防水工事の新規開拓|下請け単価から抜ける直請け4ルートと改修時期の読み方

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「単価は厳しい。でも断ったら、来月の仕事がなくなる」—これは切実な防水工事会社の社長の悩みです。

これは交渉が下手だからではありません。ゼネコンや改修工事会社の下請けから抜けられない最大の理由は、元請けが「いつ工事が起きるか」を握っているからです。仕事が発生するタイミングを相手が持っている限り、単価の話でこちらが強く出ることはできません。

結論を先に言えば、防水は改修の時期が読みやすい工種のひとつです。しかも漏水という形で問題が表に出るため、周期より前に相談が入ることもある。いつ工事が起きるかを自分で把握できれば、元請けを通さずに声をかける入口ができます。この記事では、当てるべき4つの相手と、時期の読み方を整理します。

こんなお悩み、ありませんか?

  • ゼネコンや改修工事会社からの下請けが、売上の大半を占めている
  • 単価を叩かれても、断れば来月の現場がなくなるので受けるしかない
  • 直請けを増やしたいが、そもそも誰に営業すればいいのか分からない
  • 雨漏りの緊急対応ばかりで、改修一式の大きな工事につながらない

ひとつでも当てはまるなら、それは貴社の営業努力が足りないからではなく、工事が起きるタイミングを、元請けだけが知っている構造だからです。

1. なぜ防水工事は下請けから抜けにくいのか

① 元請けが工事のタイミングを握っている

大規模修繕でも工場の屋根改修でも、動き出すのは発注者と元請けの間です。防水会社に声がかかるのは、すでに工期と予算が決まったあと。「安くやってくれるなら」という条件で入るしかないのは、遅れて呼ばれているからです。

② 防水は建物の一部でしかない

マンションの大規模修繕なら、足場・外壁・シーリング・鉄部塗装・屋上防水が一括で発注されます。発注者から見れば、まとめて任せられる相手のほうが楽です。防水だけを切り出して直接発注してもらうには、「防水だけを頼む理由」を相手側が持っている必要があります。

③ 新規業者が入るまでの手続きが長い

管理会社やビルオーナーの仕事は、見積もりを出す前の段階に壁があります。協力会社登録、与信審査、労災や保険の加入証明、安全書類の提出——ここを通らないと見積依頼すら届きません。

つまり、下請けから抜ける鍵は値段の交渉ではありません。元請けより先に工事のタイミングを知り、その前に登録を済ませておくことです。

2. 防水工事の販路開拓・営業手法4つと、向き・不向き

防水工事の新規開拓の手段は、大きく4つです。どれが正解かではなく、貴社の体制でどれが回るかで選びます。

手法 向いている場面 弱点
紹介・既存取引先の深掘り 一度入った建物は他の棟や次の周期につながる 紹介は既存の元請けの周辺に広がるため、下請け構造からは抜けにくい
Web集客・SEO・MEO 「屋上防水 改修」「雨漏り 修理 ◯◯市」で自分から探している担当者を拾える 緊急の補修依頼が中心になりやすい。改修一式を取るには施工事例と対応エリアの発信が要る
公共入札(官公庁・学校・公営住宅) 元請けとして受注でき、実績が信用になる 一定規模以上は入札参加資格と経営事項審査が必要。価格競争にもなりやすい
テレアポ・インサイドセールス 当てる先と時期を自社で選べる。周期から逆算して先回りできる 現場が忙しいと架電が止まる。外注する場合はノウハウが社内に残りにくい

紹介は確度が高い一方で、下請けから抜けるという目的には向きません。紹介の輪は既存の元請けの周辺に広がるからです。

Web集客・MEOは自分から探している人を拾えますが、防水の検索は「いま漏っている」という緊急性の高いものになりやすい傾向があります。改修一式につなげたいなら、Googleビジネスプロフィールの整備に加えて、施工事例に建物種別と地域名を入れる、対応エリアのページを作るといった手当てが要ります。

公共入札は元請けになれる有力なルートです。軽微な建設工事を除く公共工事を直接請け負うには経営事項審査が必要ですが、自治体によっては少額の修繕を対象にした登録制度があり、経審が不要な場合もあります。まずお住まいの自治体の要項を確認してみてください。

そして、工事が起きる時期から逆算してこちらから先に声をかけられるのが、テレアポ・インサイドセールスです。この手法だけが「誰に・いつ当てるか」の設計を必要とします。

3. 下請けから抜ける新規開拓|直請けを狙う4つの相手

「新規開拓」を漠然と考えると手が止まります。防水工事を発注しているのは誰か——ここから逆算すると、当てるべき相手は4つに絞れます。

相手 取れる工事 立ち上がりと注意点
工場・倉庫のオーナー・管理部門 陸屋根の改修、折板屋根の防水、雨漏り対応 もっとも直請けになりやすい。所有者がそのまま決裁者で、防水だけを切り出して発注する動機がある。工場が止まる時期に工期を合わせる必要がある
ビル管理会社・不動産管理会社 屋上防水の改修、共用廊下・バルコニーの床防水 複数物件を抱えており、入れれば横に広がる。ただし協力会社登録と与信が先で、登録前は見積依頼が来ない
マンション管理会社・管理組合 中間期の部分補修、漏水対応、大規模修繕の協力会社枠 大規模修繕本体は設計監理方式で発注されることが多く、防水単独では入りにくい(後述)
ゼネコン・改修工事会社 下請け(防水工事一式) 単価は上がりにくいが物量が安定する。切る必要はなく、上の3つを増やしながら構成比を変えていく

この4つのうち、もっとも直請けになりやすいのは工場・倉庫です。建物の用途が単純で、所有者がそのまま決裁者になり、防水だけを切り出して発注する動機があるからです。

一方、マンションの大規模修繕は金額こそ大きいものの、正直に書けば防水単独では入りにくい相手です。国土交通省の実態調査によれば、設計コンサルタントの業務は調査・診断から設計、施工会社選定への協力、工事監理までにおよびます。つまり管理組合はコンサルを先に選び、コンサルがまとめた仕様で施工会社を選ぶ流れが一般的で、そこに入っても結局は下請けになります。

管理会社・管理組合に対して現実的なのは、大規模修繕の枠外にある漏水対応と中間期の部分補修、そして管理会社や設計事務所の協力会社登録です。ここから入って、次の大規模修繕のときに名前が挙がる位置を取ります。

なお、ゼネコン・改修工事会社からの下請けを切る必要はまったくありません。営業コストをかけずに物量が入るからです。上の3つを並行して増やし、売上構成比を少しずつ変えていくほうが現実的です。

直請けにすると増える負担も、先に知っておく

元請けになると、下請けのときは元請けが持っていたものが自社に移ります。請負代金500万円以上の防水工事を直接請け負うには、防水工事業の建設業許可が必要です(建設業法第3条。500万円未満は軽微な建設工事として許可不要)。あわせて請負契約書の締結、契約不適合責任、工事保険、近隣対応、そして入金までの資金繰りも自社の仕事になります。

単価が上がるぶん、負う責任も増えます。ここを見ずに直請けだけ追うと、受注できたあとで苦しくなります。

4. いつ当てるか|防水の改修時期は読める

ここがこの記事の要点です。防水工事の営業は、リストの質と同じくらい「時期」が成果を左右します。

ただし先に断っておくと、時期の読みがそのまま直請けにつながるのは工場・倉庫です。ビル管理会社は登録が先で、時期を知っていても登録前は呼ばれません。管理組合は前章のとおり発注方式の壁があります。相手によって効き方が違う点は押さえておいてください。

① 前回いつ、どの工法で施工したかから逆算する(すべての相手)

もっとも確実な読み方です。防水の耐用年数は工法によって幅があります。アスファルト防水(露出工法)、塩ビシートの機械的固定工法、ウレタン塗膜防水の通気緩衝工法——それぞれ持ちが違うため、「築何年か」より「前回いつ、どの工法で施工したか」が分かれば、次がいつ来るかは読めます。ここは貴社の技術者のほうが正確に判断できるはずです。

② 長期修繕計画から逆算する(マンション・ビル)

国土交通省の「マンション大規模修繕工事に関する実態調査」は、12年程度の修繕周期で大規模な修繕工事を行うことが一般的としています。竣工年が分かれば、次がいつ来るかはおおよそ計算できます。

また「長期修繕計画作成ガイドライン」(令和6年6月改定)は、計画期間を30年以上かつ大規模修繕工事が2回含まれる期間以上とすることを求めています。管理組合には計画の実物があるので、周期は推測するより聞いたほうが早いということでもあります。

③ 12条定期報告のあとを狙う(ビル・店舗・ホテルなど)

建築基準法第12条にもとづく定期報告は、建物の所有者・管理者に義務づけられており、調査項目に屋上面や屋根の劣化状況が含まれます。報告の時期は建物ごとに決まっているので、そこから逆算して接触できます。

ただし対象は限られます。国が政令で一律に指定しているのは、不特定多数の者が利用する建築物と、高齢者等が就寝用途で利用する施設です。工場・倉庫は原則としてこの対象に入りません(特定行政庁が地域の実情に応じて対象を定める場合はあります)。工場・倉庫は①と④で読んでください。

④ 天候イベントと予算年度から読む

時期の読み方は3層あります。

  • 梅雨前・台風シーズン前:点検や予防の提案が通りやすい時期です。
  • 長雨・台風の直後:漏水が顕在化し、所有者側の関心がもっとも高くなります。ただしここで来るのは緊急の補修依頼が中心なので、改修一式につなげるには、それ以前から名前が入っている必要があります。
  • 予算要求期(おおむね9〜12月):工場・倉庫・ビル管理・公共は年度予算で動きます。ここで候補に入っていなければ、翌年度の工事は取れません。工事の時期ではなく、予算が決まる時期に当てるのが要点です。

5. なぜKOKONATSが防水・建築系の営業を任されるのか

① 工法と劣化の話ができる

建築・設備分野の営業支援を長く手がけてきたため、アスファルト防水(熱工法・トーチ工法)とシート防水、ウレタン塗膜防水の通気緩衝工法と密着工法の違い、立上りや笠木・ドレンまわりの納まり、下地の含水と脱気筒の役割といった話が通じます。相手が管理会社の技術担当だったときに、会話が途中で止まりません。

② 営業社員を採用する前に、市場を試せる

防水の営業は、時期を待つ期間が長い仕事です。しかも、どの層が反応するかは会社ごとに違います。それを採用の前に外部で確かめられる——これが営業代行を使う意味です。有望な層が分かってから採用すれば、採用した人が空回りしません。

③ 「次の周期まで待つ」相手を持ち続けられる

「うちは3年前にやったばかり」と言われた相手を、10年近く先まで覚えていられるでしょうか。社長ひとりで何十社も抱え続けるのは現実的ではありません。外部に持たせれば、現場の忙しさと関係なく、時期が来たときに接触を再開できます。

6. よくあるご質問(FAQ)

Q. 「うちは去年やったばかり」と断られたら、それで終わりではないですか?
むしろ逆で、いちばん価値のある返答です。次がいつ来るかが分かったということだからです。KOKONATSでは断られた相手も追客データとして蓄積し、時期を変えて再アプローチします。防水は時期が読める商材なので、この情報が積み上がるほど当てる精度が上がります。

Q. 防水工事で元請けになるには、何が必要ですか?
請負代金500万円以上の工事を直接請け負うには、防水工事業の建設業許可が必要です。あわせて、相手先の協力会社登録・与信審査・保険加入証明・安全書類の準備が実務上の入口になります。営業をかける前に、登録に必要な書類が揃っているかを先に確認しておくと、話が進んだときに止まりません。

Q. 防水工事の新規開拓は、まずどこからアプローチすべきですか?
これまでの施工実績が寄っている方向から始めるのが最短です。陸屋根や折板屋根の改修が中心なら工場・倉庫のオーナーと管理部門、大規模修繕の経験が多いならビル管理会社や管理会社が近い相手になります。実績のない建物種別にいきなり当てると、話が進んだ後で失注につながりやすくなります。

Q. 下請けを切らずに、直請けを増やせますか?
増やせます。というより、切らないほうが現実的です。下請けは単価こそ上がりにくいものの物量が安定します。直請けを並行して増やし、売上構成比を少しずつ変えていく進め方をおすすめしています。

Q. 営業代行の費用はどれくらいかかりますか?
一般的な相場として、アポイント課金型は1件1〜3万円、月額固定型は1人あたり月50〜70万円程度です。防水は時期を待つ期間が長い商材なので、短期のアポ数だけで判断せず、追客の設計まで含めて比較することをおすすめします。KOKONATSの料金はサービスページに掲載しています。

7. まとめ:下請けから抜ける鍵は、値段ではなく時期

防水工事で単価を叩かれるのは、営業が下手だからではありません。工事が起きるタイミングを元請けだけが知っていて、こちらは決まったあとに呼ばれているからです。

逆に言えば、防水は時期が読みやすい工種です。前回の施工時期と工法、長期修繕計画、12条定期報告、そして予算年度——これらから逆算すれば、元請けより先に声をかけることができます。「去年やったばかり」という返答さえ、次の時期を教えてくれる情報になります。

あとは、その時期を誰が記録し、来たときに誰が電話をかけるか——現場が回っている会社ほど、ここを外部に持たせる価値があります。

「施工の腕には自信がある。でも、営業に回す時間と人がいない」
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