
「春と秋は職人が足りない。それ以外の時期は現場が空く」——工場塗装をやっている会社の社長から、よく聞く話です。
これは受注力の問題ではありません。工場塗装には、塗る場所によって動く時期がまったく違うという性質があります。屋根や外壁といった屋外の仕事は春と秋に寄り、塗床や鉄骨まわりの屋内の仕事は工場が止まる長期休暇に集中する。どちらか一方に偏っていると、年間の稼働が必ずどこかで空きます。
結論を先に言えば、波をならす方法は「発注元を増やすこと」ではありません。動く時期の違う仕事を、両方持てる相手を開拓することです。この記事では、その考え方と当てるべき相手、そして営業をかけるべき時期を整理します。
こんなお悩み、ありませんか?
- 繁忙期は職人が足りず、閑散期は現場が空く。その差が年々大きくなっている
- ゼネコンや設備工事会社からの下請けが、売上の大半を占めている
- 閑散期に営業をかけようにも、どこに当てればいいのか分からない
- 単価を上げたいが、下請けの立場では交渉のテーブルにつけない
ひとつでも当てはまるなら、それは貴社の営業努力が足りないからではなく、仕事の波が、腕ではなく「どの仕事を持っているか」の構成で決まる仕組みになっているからです。
1. なぜ工場塗装の仕事は波が出るのか
① 屋外の仕事は、春と秋にしか動かない
塗装の施工条件は、一般に気温5℃以上・相対湿度85%以下とされています。屋根や外壁の塗り替えは、梅雨と真夏の高温期、そして真冬を外すと、どうしても春と秋に寄ります。1つの現場で工程がずれ込めば、次の現場もそのままずれます。
ただし、公共建築工事標準仕様書では「採暖・換気等を適切に行う場合はこの限りでない」という例外が置かれています。養生と採暖で冬期の工程を作れるかどうかは、そのまま年間の稼働率の差になります。
② 屋内の仕事は、工場が止まる長期休暇に集中する
稼働中の工場では、有機溶剤の臭気、火気、ケレン(素地調整)の粉じんを出せない区画があります。製品ラインの上、清浄度が求められる建屋、火気厳禁のエリア——ここは工場が止まらないと手がつきません。
そのため塗床や鉄骨・機械まわりの塗装は、年末年始・ゴールデンウィーク・お盆といった長期休暇と、工場ごとの定期修繕期間に集中します。塗装会社の都合ではなく、工場の操業カレンダーが工期を決めているのです。
③ 元請けの受注状況が、そのまま波になる
ゼネコンや設備工事会社の下請けが売上の中心だと、いつ・どれだけ仕事が来るかを自社で決められません。元請けの受注が減れば、こちらの現場も空きます。
つまり波は、貴社の営業力ではなく、「屋外と屋内、どちらの仕事をどれだけ持っているか」と「発注元を自社で選べているか」で決まっているということです。

2. 工場塗装の集客・営業手法4つと、向き・不向き
工場塗装の新規開拓の手段は、大きく4つです。どれが正解かではなく、貴社の体制でどれが回るかで選びます。
| 手法 | 向いている場面 | 弱点 |
|---|---|---|
| 紹介・既存取引先の深掘り | 一度入った工場は建屋が複数あり、次の棟・次の設備につながる | 自社の意思で件数を増やせない |
| ゼネコン・設備工事会社からの下請け | 物量が安定し、営業コストがかからない | 単価が上がりにくく、波を自社で制御できない |
| Web集客・SEO | 「工場 塗装」「折板屋根 塗装」で自分から探す担当者を拾える | 成果が出るまで時間がかかり、件数が読めない |
| テレアポ・インサイドセールス | 当てる先と時期を自社で選べる | 現場が忙しいと架電が止まる。外注する場合はノウハウが社内に残りにくい |
紹介と下請けは、どちらも相手の都合で件数が決まるという共通の弱点があります。波をならしたいのに、波を作っている側に依存している状態です。
Web集客は自社で積み上げられますが、いつ問い合わせが来るかはこちらで選べません。リストの精度と接触の量、そして当てる時期を同時にコントロールできるのが、テレアポ・インサイドセールスです。そしてこの手法だけが、「誰に・いつ当てるか」の設計を必要とします。
3. 波をならす|直請けを狙う4つの相手
「新規開拓」を漠然と考えると手が止まります。屋外の仕事と屋内の仕事、どちらを出してくれる相手なのか——この視点で整理すると、当てるべき相手は4つに絞れます。
| 相手 | 取れる工事 | 屋外/屋内と動く時期 |
|---|---|---|
| 工場を持つメーカーの設備・保全部門 | 屋根・外壁の塗り替え/塗床・鉄骨・機械まわり | 両方取れる。屋外は春・秋、屋内は長期休暇と定期修繕。最も波をならしやすい相手 |
| 倉庫・物流施設のオーナー・運営会社 | 折板屋根の遮熱塗装/塗床・ライン引き | 両方取れる。ただし荷主の繁忙期(11〜12月・年度末)は庫内を空けられない |
| 不動産・ビル管理会社(産業物件) | 外壁・鉄部の塗装、修繕にともなう塗装一式 | 屋外中心。修繕周期で動く。登録・与信に時間がかかるが、入れば複数物件に広がる |
| プラント・製造設備メーカー | タンク・配管・鋼構造物の重防食塗装 | 屋内・設備中心。定期修繕にあわせて動く。工作物の石綿事前調査の資格要件が絡む |
ここが要点です。屋外だけを追うと春と秋しか動かず、屋内だけを追うと長期休暇しか動きません。上の4つのうち、最初の2つは屋外と屋内の両方を同じ相手から取れます。まずここを厚くし、そのうえで3つ目・4つ目で偏りを補う——これが波をならす順番です。
ただし正直に書いておくと、屋根と外壁である以上、気温・湿度・降雨という制約は発注元を変えても共通してかかります。谷を本当に埋めるのは、天候に左右されにくい仕事——塗床、鉄骨・機械まわり、屋内区画の夜間施工——をどれだけ持てるかです。
なお、ゼネコンや設備工事会社からの下請けを切る必要はありません。単価は上がりにくいものの、営業コストをかけずに物量が入ります。上の4つを並行して増やし、売上構成比を少しずつ変えていくほうが現実的です。
4. いつ当てるか|工場塗装の案件が動くタイミング
工場塗装の営業は、リストの質と同じくらい「時期」が成果を左右します。工事が動く時期と、営業をかけるべき時期はずれているからです。
- 屋外(屋根・外壁):工事は春と秋。予算と業者は数か月前に決まるため、秋の工事を狙うなら春に、翌春の工事を狙うなら前年の秋に接触しておく必要があります。
- 屋内(塗床・鉄骨・機械まわり):工事は年末年始・ゴールデンウィーク・お盆と定期修繕期間。ここも同じく、数か月前には発注先が固まります。工事の直前に電話をしても、業者が決まっていることが多くなります。
- 予算取りの時期:改修予算は期が始まる前に固まります。相手の決算月を把握しておけば、提案の時期を合わせられます。期首の半年前が目安です。
- 前回の塗り替えからの経過年数:屋根・外壁の塗り替えは周期で回ります。前回いつ塗ったかが分かれば、次がいつ来るかは読めます。
石綿(アスベスト)事前調査が、検討期間を長くしている
ここは工場塗装の営業で見落とされがちな要素です。
石綿の事前調査は、工事の規模や金額にかかわらず、すべての解体・改修工事で義務です(石綿障害予防規則)。よく言われる「請負代金100万円以上」は、調査そのものではなく調査結果を報告する義務の閾値です(解体は床面積80㎡以上、改修は請負代金100万円以上)。
塗装会社にとって直接効いてくるのは、次の2つです。
- 石綿含有仕上塗材:2006年9月以前に着工した建築物では、既存の仕上塗材に石綿が含まれている可能性があります。ディスクグラインダー等で除去する工事は作業場の隔離が義務になります。外壁の塗り替えでも、下地の状態次第で工程がまったく変わります。
- 工作物の有資格者調査:建築物は2023年10月1日から、工作物は2026年1月1日から、有資格者による事前調査が義務になりました。反応槽・加熱炉・ボイラー・圧力容器・配管設備・貯蔵設備といった設備は「工作物石綿事前調査者」の資格が必要な区分です(煙突などは建築物の調査者でも可)。
つまり、古い工場やプラント設備の塗装は、調査から入るため検討期間が長くなります。裏を返せば、工事の直前に飛び込んでも入れない代わりに、早く声をかけておけば競合が少ない案件だということです。
KOKONATSの場合:担当者がつかまらない相手には、最大6回まで架電するルールで運用しています。一度で判断せず、断られた相手も追客データとして蓄積し、時期を変えて再アプローチする設計です。工場塗装のように「動く時期が決まっている商材」では、この追客の仕組みがそのまま受注につながります。
5. なぜKOKONATSが工場・設備系の営業を任されるのか
■ 工場の現場の話ができる
建築・設備分野の営業支援を長く手がけてきたため、ケレン(素地調整)から下塗り・中塗り・上塗りまでの工程、膜厚の管理、折板屋根と波型スレートの違い、エポキシ塗床とライン引き、鋼構造物の重防食塗装といった話が通じます。相手が保全担当者だったときに、会話が途中で止まりません。
■ 営業社員を採用する前に、市場を試せる
工場塗装の営業は、成果が出るまでに時間がかかる仕事です。しかも、どの層が反応するかは会社ごとに違います。どの層が反応するかを、採用の前に外部で確かめられる——これが営業代行を使う意味です。有望な層が分かってから採用すれば、採用した人が空回りしません。
■ 忙しい時期にも、接触を止めない
工事が動く時期の数か月前に接触しておく必要がある以上、営業は通年で切らせません。ところが現実には、繁忙期の社長は見積もりと現場対応に追われ、架電の手が止まります。止まった期間は、そのまま半年後の谷になります。外部に持たせれば、現場の忙しさと関係なく接触を継続できます。
6. 導入事例|工場の設備・保全部門を開拓してアポ率20.7%(設備工事の事例)
ターゲット①「工場を持つメーカーの設備・保全部門」を実際に開拓した事例です。滋賀県の工場設備工事業者様で、営業対象は大手メーカーの工場でした。
※この事例の商材は電気・空調・配管・製缶工事で、塗装工事ではありません。ただし当てている相手(工場の設備・保全部門)と、改修予算から出るという案件の性質は共通しています。
工場への営業がむずかしいのは、受付から先に進めないことです。代表番号にかけても、担当部署にすらつながらない。KOKONATSでは受付を突破し、各工場のキーマンへ直接つなぐアプローチを取りました。
結果は、アポ率20.7%。BtoBテレアポの平均アポ率が0.5〜3%とされる中での数字です。この会社様からは「自分でやっていたら5%くらいだった」という評価をいただき、案件も複数受注に至っています。
※アポ率はリスト・商材・時期・架電数によって大きく変動します。成果を保証するものではありません。
7. よくあるご質問(FAQ)
Q. 閑散期に営業をかけても、その場では仕事にならないのでは?
そのとおりです。工場の改修は予算と停止時期に紐づくため、電話でその場で決まることはまずありません。閑散期の架電は「数か月後に動く案件を、今のうちに拾っておく」ための仕込みです。KOKONATSでは断られた相手も追客データとして蓄積し、時期を変えて再アプローチします。
Q. 工場塗装の新規開拓は、まずどこからアプローチすべきですか?
これまでの施工実績が寄っている方向から始めるのが最短です。折板屋根や外壁の改修が中心なら工場の設備・保全部門と倉庫の運営会社、塗床やライン引きの経験が多いなら物流施設、重防食の実績があるならプラント・設備メーカーが近い相手になります。実績のない分野にいきなり当てると、話が進んだ後で失注につながりやすくなります。
Q. 下請けを切らずに、直請けを増やせますか?
増やせます。というより、切らないほうが現実的です。下請けは単価こそ上がりにくいものの物量が安定します。直請けを並行して増やし、売上構成比を少しずつ変えていく進め方をおすすめしています。
Q. 営業社員を採用するのと、営業代行に頼むのはどちらがいいですか?
最終的には自社に営業機能を持つほうが強くなります。ただし工場塗装は、どの層が反応するかが会社ごとに違います。先に外部で反応を確かめ、有望な層が見えてから採用する順番のほうが、採用の失敗が減ります。
8. まとめ:波は、腕ではなく仕事の構成で決まる
工場塗装の仕事に波があるのは、営業が下手だからではありません。気温と湿度、工場の操業カレンダー、元請けの受注状況——自社でコントロールできない要素が、そのまま繁忙期と閑散期を作っています。
逆に言えば、屋外と屋内の仕事を両方持ち、その両方を出してくれる相手を開拓できれば、谷は浅くなります。あとは、工事の数か月前という早い段階で、誰が接触を続けるか——現場が回っている会社ほど、ここを外部に持たせる価値があります。
KOKONATSの工場・施設分野の実績
- 滋賀 工場設備工事業者様(大手メーカー工場への開拓)/アポ率20.7%
- 兵庫県 省エネ商材施工会社様(ビル管理会社・LED施工会社への開拓)/アポ率9%
- 大阪府 建築物法定点検会社様(ホテル・老人施設・病院への開拓)/アポ率4.5%・アポの3分の1から受注
サービスの詳細はインサイドセールス代行のご案内をご覧ください。
「腕には自信がある。でも、営業に回す時間と人がいない」
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