から当てる3つのルート

補修・修繕工事の新規開拓。外廊下で壁のひび割れとタイルの浮きを打診棒で点検する職人

「技術には自信がある。話せば伝わる。ただ、それをやれるのが自分しかいない」——補修・修繕を専門にしている会社がよく感じる悩みです。

社長が説明すれば、たいていは伝わります。現場を知っていて、直した数も見てきているからです。問題は、その説明を社長以外にできる人が社内にいないことです。採用しても育つ前に辞める。外注しようにも、この分野を分かって話せる相手が見つからない。結果、営業は社長の手元に残り続けます。

結論を先に言えば、補修工事の新規開拓で決まるのは「技術を、相手が使っている言葉に置き換えられるか」、そして「壊れる前に名前を置けているか」の2つです。補修は、呼ばれたときに思い出してもらえなければ始まりません。この記事では、当て先を3つに整理したうえで、その2つをどう設計するかを示します。

こんなお悩み、ありませんか?

  • 技術には自信があるが、それを説明できるのが社長しかいない
  • 営業を任せられる人が社内にいない。採用しても育つ前に辞めてしまう
  • 呼ばれたときだけの付き合いで、継続的な取引になっていない
  • 1件あたりの金額が小さく、件数をこなしても売上が積み上がらない
  • 外注も考えたが、この分野を分かって話せる相手が見つからない

ひとつでも当てはまるなら、それは貴社の技術や営業力の問題ではありません。補修・修繕は、社長が動けば取れる仕事であるにもかかわらず、その社長がいちばん動けない立場にいる、という構造の問題だからです。

1. なぜ特殊な技術ほど、売り込み方が分からなくなるのか

相手は工法で困っていない

建物を管理している人が困っているのは、いつも症状のほうです。タイルが浮いている、雨漏りがする、壁にひびが入っている、床が傷んでいる、入居者から苦情が来ている。工法の名前で困っている人は、ひとりもいません。

ところが技術で勝負してきた会社ほど、説明は工法から始まります。何を使い、どういう手順で、どこが従来と違うのか。順番が逆です。工法の話は、相手が「その症状を直せるらしい」と分かったあとで効きます。最初に出すと、その手前で電話が終わります。

壊れてからしか探されない

もうひとつ、補修・修繕に固有の事情があります。この仕事は不具合が起きて初めて必要になります。相手は普段、補修業者を探していません。探すのは、天井にシミが出た日、タイルが落ちた日です。

つまり、その瞬間に思い出してもらえなければ、どれだけ良い技術を持っていても声はかかりません。営業の目的は「いま仕事をもらうこと」ではなく、「壊れた日に名前が出てくる状態をつくること」になります。ここが新築や改装の工事と決定的に違うところです。

小口が積み上がらない

補修は1件あたりの金額が小さくなりがちです。呼ばれて、直して、請求して終わり。これを繰り返しても、売上は横ばいのままです。小口を継続に変える設計がないと、忙しさだけが増えていきます。

やれるのが社長ひとり、という構造

補修・修繕の会社で新規開拓が進まない最大の理由は、やり方が分からないことではありません。やれる人が社長ひとりしかいないことです。

社長が電話をすれば話は進みます。症状を聞けば見当がつくし、直した数も見てきているからです。ところがその社長は、見積り、現場、材料の手配、施主や管理会社との連絡まで抱えています。いちばん成約させられる人が、いちばん時間を持っていません。

では任せればいい、という話になりますが、ここで詰まります。採用しても、症状を聞いて見当をつけられるようになるまでに時間がかかり、その前に辞めてしまう。外注を探しても、この分野の話が通じる相手がなかなか見つからない。結果、営業はまた社長の手元に戻ります。

つまり必要なのは、社長の代わりに「最初の接点をつくる部分だけ」を切り出して、毎月回せる形にすることです。技術の説明は社長がすればいい。その手前の、誰に当てて、どう残すかを外に出せるかどうかが分かれ目になります。

2. 補修・修繕の当て先は3つ

新規開拓の話をするとき、まず決めるべきは手法ではなく相手です。補修・修繕の当て先は、大きく3つに分かれます。不具合が発生する理由も、決まるまでの時間も違います。

当てる相手 補修が発生する理由 注意点
ビル管理会社
賃貸管理会社
不動産管理会社
入居者からの不具合の連絡、退去時の手直し、オーナーへの修繕提案、定期点検で出た指摘事項 管理棟数がそのまま案件数になる。一度登録されると繰り返し声がかかる
介護施設・病院
ホテルなどの施設側
利用者の安全にかかわる不具合、営業を止めずに直したい箇所、施設の老朽化 建物を自社で使っている側なので判断が早い。営業を止めずに施工できるかが重視される
ゼネコン・建設会社
(元請け)
竣工後の手直し、保証期間中の補修、他社では直せなかった箇所の相談 単価は相手の設定に寄るが、難しい案件が回ってくるほど技術が評価される

どこから手をつけるか

3つのうち、いちばん繰り返しが効くのは管理会社です。保有・管理している建物の数がそのまま不具合の発生数につながり、一度協力会社として認識されると、次から次へと相談が来ます。1社取れば終わりではなく、1社取れば続く相手だという点が、他の当て先と違います。

施設側は判断が早い代わりに、建物の数が限られます。元請け経由は難しい案件が回ってくるので技術が生きますが、単価と時期は相手の都合で決まります。

当てる前に、条件で言葉にしておくこと

「補修工事全般に対応します」では、相手は他社との違いを判断できません。

書き出しておく項目

直せる症状(タイルの浮きや剥落・ひび割れ・漏水や雨漏り・防水層の劣化・壁や天井の傷み・床の傷みなど)/対応できる建物の種類(マンション・オフィスビル・商業施設・医療介護施設・ホテル)/営業や入居を止めずに施工できるか/1日で終わるか、何日かかるか/夜間・休日の対応可否/保証の内容と期間/1件あたりの目安金額/対応エリアと現場までの到達時間/建設業許可の業種と有資格者

とくに効くのが「営業を止めずに直せるかどうか」です。稼働している建物では、工事そのものより休業の損失のほうが大きいことが珍しくありません。ここが言えると、価格以外の理由で選ばれます。

3. 技術を「症状の言葉」に置き換える

ここが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。

特殊な技術を持っている会社ほど、伝え方でつまずきます。理由は単純で、相手の頭のなかにその工法の引き出しがないからです。知らない言葉は、聞いても記憶に残りません。

やることは、技術の説明をやめることではありません。順番を入れ替えることです。

順番を入れ替える

相手が口にする症状(タイルが浮いている、雨漏りがする、入居者から苦情が来ている)
その症状を、どう直せるのか(張り替えずに直せる/1日で終わる/営業を止めなくていい)
なぜそれができるのか(ここではじめて工法の話)

③から始めると「それは何ですか」で終わり、①から始めると「うちにもあります」につながります。同じ技術でも、置き場所が変わるだけで伝わり方が変わります。

そして、この①を書き出す作業は営業の準備ではなく、リストをつくる作業そのものです。どんな症状で困っている建物が多いのかが決まれば、当てるべき管理会社の条件も決まります。

「◯◯といえばあの会社」と、症状の名前で覚えてもらう

順番を入れ替えるもうひとつの狙いが、ここです。営業の目的は、症状の名前と自社の名前を結びつけてもらうことにあります。

管理会社の担当者は、補修業者を一覧で管理していません。不具合が出たときに「これはあの会社だ」と思い出せるかどうかで発注先が決まります。工法の名前では思い出せませんが、症状の名前なら思い出せます。だから伝えるべきは「何ができるか」ではなく「どの症状のときに呼ぶ会社か」です。

補修・修繕には、専門性が高く、対応できる会社が限られる領域がいくつもあります。そうした領域を持っているなら、そこは強みです。

相手が口にする症状 専門領域 関わる資格・工法の例
床がきしむ、歩くと沈む 床鳴り・床下地の補修 張り替えずに直す工法がある
天井や壁にシミが出た 雨漏りの調査・修理 雨漏り診断士(民間資格)/散水調査・赤外線調査
外壁のタイルが浮いている、落ちた タイル浮き・剥落防止 アンカーピンニングエポキシ樹脂注入工法
床下の木部がやられている シロアリ防除 しろあり防除施工士(日本しろあり対策協会)
水道代が急に上がった、原因が分からない 漏水調査 音聴・相関式など、壊さずに場所を特定する調査
配管が錆びている、詰まる 給排水管の更生 ライニング工法(更新せず内側から直す)
部屋が寒い、結露やカビが出る 気密・断熱の改修 気密測定(C値の実測)/断熱の部分改修
コンクリートにひびが入っている ひび割れ補修 エポキシ樹脂注入・Uカットシール材充填
鉄部が錆びている 鉄部の防錆・改修 ケレン(下地処理)の等級で仕上がりが変わる
改修したいが古い建物で不安がある 石綿(アスベスト)の事前調査 建築物石綿含有建材調査者。一定の工事では有資格者による事前調査が必要

※資格・工法の名称は代表例です。制度や必要な資格は改正されることがあるため、実際の提案時には最新の要件をご確認ください。

表の左側が、相手が電話口で言う言葉です。右側は、こちらが普段使っている言葉です。電話で先に出すのは左側で、工法の名前はそのあとに出します。

4. いつ当てるか|不具合が表に出る時期から逆算する

補修・修繕は「壊れてから」の仕事ですが、壊れる時期には偏りがあります。

① 定期点検・法定点検で指摘が出たあと

建物の定期的な調査や点検では、劣化や不具合が指摘事項として書き出されます。その指摘をどう直すかを、管理会社やオーナーが検討する時期があります。ここに接点があるかどうかは大きな差になります。

② 台風・大雨・地震のあと

災害の直後は、漏水や外壁の不具合の相談が一気に増えます。ただしこのとき初めて連絡しても間に合いません。平時に名前を置いてあった会社に、電話がいきます。

③ 退去や入れ替わりのタイミング

賃貸物件では、退去のたびに室内の状態が確認されます。普段は見えない不具合が、このときに表に出ます。次の入居までという期限があるため、動きが早いのも特徴です。

④ 年度の予算が組まれる時期

施設側も管理会社も、修繕の費用は予算に載っているかどうかで決まります。決算期は相手によって違うので、リストを作る段階で調べておくと当てる順番の材料になります。これは法令ではなく運用の話ですが、実務では効きます。

5. 手法の比較|補修・修繕の場合

当て先と時期が決まってから、はじめて手法の話になります。

手法 向いている当て先 長所 弱点
紹介・既存客先からの横展開 管理会社、元請け 信用が最初からある。決まるのが早い 数と時期を自社で決められない
WEB・問い合わせ いま困っている相手 緊急性の高い相談が来る 工法名では検索されない。単発になりやすい
協力会社登録・飛び込み 管理会社、元請け 登録されれば声がかかる可能性が生まれる 登録しただけでは動かない。移動に時間がかかる
テレアポ・インサイドセールス 3系統すべて 当てる相手と時期を自社で決められる唯一の手段 断られる前提の量が必要。現場に出ながらの継続は難しい

つまり、紹介は相手のタイミング次第、WEBはそもそも工法名で探されず、登録は待ちです。「この時期に、この管理会社に当てる」と自社で決められるのは、テレアポとインサイドセールスだけです。前章のとおり、補修は「壊れた日に思い出してもらえるか」で決まります。思い出してもらうには、その前に接触している必要があります。

そしてその接触が、現場に出ている会社ではいちばん続きません。継続できないから外に出す、という判断は、営業が苦手だからではなく構造上の話です。

6. 小口を継続に変える

補修・修繕でいちばんもったいないのは、1件直して終わりにしてしまうことです。

管理会社や施設側から見れば、不具合は今後も必ず起きます。そのたびに業者を探すのは手間なので、できれば決まった相手に任せたい。つまり相手も継続したいと思っています。

ですから、1件目で終わらせないために必要なのは値引きではありません。他にも直せる症状があることを、相手が把握している状態をつくることです。ある症状の相談で呼ばれた会社が、実は別の箇所も直せると知られていなければ、次は別の業者に電話がいきます。

KOKONATSの場合:断られた相手も理由とともに記録し、点検の指摘が出る時期や予算期に合わせて再度接触します。また、担当者につながらない相手には最大6回まで架電するルールで運用しています。担当者に到達するまで平均4〜6回のすれ違いが発生するため、1回で判断すると、そもそも届いていない相手を「反応なし」に分類してしまうからです。

実際の事例

東京都 特殊な補修技術を持つ会社様(不動産会社への開拓)

他社にない補修技術を持ちながら、その伝え方に課題を抱えていた会社様です。不動産会社を対象に開拓を実施し、アポ率4%開始から2か月で高額の補修案件を獲得しています。

技術そのものではなく、その技術が解決する症状の側から当てたことが、短期間で案件につながった要因です。

※アポ率はリスト・商材・時期・架電数によって大きく変動します。成果を保証するものではありません。

7. 費用の考え方|相場と、KOKONATSの料金

市場の相場

BOXILによる主要34サービスの調査では、月額費用の中央値は約27万円(10〜50万円に分布)、初期費用の中央値は約16万円、成果報酬はアポ1件あたり1万5,000〜2万円が目安とされています。同じ調査で、料金を公開しているのは34社中9社でした。

料金が非公開であること自体が問題なのではありません。ただ、検討する側からすると社内で予算を通すための資料が作れないという不便があります。もし非公開の会社を検討するなら、確認しておきたい質問がひとつあります。「実際に架電するのは誰ですか」です。問い合わせを受けてから協力会社に見積もりを取る形も現実にあります。再委託そのものは違法ではありませんが、費用は上がり、商材の理解とリスト作成は顔の見えない相手に委ねられます。特殊な技術ほど、その理解の差が結果に出ます。

KOKONATSの料金(建築・設備)

初期費用は一切いただきません。

プラン名 月間基本料金(税抜) ターゲット件数
100社開拓プラン ¥80,000(定価 100,000円) 100社
200社開拓プラン ¥140,000(定価 160,000円) 200社
300社開拓プラン ¥190,000(定価 210,000円) 300社
見込み客フォローアップ特化プラン ¥80,000
※商材・ボリュームにより変動
100社(枠)

新規開拓スタンダードプランには、アポインセンティブ(5,500円/件〜)とコールリスト作成(18,000円/100社)が別途かかります。見込み客フォローアップ特化プランは、どちらも対象外の定額です。

【見込み客フォローアップ特化プラン】の「100社」について

「100社」は、かけて終わりの100社ではありません。同時に追い続ける枠の数です。初月に100社すべてへ連絡して温度を仕分け、2か月目以降は温度別に頻度を変えて追い続けます。

追跡のなかで確度が低い・条件が合わないと分かった先は枠から外し、空いた枠に次の候補を入れます。名簿が積み上がるのではなく、枠の中身が入れ替わっていきます。外した理由は毎月のレポートでお返しします。

追いたい先が100社に収まらない場合は、枠の追加も承りますので、別途ご相談ください。※この枠の考え方は見込み客フォローアップ特化プランのみに適用されます。

補修・修繕は、「いまは困っていない」と言われた相手を、不具合が出るまで追い続ける仕事です。断られた相手を残して時期を見る運用が要るという意味で、見込み客フォローアップ特化プランの考え方と相性のよい分野です。

8. まとめ|技術ではなく、症状から当てる

  • 売り込み方が分からないのは技術の問題ではなく、相手の頭に工法の引き出しがないから
  • 順番を入れ替える。①症状 → ②どう直せるか → ③なぜできるか
  • 当て先は3つ。ビル管理・賃貸管理・不動産管理/施設側/ゼネコン・建設会社
  • 最初に取りにいくのは管理会社。管理棟数がそのまま案件数になり、一度入れば繰り返し声がかかる
  • 「営業を止めずに直せるか」は、価格以外で選ばれる理由になる
  • 当てる時期は点検の指摘後・災害のあと・退去時・予算期
  • 補修は壊れてからの仕事。だからこそ、壊れる前に名前を置いておく
  • 1件で終わらせない鍵は値引きではなく、他にも直せる症状を知ってもらうこと
  • そして最大の壁は技術でも当て先でもなく、営業を毎月続ける時間が残らないこと

取れるはずの仕事が、社長の手が空くのを待っている状態です。

初期費用0円。料金・支援の流れはこちらから。

よくある質問

Q. 特殊な工法を持っています。どう伝えればいいですか?

A. 工法の説明から始めないことです。相手が実際に口にする症状を先に置き、次にそれをどう直せるのか(張り替えずに済む、1日で終わる、営業を止めなくていい)、最後になぜそれができるのかという順番にします。工法名は、相手が「うちにもある」と反応したあとで効きます。

Q. どの当て先から始めるのが効率的ですか?

A. ビル管理会社・賃貸管理会社・不動産管理会社です。管理している建物の数がそのまま不具合の発生数につながるため、1社取れれば繰り返し相談が来ます。施設側は判断が早い代わりに建物の数が限られ、元請け経由は単価と時期が相手の都合で決まります。

Q. 呼ばれたときだけの付き合いから抜け出せません。

A. 相手が「この会社は何を直せるのか」を把握していないことが多いです。ある症状の相談で呼ばれた会社が別の箇所も直せると知られていなければ、次は別の業者に電話がいきます。直せる症状の一覧を相手が持っている状態をつくることが、継続への近道です。

Q. 1件の金額が小さく、営業にコストをかけられません。

A. 1件あたりで見ると割に合わなくても、管理会社は繰り返し発注する相手です。初回の1件ではなく、その後1年でいくらになるかで判断してください。逆に、単発で終わる相手ばかりを追っている場合は、当て先の選び方から見直す必要があります。

Q. 【見込み客フォローアップ特化プラン】の100社を超えたらどうなりますか?

A. この100社は、同時に追い続ける枠の数です。確度が低い・条件が合わないと分かった先を枠から外し、空いた枠に次の候補を入れる運用のため、名簿のように積み上がることはありません。それでも追いたい先が100社に収まらない場合は、枠の追加も承りますので別途ご相談ください。なおこの枠の考え方は、見込み客フォローアップ特化プランにのみ適用されます。

Q. 営業専任がいなくてもできますか?

A. できますが、当て先の設計を誰かが持つ必要があります。架電そのものは外注できても、「自社の技術で直せる症状は何か」「それが多く出る建物はどこか」を決められるのは自社だけです。KOKONATSでは月末に最大30分の戦略会議を行い、断られた理由や競合の状況を共有したうえで、翌月のターゲットを一緒に調整しています。

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