「参考書を開くと3分で眠くなる。でも英語は続けたい」
「YouTubeで英語に触れろと言われるけれど、結局どの動画を見ればいいのか分からない」
英語の勉強は、内容の難しさより「続かないこと」で潰れます。楽しくないものを毎日やる、という前提そのものに無理があります。
その点、動画は強い味方になります。ただし世の中の「英語学習におすすめのYouTube」は、紹介された時点では良くても数年で使えなくなることが多いです。チャンネルが更新を止めたり、動画が非公開になったり、そもそも内容が別物に変わったりするからです。紹介記事の鮮度こそが、この分野でいちばん当てにならないというのが現実です。
この記事では、息抜きしながら英語に触れられるいたずら(Prank)系の動画7本を紹介します。あわせて2026年8月時点で各チャンネルが今どうなっているかを確認した結果と、YouTubeを英語学習に使うときの設定の使い分けをまとめます。
紹介する7本は今も再生できる。ただしチャンネルは動いていない
先に結論から書きます。下で紹介する動画は、7本とも2026年8月時点で問題なく再生できました。ただしチャンネルのほうは事情が変わっています。
| チャンネル | 最後の投稿 | 今の中身 | 英語の教材として |
|---|---|---|---|
| LAHWF | 2026年6月 | 対話・インタビュー中心 | ◎ 会話が長く聞き取りやすい |
| DanKhooProductions | 2026年8月 | 車・ライフスタイルのVlog | ○ マレーシア英語の練習に |
| JinnyboyTV | 2026年5月 | 旅行・体験系のVlog | ○ 台詞が減り会話中心に |
| BigDawsTv | 2025年12月 | 企画もの・ドッキリ | △ 更新が細っている |
| Stuart Edge | 2025年5月 | 短尺・過去作の再投稿が中心 | △ 実質は停滞 |
| Rémi GAILLARD | 2023年11月 | 「EPILOGUE」で以降更新なし | △ 台詞がほぼ無い |
| RomanAtwood(ドッキリ側) | 2016年4月 | 10年動いていない | × 実質休止 |
今も新作で追いかけられるのはLAHWFとDanKhooProductionsの2つ。残りは「作品として見る」割り切りが要ります。
ドッキリ系のジャンル自体が縮んだ面もあります。RomanAtwood本人が2025年に、ドッキリ動画は以前ほど再生が伸びないと公言しています。つまり動画は消えていないが、ジャンルとして旬を過ぎているというのが正確な状況です。
逆に言えば、本数が限られているぶん「見尽くす」ことができます。教材としては、終わりの見えない新作を追い続けるより扱いやすい面もあります。
アメリカ英語
■ BigDawsTv
字幕が付いているのでリスニングに使えます。自然な言い回しも拾えます。というのは建前で、単純に面白いです。
公共の場での掛け合いが中心なので、教科書には出てこない省略や相づちがそのまま入ってきます。ただし早口で被せ気味に話す場面が多く、初級の段階で字幕なしに挑むと折れます。
■ LAHWF
こちらもアメリカ人、変人です。初期の動画が面白いです。
Can you punch me in the face? と聞くときの前置詞は「in」だと、ここで覚えました。おかげでいつでも人に頼めます。
7本の中で、今いちばん学習に向いているのはこのチャンネルです。近年は道行く人に「子どもを持たないのは利己的か」といった問いを投げる対話動画が主軸で、1本の中で同じ話題が何度も繰り返されます。同じ語彙が角度を変えて出てくるので、聞き取りの練習としては相性がよいです。
■ Stuart Edge
マジシャンでもあります。人を驚かせて終わりではなく、最後に相手が笑って終わる、癒し系のいたずら動画です。
台詞がゆっくりで表情も大きいため、7本の中では聞き取りの負荷が最も低い部類です。
■ RomanAtwood
お金かけてます。
規模の大きい仕掛けが売りですが、このドッキリ用チャンネルの更新は2016年4月で止まっています。本人は別のVlogチャンネルで活動を続けているので、追いかけたい場合はそちらになります。
マレーシア英語
最初は何を言っているか分からないかもしれません。それでも不思議とそのうちに耳が慣れてきます。
■ DanKhooProductions
7本の中でいちばん動いているチャンネルです。ドッキリ企画から車やライフスタイルのVlogへ軸足が移りましたが、話しているのは変わらずマレーシアの英語です。
■ JinnyboyTV
マレーシアのコメディチャンネルとして知られた存在です。近年は作り込んだコントより、旅行や体験を撮ったVlogが中心になっています。
■ マレーシア英語のどこが違うのか
マレーシアの口語英語は、しばしばManglish(マングリッシュ)と呼ばれます。訛りが強いだけの英語ではなく、いくつかはっきりした特徴があります。
- 文末の小辞:lah、meh、hor、leh、ah。中でもlahが圧倒的に多く、意味は文脈と言い方で変わります。念押し、なだめ、あきれ、そのどれにもなります。
- 冠詞や前置詞が落ちる:I go market のように、英語の必須要素が省かれます。マレー語の語順や発想が下敷きになっています。
- can / cannot が万能:可否も依頼も承諾も、この2語でかなり片づきます。Can ah? — Can lah. で会話が成立します。
- 語彙の混在:マレー語・中国語系の方言・タミル語由来の単語が英語の文に混ざります。
注意点も書いておきます。Manglishは仲間内の言葉です。研究では民族を越えて通じる中立的な共通語として機能していると整理されていますが、それは私的な場面での話です。面接や商談でlahを多用すれば、砕けすぎた印象を与えます。聞いて分かるようにしておくのは有益、自分から真似するのは場面を選ぶ、が現実的な線引きです。
番外編
■ Rémi GAILLARD
英語関係ないです。むしろフランス人です。
台詞がほとんどなく、動きだけで見せる作りなので語学の教材にはなりません。息抜き用です。なお、このチャンネルは2023年11月に「EPILOGUE」と題した動画を最後に更新が止まっています。
YouTubeを英語学習に使うときの5つの設定
同じ動画でも、設定次第で学習効果はまったく変わります。ここは押さえておく価値があります。
1字幕は「あり」から始める
字幕は甘えではありません。英語音声に英語字幕を重ねた視聴が、リスニング理解と語彙の習得の両方に効くことは、複数の研究をまとめたメタ分析で報告されています。画面上の文字が、つながって聞こえる音の切れ目を教えてくれるためです。
順番としては、まず英語字幕ありで1回、次に字幕なしで1回。逆にすると、聞き取れなかった箇所が最後まで分からないまま終わります。
2再生速度を落とす、そして戻す
歯車マークから0.75倍にすれば、早口の掛け合いもかなり追えます。ただし落としたままにしないことです。実際の会話は等速で来ます。0.75倍で内容をつかみ、等速で聞き直すところまでを1セットにしてください。
3文字起こしを開いて検索する
多くの動画では説明欄の下から文字起こしを表示できます。テキストとして全体を眺められるので、聞き取れなかった一語を探すのに向いています。
4自動翻訳字幕に頼りすぎない
自動生成の字幕は年々精度が上がっていますが、発音の癖、方言、背景の騒音、固有名詞には今も弱いです。いたずら動画のように屋外で叫ぶ場面が多い素材では、誤りが混ざる前提で見てください。日本語の自動翻訳字幕は、そこからさらに機械翻訳を通すため誤差が二重になります。
5自動吹き替えはオフにする
YouTubeは音声トラックの多言語対応を進めており、2025年9月に全クリエイターへ開放され、2026年にはAIによる自動吹き替えの対象も大きく広がりました。便利な機能ですが、学習目的では逆効果です。日本語の音声に切り替わっていたら、設定から元の音声トラックに戻してください。
ドッキリ動画で英語は伸びるのか
正直に書きます。この手の動画は、英語学習の教材としては効率がよくありません。
1. 発話量が少ない
10分の動画でも、実際に話している時間は短く、効果音や無言の間が多くを占めます。
2. 語彙が偏る
驚き、怒り、謝罪。出てくる表現の幅が狭く、仕事や日常の会話にはそのまま持ち出せません。
3. 音が悪い
屋外撮影で風やノイズが乗り、字幕の精度も落ちます。
それでも勧める理由は一点だけです。続くからです。週5日15分の視聴を半年続けた人は、完璧な教材を3日で投げ出した人より確実に前に進んでいます。教材の質は、継続率を掛け算して初めて成果になります。
現実的な使い分けはこうなります。伸ばす練習は文法書と対話中心の動画で行い、いたずら動画は「英語から離れない日をつくらないための保険」として置く。この二本立てが結局いちばん長持ちします。
まとめ
紹介した7本は今も再生できます。一方で、チャンネルとして今も追いかける価値があるのはLAHWFとDanKhooProductionsの2つで、残りは過去作を楽しむ対象になっています。
大事なのはどのチャンネルを選ぶかより、字幕・速度・文字起こしをどう使うかです。字幕ありで1回、字幕なしで1回、分からなければ0.75倍。この手順さえ守れば、素材が何であれ聞き取りは前に進みます。
英語学習の方法そのものについては英語がペラペラな人が使っていた共通の学習方法、文法のやり直しには英会話に文法は不要、けど文法も学習しておきたい人のための参考書もあわせてどうぞ。



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