
「新しい取引先を開拓しないといけないのは分かっている。でも、その時間がない」——内装工事会社の社長から、よく聞く言葉です。
これは腕の問題ではありません。軽鉄下地(LGS)を組み、ボードを貼り、クロスと造作まで一通り納められる会社ほど、下請けとして重宝されます。重宝されるからこそ元請けからの発注で日程が埋まり、営業に回す時間がなくなる——この構造が、内装工事業の新規開拓を止めています。
時間がない中で成果を出すには、当てる先を絞るしかありません。結論を先に言えば、直請けを増やす鍵は「誰に、いつアプローチするか」を工事区分から逆算することです。この記事では、新規開拓の手法を整理したうえで、当てるべき相手とタイミングを具体的に示します。
こんなお悩み、ありませんか?
- 新規取引先を開拓しないといけないと思いつつ、現場が優先で後回しになっている
- ゼネコンや内装元請けからの下請けが、売上の大半を占めている
- 単価を上げたいが、下請けの立場では交渉のテーブルにつけない
- 直請けを増やしたいが、そもそも誰に営業すればいいのか分からない
ひとつでも当てはまるなら、それは貴社の営業努力が足りないからではなく、内装工事という商材が「発注者が誰なのか分かりにくい」構造を持っているからです。
1. なぜ一般的な営業代行・集客支援が内装工事で通用しないのか
① 工事区分の話が通じない
テナントビルの工事は、A工事・B工事・C工事に分かれます。A工事はビルオーナーが費用を負担し、オーナー自身が発注する建物本体・共用部の工事。B工事は費用をテナントが負担しますが、発注・契約はビルオーナーが行い、オーナーの指定業者が施工します。C工事は費用の負担も業者の選定・発注も、テナント自身が行う工事です。
なお、A工事・B工事・C工事は法令上の用語ではなく、賃貸借契約に付随する「工事区分表」で物件ごとに定められる商慣習上の区分です。線引きは物件によって違います。
つまり、テナントから直接受注できる可能性があるのはC工事、「指定業者リストに載る」ことで取りにいくのがB工事です。ただしC工事も、着工前にビルオーナー・管理会社の承認が必要なのが通例です。この区分を知らずに電話をかけると、相手が「うちは指定業者しか使えない」と答えた時点で話が終わります。区分を知っていれば、指定業者登録の窓口はどこか、C工事の範囲はどこまでか、という事実確認へ話を進められます。
② 「どこまで一式で請けられるか」が問われる
内装仕上工事業の建設業許可を持っていても、電気工事・管工事・消防施設工事は別の業種区分です。さらに電気工事は建設業許可とは別に電気工事業法にもとづく登録が必要で、施工には電気工事士の資格が要ります。消防設備なら消防設備士です。「一式で請けます」と安請け合いできない理由がここにあります。
ちなみに、1件の請負代金が500万円未満(建築一式工事は1,500万円未満)の軽微な建設工事であれば、建設業許可そのものは不要です(建設業法第3条第1項ただし書)。相手からよく確認されるのは「どこまで一括で任せられるか」です。ここを整理せずに営業をかけると、話が進んだ後で分離発注になり、利益率の低い部分だけが残ります。
③ 案件が動くタイミングが読めない
内装工事は、相手の都合で突然動きます。移転が決まった、出店が決まった、退去が決まった——このタイミングを外すと、どれだけ良い会社でも「次の機会に」で終わります。KOKONATSでは、案件の有無を聞いて終わりにせず、案件が発生する前に名前を覚えてもらうことを目標に置いています。
2. 内装工事の新規開拓、4つの手法と向き・不向き
まず前提として、内装工事の新規開拓・集客の手段は4つに整理できます。どれが正解かではなく、貴社の体制でどれが回るかで選びます。
| 手法 | 向いている場面 | 弱点 |
|---|---|---|
| 紹介・既存取引先の深掘り | すぐ動く。単価も落ちにくい | 自社の意思で件数を増やせない |
| Web集客・SEO | 中長期で問い合わせが積み上がる | 成果まで半年〜1年かかる。内装は指名検索が起きにくい |
| マッチングサイト | すぐに案件情報へ触れられる | 相見積もり前提で価格競争になりやすい |
| テレアポ・インサイドセールス | ターゲットと時期を自社で選べる | 現場が忙しいと架電が止まる。外注する場合はノウハウが社内に残りにくい |
紹介とWeb集客は、自社で件数をコントロールできないという共通の弱点があります。「今月から件数を増やしたい」「狙う相手を自分で決めたい」場合に残る選択肢は、テレアポ・インサイドセールスです。そして、この手法だけが「誰に、いつ当てるか」の設計を必要とします。
3. 工事区分から逆算する|直請けを狙う4つの相手
「新規開拓」を漠然と考えると手が止まります。C工事を発注しているのは誰か、B工事の指定業者を決めているのは誰か——ここから逆算すると、直請けで当てるべき相手は4つに絞れます。
| 相手 | 取れる工事 | 注意点 |
|---|---|---|
| ビル管理会社・ビルオーナー | B工事の指定業者枠、共用部の改修 | 登録までに時間がかかる。入れば継続案件になりやすい |
| 賃貸管理会社 | 原状回復、退去にともなう内装工事 | 担当者が不在がちで、到達までに架電回数がかかる |
| 多店舗展開企業・フランチャイズ本部 | 新規出店・リニューアル・店舗の原状回復 | 年度の出店計画に乗る必要があり、期初を外すと機会が先送りになる |
| 一般事業会社の総務・管理部門 | 移転・改装にともなうC工事一式 | C工事の発注者そのもの。ただし移転や改装の予定がある時期に当たらないと動かない |
この4つに共通するのは、間に元請けが入らず、貴社が直接契約する相手だという点です。施工会社から仕事をもらう形は、実態としては元請けが替わるだけで、下請けの構造からは抜けません。
とはいえ、内装元請け・ゼネコンからの下請けを切る必要はありません。単価は上がりにくいものの物量が安定します。上の4つを並行して増やし、売上構成比を少しずつ変えていくほうが現実的です。
この4つを同時に追う必要もありません。職人の構成と、これまでの施工実績がどこに寄っているかで優先順位は変わります。
KOKONATSの場合:大阪府の清掃・修繕会社様では、介護施設・病院・不動産会社を対象に開拓し、アポ率5.3%を記録しました。福祉施設から84万円分のエアコン分解洗浄契約につながり、5か月後には市内で1,500万円の大型建物管理の年間契約を獲得しています。施設や管理会社への直接開拓は、一度入ると継続契約に育つ層です。
4. いつ当てるか|内装案件が動くタイミング
内装工事の営業は、リストの質と同じくらい「時期」が成果を左右します。相手の都合で案件が生まれる商材だからです。
- 移転・退去:オフィスの賃貸借では、中途解約の予告期間を特約で3〜6か月前と定めるのが一般的です(法律上の原則は3か月前・民法第617条。借地借家法第27条の「6か月」は貸主側から解約を申し入れる場合の期間です)。規模の大きいオフィスほど6か月が多く、移転案件は工事の半年前には水面下で動いています。
- 決算期前:設備投資として内装改修を計上する企業があります。相手の決算月を把握しておくと、提案の時期を合わせられます。
- 出店計画:多店舗展開企業やフランチャイズ本部の出店計画は、期初にまとまります。ここを外すと次の年度まで入り込めません。
- 原状回復:退去が確定した時点で発生します。なお国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」は民間賃貸住宅を対象としたもので、オフィス・店舗では通常損耗までテナント負担とする特約が置かれるのが通例です。
KOKONATSの場合:担当者がつかまらない相手には、最大6回まで架電するルールで運用しています。一度で判断せず、断られた相手も追客データとして蓄積し、時期を変えて再アプローチする設計です。
5. なぜKOKONATSが内装・建築系の営業を任されるのか
■ 図面と工事区分の話ができる
建築・設備分野の営業支援を長く手がけてきたため、A工事・B工事・C工事の区分、現調(現地調査)から施工図・割付までの流れ、内装仕上工事業と他業種の区分といった話が通じます。相手が現場の人間だったときに、会話が途中で止まりません。
■ 営業社員を採用する前に、市場を試せる
内装の営業は、成果が出るまでに時間がかかる仕事です。しかも、どのターゲット層が反応するかは会社ごとに違います。反応する層を、採用の前に外部で試せる——これが営業代行を使う意味です。有望な層が分かってから採用すれば、採った人が空回りしません。
■ 検討中の相手を追い続けられる
内装案件は「今はない、でも来期は動くかもしれない」の相手が少なくありません。見込み客を温度感別に分けて(今すぐ客/検討中/長期フォロー)継続的に接触する仕組みを持っているため、自社の現場が忙しい時期でも追客が途切れません。
6. 導入事例|原状回復工事施工会社様の賃貸管理会社開拓
ターゲット②「ビル管理会社・賃貸管理会社」を実際に開拓した事例です。東京都の原状回復工事施工会社様で、商材は原状回復工事と退去立ち会い業務でした。
この会社様は、以前に別の営業代行会社を利用して初期費用30万円を投じたものの、アポ率は1〜2%。リスティング広告にも月額60万円をかけていましたが、成果につながっていませんでした。
KOKONATSでは、1,000件を超える架電データから、賃貸管理会社の担当者に到達するまでに平均4〜6回のすれ違いが発生していることを把握していました。賃貸管理会社は火曜・水曜を定休とする会社が多く、営業日であっても接客中・物件確認・クレーム対応で席を外しがちです。この前提のうえで、断られた相手も追客データとして蓄積し、繁忙期明けに一斉再アプローチする設計に切り替えました。
結果は、アポ率14.0%でした。BtoBテレアポの平均アポ率が0.5〜3%とされる中での数字です。
※他社利用時の数値はお客様からの申告にもとづくものです。リスト・商材・時期・架電数の条件が異なるため単純比較はできません。成果を保証するものではありません。
7. よくあるご質問(FAQ)
Q. 内装工事の新規開拓は、まずどこからアプローチすべきですか?
これまでの施工実績が寄っている方向から始めるのが最短です。原状回復やOAフロア(二重床)の経験が多いなら賃貸管理会社とビル管理会社、店舗の造作が中心なら多店舗展開企業とフランチャイズ本部が近い相手になります。実績のない業態にいきなり当てると、話が進んだ後で失注につながりやすくなります。
Q. 施工実績が店舗中心でも、オフィス内装の開拓はできますか?
可能ですが、初期のターゲット設定を変える必要があります。店舗とオフィスでは発注者も検討期間も異なるためです。リスト作成の段階で対象業種を絞り込むこと自体が、営業効率を左右します。
Q. 下請け脱却を目指していますが、既存の元請けとの関係は切るべきですか?
切る必要はありません。下請けは単価こそ上がりにくいものの、物量が安定します。直請けを並行して増やし、売上構成比を少しずつ変えていくほうが現実的です。
Q. 一度断られた相手にも、また当ててもらえますか?
はい。KOKONATSでは断られた相手を追客データとして蓄積し、時期を変えて再アプローチします。内装は「今はない」が「来期はある」に変わる商材なので、一度の返答で切り捨てません。
8. まとめ:腕のいい内装会社ほど、営業に手が回らない
内装工事の新規開拓が進まないのは、営業が下手だからではありません。現場が回っているからこそ営業に時間を割けず、時間を割けないから工事区分から逆算したターゲット設計にたどり着かない——ただそれだけです。
逆に言えば、「誰に、いつアプローチするか」が決まれば、やみくもに電話をかけるより格段に効率は上がります。あとは、その設計にもとづいて誰が手を動かし続けるか——現場が回っている会社ほど、ここを外部に持たせる価値があります。
KOKONATSの建築・内装分野の実績
- 東京都 原状回復工事施工会社様(賃貸管理会社への開拓)/アポ率14.0%
- 大阪府 清掃・修繕会社様(介護施設・病院・不動産会社への開拓)/アポ率5.3%・年間1,500万円の建物管理契約
- 滋賀 工場設備工事業者様(大手メーカー工場への開拓)/アポ率20.7%
サービスの詳細はインサイドセールス代行のご案内をご覧ください。
「腕には自信がある。でも、営業に回す時間と人がいない」
その内装工事会社様こそ、現場を知るKOKONATSの営業力をお試しください。
初期費用0円。料金・支援の流れはこちらから。



コメント