土木工事の新規開拓|4〜6月の谷を、民間の仕事で埋める

土木工事の新規開拓。工場・倉庫の構内で側溝整備を行う作業員とバックホウ

「年度末は人も重機も足りない。それが4月になると、ぱたっと止まる」——公共工事を中心にやってきた土木会社がよく感じる悩みです。

仕事がないわけではありません。年間で見れば忙しい。ただ、忙しい時期と暇な時期の差が大きすぎて、人も重機も年間で回らない。閑散期に合わせて人を減らすわけにもいかず、繁忙期は外注に頼ることになります。

結論を先に言えば、この波は貴社の営業力の問題ではありません。公共工事の発注が年度に縛られているために起きている、構造の問題です。そして国が出している数字を見ると、どれくらい偏っているかがはっきり分かります。

この記事では、その数字を確認したうえで、民間の土木をどこから取るか、いつ当てるかを整理します。

こんなお悩み、ありませんか?

  • 年度末は手が足りないのに、4月から6月は現場が空く
  • 入札だけだと、技術や対応力ではなく価格で比べられる
  • 民間の仕事を増やしたいが、どこに声をかければいいのか分からない
  • 新規に当てる役が社内にいない。現場と書類で手一杯になっている

ひとつでも当てはまるなら、それは貴社のせいではなく、公共工事の発注が年度で動いていて、その波がそのまま会社の波になっているからです。

1. 波の正体は、数字で確認できる

平準化率という指標がある

総務省と国土交通省が、公共工事の発注の偏りを測る指標を公表しています。平準化率といい、次の式で計算されます。

平準化率(件数)=(4〜6月期の月平均工事稼働数)÷(年間の月平均工事稼働数)

1.00に近いほど年間で均されている、という意味です。そして令和6年3月に公表された調査では、こうなっています。

発注者 平準化率(全国平均) 意味
都道府県 0.80 4〜6月の稼働が、年平均の8割
市区町村 0.58 4〜6月の稼働が、年平均の6割を切る

地域差もあります。ブロック別では中国が0.68でいちばん高く、中部が0.51でいちばん低い。沖縄は0.69です。

つまり、閑散期は自社のせいではない

市区町村の工事を主にやっている会社ほど、4〜6月に仕事が4割以上減る計算になります。これは営業をがんばれば消える波ではありません。発注する側の年度の都合で起きています。

国も債務負担行為の活用や余裕期間の設定などで平準化を進めていますが、それが自社の地域と発注者に効いてくるのを待っているあいだも、毎年4月は来ます。

波をなくすのではなく、波の谷に入る仕事を別に持つ。それが民間の土木です。

2. 民間の土木は、どこから入ってくるか

当て先 出る工事 この相手の特徴
工場・倉庫を持つ事業会社 構内舗装の打ち替え、排水・側溝、擁壁、ヤードの造成、重量物の基礎 年度に縛られない。操業を止めずにやる必要があるため、工期の組み方で選ばれる。1社に入れば繰り返し出る
ゼネコン・建設会社(民間工事の下請け枠) 建築工事に付随する造成、地盤改良、外構土木、仮設 図面と工程の話がそのまま通じる。立ち上がりは早いが、立場は下請けになる
不動産デベロッパー・土地オーナー 開発の造成、解体後の整地、進入路、調整池 いちばん上流。企画段階から入れれば大きいが、実績を求められる度合いが高い
太陽光・蓄電所の開発事業者 用地の造成、基礎、進入路、排水、フェンス 案件が全国に散る。地元に強い会社ほど、現地対応できる相手として探されている

どこから手をつけるか

いちばん早いのはゼネコン・建設会社の民間工事の下請け枠です。相手が土木の言葉で話せるので、説明が要りません。ただし立場は下請けになり、単価は元請けより下がります。

いちばん効くのは工場・倉庫を持つ事業会社です。理由は3つあります。年度に縛られないこと、操業を止められないので工期の組み方で選ばれること、そして敷地がある会社は、舗装も排水も擁壁も繰り返し出ることです。1社取れば終わりではなく、1社取れば続く相手になります。

3. 公共と民間は、取り方がまったく違う

同じ土木でも、受注までの道すじが別物です。ここを同じやり方でやろうとすると、うまくいきません。

項目 公共工事 民間工事
仕事の見つけ方 入札の公告。探せば見つかる 公告は出ない。相手が困ったときに声がかかる
選ばれ方 価格と、経営事項審査や格付といった資格 工期の組み方と、現場の進め方。操業を止めない段取りが評価される
動く時期 年度に完全に連動する 相手の都合で動く。年度とは無関係
書類 決められた様式が大量にある 相手ごとに違う。簡素なことも、社内規程で厳しいこともある
つながり方 資格を取れば、同じ土俵に立てる 資格では入れない。先に名前を知ってもらう必要がある

いちばん大きい違いは最後の行です。公共は「資格を整えれば土俵に立てる」世界ですが、民間は資格では入れません。困ったときに思い出してもらえるかどうかで決まります。

4. 民間で最初に出すもの

公共の実績は、そのままでは伝わらない

「県道の改良工事を何件」と言っても、工場の総務や設備の担当者には規模感が伝わりません。相手が知りたいのは、自分の敷地でできるかどうかです。

先に言えると強いこと(例)
操業を止めずに施工できるか(夜間・休日の対応)/構内に重機を入れるときの段取り/舗装なら一度に打てる面積と、養生にかかる日数/残土の処分先を自社で持っているか/保有重機の種類とサイズ/対応できるエリアと、現場までの距離/急ぎのときにどれくらいで行けるか

順番としては、こちらが先です。技術や実績の話は、相手が「うちでもできそうだ」と思ったあとで効きます。

5. いつ当てるか

民間の土木は、相手の都合で始まります。ただ、こちらが動ける時期のほうは決まっています。

当てる時期の目安
・4月から6月……公共の閑散期。人も重機も空いていて、こちらがいちばん動ける時期。市区町村の平準化率0.58が示しているのは、まさにここ
・相手の予算編成期……工場や倉庫の修繕予算が決まる前
・台風や大雨のあと……排水や法面の相談が出る時期
・建築の計画が動いたとき……造成と外構土木は、建物より前に決まる

ただし、どの会社がいつ敷地に手を入れるかを、外から正確に知る方法はありません。だからこそ、閑散期のうちに当てておき、必要になったときに思い出してもらう形にするほうが現実的です。

年度末に営業する時間はありません。だから、動ける4月から6月に何をしたかで、翌年の波が決まります。

6. 手法の比較|民間の土木を取る場合

手法 当てる相手と時期を自分で決められるか 土木で使うときの注意
入札(公共) ✕ 資格があれば土俵に立てるが、年度の波はここから生まれている
紹介・既存の深掘り ✕ 決まりやすいが、件数を自分で増やせない
Web・SEO ✕(相手が探しに来るのを待つ) 「地名+土木」で探される。ただし探し始めた時点では、すでに2〜3社に声がかかっている
マッチングサイト ✕ 案件は見えるが、並んだ時点で価格の比較になりやすい
テレアポ・インサイドセールス ◯ 業種・規模・エリアで絞れる。残土や重機の話が通じる担当でないと、その場で切られる

表の左側が、相手と時期を自分で決められる手段かどうかです。入札・紹介・Web・マッチングは「待ち」の手段で、当てる相手と時期を自分で決められるのはテレアポとインサイドセールスだけです。おすすめは、入札と紹介を続けながら、閑散期に動かせる線を1本持っておく形です。

7. 断られた相手を、どう残すか

民間の土木では、一次回答のほとんどが「いまは予定がありません」になります。

これは「いらない」ではなく「いまではない」です。舗装の打ち替えも、排水の改修も、擁壁の補修も、数年に一度しか出ません。ここを一度きりの結果として捨てると、その敷地で次に工事が出る日に、名前が残っていません。

KOKONATSの場合:担当者につながらない相手には最大6回まで架電するルールで運用しています。また、断られた相手は追客データとして蓄積し、時期を変えて再アプローチします。原状回復の支援では、この積み上げからアポ率14.0%を記録しています。

8. 費用の考え方|相場と、KOKONATSの料金

営業代行の市場相場は、BOXILの主要34サービス調査で月額の中央値が約27万円、初期費用の中央値が約16万円、成果報酬はアポ1件あたり1万5,000〜2万円とされています。なお、料金を公開しているのは34社中9社だけです。

KOKONATSが料金を出しているのは、安さの訴求ではありません。検討はその場で決まらず、社内に持ち帰って稟議に載せるものだからです。金額がなければ、資料そのものが作れません。

プラン 月額(税抜) 対象社数
100社開拓プラン 80,000円 100社
200社開拓プラン 140,000円 200社
300社開拓プラン 190,000円 300社
見込み客フォローアップ特化プラン 80,000円 100社(枠)
初期費用 0円 全プラン共通

コールリスト作成は100社あたり18,000円です。【見込み客フォローアップ特化プラン】は、一度接触したものの今期の工事にならなかった相手を、半年から1年かけて追い続けるためのプランです。「100社」は名簿の数ではなく、同時に追い続ける枠の数を指します。確度が低いと分かった先は枠から外し、空いた枠に次の候補を入れます。外した理由は毎月のレポートで返します。なお、このプランはアポインセンティブ・コールリスト作成・契約インセンティブの対象外です。

数年に一度しか工事が出ない敷地を相手にする以上、1回当てて終わりにしないことが、そのまま成果につながります。

9. まとめ

  • 年度の波は営業力の問題ではない。市区町村の平準化率は全国平均0.58で、4〜6月の稼働が年平均の6割を切る(都道府県は0.80)
  • 波をなくすのではなく、波の谷に入る仕事を別に持つ。それが民間の土木
  • 当て先は4つ。工場・倉庫を持つ事業会社/ゼネコン・建設会社の民間下請け枠/デベロッパー・土地オーナー/太陽光・蓄電所の開発事業者
  • 公共は資格で土俵に立てるが、民間は資格では入れない。先に名前を知ってもらう必要がある
  • 最初に出すのは工事実績ではなく、操業を止めずにやれるか、重機をどう入れるか、残土をどうするか
  • 当てるのは4月から6月。年度末に営業する時間はない

KOKONATSでは、建築・土木・設備分野に特化した営業代行・インサイドセールスを行っています。ターゲットの選定からリスト作成、アポイント獲得、断られた相手の追客までを一貫してお引き受けします。

閑散期に動かなかった年は、翌年も同じ波が来ます。

初期費用0円。料金・支援の流れはこちらから。

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よくある質問

公共の比率を下げるべき、という話ですか?

いいえ。公共は安定した柱ですし、経営事項審査や格付を積み上げてきた価値は下がりません。この記事で言っているのは、公共を減らすのではなく、4〜6月の谷を埋める仕事を別に持つということです。

民間の実績がありません。それでも当てられますか?

当てられます。ただし最初に工事実績を並べないでください。相手が知りたいのは「自分の敷地でできるか」です。保有重機、対応エリア、操業を止めない段取り、残土の処分先——ここが答えられれば、公共しかやってこなかった会社でも話は進みます。

地元だけで当てたほうがいいですか?

土木は現場までの距離がそのまま原価になるので、エリアを絞るのは正しい判断です。ただし太陽光や蓄電所の開発事業者は本社が都市部にあり、現場は地方にあります。本社の所在地ではなく、現場の所在地で絞ると当て先が変わります。

現場の言葉が分からない担当者でも架電できますか?

できますが、続きません。路盤、転圧、法面、擁壁、側溝、残土処分、養生期間、丁張り——こうした言葉が出たときに話が止まると、その時点で相手は「分かっていない」と判断します。KOKONATSでは、土木まわりの言葉を理解したうえで架電する形をとっています。

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