蓄電所O&Mの新規開拓|これから受けたい会社へ

蓄電所O&Mの新規開拓。屋外に並ぶコンテナ型の系統用蓄電池ユニットと、点検する技術者

「太陽光のO&Mはずっとやってきた。蓄電所の話も出てきたが、どこに当てればいいのか分からない」—再エネのO&Mを手がける会社がよく感じる悩みです。

蓄電所(系統用蓄電池)は、この1〜2年で一気に案件が動き出した領域です。ところが受注のルートが、太陽光のときと同じではありません。発注者が違い、求められる体制も違い、そもそも「誰が持っている案件なのか」が外から見えにくい。

結論を先に言えば、蓄電所O&Mの新規開拓で決まるのは「運転開始の前に接点を持てているか」です。運開してから探される仕事ではなく、建てる計画の途中で委託先が決まる仕事だからです。

この記事では、太陽光O&Mとの違いを整理したうえで、当て先を4つに分け、いつ当てるかを制度のスケジュールから逆算します。

こんなお悩み、ありませんか?

  • 太陽光のO&Mで積み上げた体制を、蓄電所にも使いたいが入口が分からない
  • 蓄電所の案件がどこで動いているのか、外から見えない
  • 蓄電所のO&M実績がまだない。そこを聞かれると止まってしまう
  • 新規に当てる役が社内にいない。技術者はいても、電話をかける人がいない

ひとつでも当てはまるなら、それは貴社のせいではなく、蓄電所のO&Mが、運転開始より前に決まってしまう仕事だからです。

1. 蓄電所のO&Mは、太陽光O&Mの延長ではない

同じ再エネ設備でも、現場で要求されるものが違います。

項目 太陽光発電所 蓄電所(系統用蓄電池)
稼働時間 日中のみ 昼夜を問わず充放電する。24時間365日の監視が前提
最大のリスク 出力低下、盗難、飛散 リチウムイオン電池の熱暴走・火災
設備トラブルの中心 パネル、パワコン、ケーブル エアコン・冷却水などの温調系
性能管理 発電量の推移 SOH(健全度)のモニタリングと劣化管理
止まったときの損失 発電できなかった分 市場取引が止まる。インバランスの発生につながる

つまり、太陽光のO&Mで積み上げた巡視・点検の体制はそのまま資産になりますが、それだけでは足りません。足りない部分をどう埋めるかまで言えるかどうかが、最初の接点で問われます。

2. いま、蓄電所で何が起きているか

制度上、蓄電所は「発電事業」になった

2023年4月1日に施行された改正電気事業法により、接続最大電力のうち小売電気事業・一般送配電事業などに供する分の合計が10,000kWを超える蓄電所は、発電事業として扱われるようになりました。該当する場合、事業開始までに発電事業の届出が必要です。

規模が上がると、手続きと保安体制が増える

  • 発電事業の届出……上記に当たる場合(10,000kW超)
  • 工事計画の届出/使用前自主検査/使用前安全管理審査……出力1万kW以上、または容量8万kWh以上の蓄電所
  • 電気主任技術者の選任……自家用電気工作物として必要。一定の条件では外部委託が認められる
  • 保安規程の届出……同上

つまり、規模が上がるほど手続きと保安の負担が増える構造です。ここを誰が見るのかが、そのままO&Mの委託範囲になります。

消防の基準も、2024年1月に変わった

火災予防条例(例)の蓄電池設備に関する基準が見直され、2024年1月1日に施行されました。

  • 規制の単位が「Ah・セル」から「kWh」に変わった
  • 20kWhを超える蓄電池設備が届出の対象。10kWh以下は対象外、10kWh超〜20kWh以下は消防庁長官が定める出火防止措置が講じられていれば対象外
  • 屋外設置の場合、消防庁長官が定める延焼防止措置が講じられていれば、建築物からの離隔距離が不要になった

電気事業法と消防法の両方がかかる設備だということが、O&Mの委託先選定をむずかしくしています。そしてこれは、片方しか分からない会社が入れない理由でもあります。

参入は、すでに始まっている

太陽光発電所O&Mの国内最大手が、蓄電池O&M事業への本格参入を発表しています。同じことを考えている会社が、いま動いているということです。

実績がないから待つ、という判断がいちばん高くつく局面です。最初の1件を取った会社が、次からは実績で選ばれます。

3. 当て先は4つ

当て先 この相手が抱えているもの 当てるときの特徴
蓄電所の開発事業者・オーナー 発電事業者としての義務そのもの。届出、保安規程、主任技術者の確保 O&Mの発注者そのもの。ただし運転開始前に委託先を決めるので、時期を外すと入れない
アグリゲーター・電力小売 市場で蓄電池を回す側。設備が止まるとインバランスにつながる 止まった時間がそのまま損失になるため、復旧の速さに価値を置く
EPC・蓄電池メーカー 建てるところまでは持つが、その後の運用まで自社で抱えたくない いちばん立ち上がりが早い。立場は外注側になるが、案件が続く
土地オーナー・地方の事業会社 自社の土地に蓄電所を置いたが、運用の人手がない 数は少ないが、相談先を持っていないことが多い

どこから手をつけるか

いちばん早いのはEPC・蓄電池メーカーです。建てた後の運用を外に出す動機がはっきりしていて、技術の話がそのまま通じます。1社と組めば、その会社が建てる案件が続きます。

いちばん大きいのは開発事業者・オーナーですが、運転開始の前に委託先が決まってしまうため、時期が合わないと話にすらなりません。次の章で、その時期を逆算します。

4. 相手が本当に心配しているのは「止まったとき、誰が来るのか」

蓄電所O&Mに求められる5つの機能

  • 安全性の確保… 火災・感電のリスクに対し、消防設備や監視センサーを点検する
  • 性能の維持… 充放電の繰り返しによる劣化に対し、温度管理とSOHのモニタリングを行う
  • 稼働の監視… 遠隔監視で異常値や故障の兆候を検知する
  • 定期点検・予防保全… 巡視と年次点検、寿命部品の計画的な交換
  • 障害対応と復旧… 現地に行き、止まっている時間を短くする

委託先を選ぶとき、発注者が見ている4点

電気事業法と消防法の両方を分かっている人がいるか
24時間365日の遠隔監視と、緊急時の現地対応を自社の体制でやれるか
アグリゲーターと連携でき、障害時のインバランスまで話ができるか
これまでに何件を管理してきたか

この4つのうち、①②③はいまの体制で答えられるかどうかの話です。④だけが、実績のない会社にとって壁になります。

実績がないことを、どう扱うか

ここは正直に扱うほうが早く進みます。蓄電所のO&M実績がないことは、隠しても最初の打ち合わせで分かります。

代わりに言えることがあります。太陽光O&Mで何か所を管理してきたか。電気主任技術者を何名抱えているか。年次点検と巡視の体制がどうなっているか。夜間・休日の駆けつけを実際にやった実績があるか。蓄電所固有の部分(温調・SOH・消防法)については、どこを自社で持ち、どこをメーカーや協力会社と組むのかを先に言う。

後から「そこはできません」と分かるほうが、心証を悪くします。

5. いつ当てるか|制度のスケジュールから逆算する

蓄電所のO&Mは、運転開始のときには委託先が決まっています。だから当てる時期は、その手前になります。

当てる時期の目安
使用前自主検査・保安規程の準備期 … 主任技術者と保安体制を固める段階。ここが本命
オークションの落札から運転開始までの期間 … 事業が確定し、運用の検討が始まる
既存のO&M契約の更新期 … 1年目を回してみて、体制を見直す会社がある
年次点検の前 … 現行の委託先で足りているかが表に出る時期

ただし、どの蓄電所がいつ運転開始するかを、外から正確に知る方法はありません。公表されている情報だけでは足りません。だからこそ、運開の前に一度接触しておき、決まる時期に思い出してもらう形にするほうが現実的です。

6. 手法の比較|蓄電所O&Mの場合

手法 当てる相手と時期を自分で決められるか 蓄電所で使うときの注意
既存の太陽光O&M客への案内 いちばん決まりやすいが、蓄電所を持っている客が何社いるかで上限が決まる
展示会(スマートエネルギーWeek等) △(時期は主催者が決める) 当て先が集まる。会期後に戻す動きがないと名刺で終わる
Web・SEO ✕(相手が探しに来るのを待つ) 資産になる。ただし探し始めた時点では候補が絞られていることが多い
テレアポ・インサイドセールス 事業者・EPC・アグリゲーターを名指しで絞れる。SOHや保安規程の話が通じる担当でないと、その場で切られる

表の左側が、相手と時期を自分で決められる手段かどうかです。既存客・展示会・Webは「待ち」の手段で、当てる相手と時期を自分で決められるのはテレアポとインサイドセールスだけです。おすすめは、Webと展示会で見つけてもらう入口を保ちながら、能動的に当てる線を1本持っておく二本立てです。

7. 断られた相手を、どう残すか

蓄電所O&Mの新規開拓では、一次回答のほとんどが「いまは検討していません」または「もう委託先が決まっています」になります。

これは「いらない」ではなく「いまではない」です。O&Mは契約更新のある仕事で、1年目を回したあとに体制を見直す会社があります。ここを一度きりの結果として捨てると、更新のタイミングに名前が残っていません。

KOKONATSの場合:担当者につながらない相手には最大6回まで架電するルールで運用しています。また、断られた相手は追客データとして蓄積し、時期を変えて再アプローチします。原状回復の支援では、この積み上げからアポ率14.0%を記録しています。

8. 費用の考え方|相場と、KOKONATSの料金

営業代行の市場相場は、BOXILの主要34サービス調査で月額の中央値が約27万円、初期費用の中央値が約16万円、成果報酬はアポ1件あたり1万5,000〜2万円とされています。なお、料金を公開しているのは34社中9社だけです。

KOKONATSが料金を出しているのは、安さの訴求ではありません。検討はその場で決まらず、社内に持ち帰って稟議に載せるものだからです。金額がなければ、資料そのものが作れません。

プラン 月額(税抜) 対象社数
100社開拓プラン 80,000円 100社
200社開拓プラン 140,000円 200社
300社開拓プラン 190,000円 300社
見込み客フォローアップ特化プラン 80,000円 100社(枠)
初期費用 0円 全プラン共通

コールリスト作成は100社あたり18,000円です。【見込み客フォローアップ特化プラン】は、展示会やWebの問い合わせ・資料請求で名前が分かっている相手を、半年から1年かけて追い続けるためのプランです。「100社」は名簿の数ではなく、同時に追い続ける枠の数を指します。確度が低いと分かった先は枠から外し、空いた枠に次の候補を入れます。外した理由は毎月のレポートで返します。なお、このプランはアポインセンティブ・コールリスト作成・契約インセンティブの対象外です。

蓄電所のように、相手が動く日をこちらで決められない商材では、1回当てて終わりにしないことが、そのまま成果につながります。

9. まとめ

  • 蓄電所O&Mは太陽光O&Mの延長ではない。24時間稼働/熱暴走/温調/SOH/インバランスの5点が違う
  • 制度上、10,000kW超の蓄電所は発電事業(2023年4月1日施行)。1万kW以上または8万kWh以上で工事計画届・使用前自主検査・使用前安全管理審査。消防は2024年1月1日施行で20kWh超が届出対象
  • 当て先は4つ。開発事業者・オーナー/アグリゲーター・電力小売/EPC・蓄電池メーカー/土地オーナー・地方の事業会社。立ち上がりが早いのはEPC
  • 委託先は運転開始の前に決まる。当てるのは使用前自主検査・保安規程の準備期
  • 実績がないことは先に言う。太陽光O&Mの体制と、蓄電所固有の部分をどう埋めるかをセットで出す

KOKONATSでは、建築・設備・エネルギー分野に特化した営業代行・インサイドセールスを行っています。ターゲットの選定からリスト作成、アポイント獲得、断られた相手の追客までを一貫してお引き受けします。

運転開始のニュースを見てから電話をかけると、そのときにはもう委託先が決まっています。

初期費用0円。料金・支援の流れはこちらから。

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よくある質問

蓄電所のO&M実績がなくても、開発事業者に当てて意味がありますか?

あります。ただし最初に実績がないことを言ってください。発注者が見ているのは実績だけではなく、電気事業法と消防法の両方を分かっている人がいるか、24時間365日を自社体制でやれるか、の3点が先にあります。そこを満たしていれば、実績は「太陽光O&Mで何か所」という形で置き換えて話せます。

電気主任技術者は自社で抱えていないと受けられませんか?

蓄電所には電気主任技術者の選任が必要で、一定の条件では外部委託も認められています。ただし、誰が監督するのかを明確に答えられないと、そこで話が止まります。自社で抱えるのか、誰と組むのかを先に決めておいてください。

当て先のリストは、どう作ればいいですか?

蓄電所は「どこに、いつできるか」が外から見えにくい設備です。一方で、EPC・蓄電池メーカー・アグリゲーターは社名がはっきりしています。まずそちらを押さえ、そこから案件の流れをつかむほうが、開発事業者を直接追うより現実的です。

太陽光のO&M客に案内するだけでは足りませんか?

足りる場合もあります。ただし上限は「蓄電所を持っている既存客が何社いるか」で決まります。それ以上を取りにいくなら、既存客の外に当てる線が別に必要です。

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