
計測機器のいちばんの商機は、納品のときとは限りません。納めた機器には校正があり、検定があり、定期検査がある。本来なら、定期的に戻ってくる商材です。
ところが実際には、次の校正のときには別の会社に出ていて、メーカーや販売した商社には連絡が来ない、ということが起こります。機器は売れるのに、売ったあとが続かない。
決め手は、次に機器を触る日に、名前が入っているかです。その日付は相手の都合ではなく、法令と規格で周期が決まっているので、こちらから読めます。計測機器のメーカー、商社、校正事業者に向けて、計量法とISO 9001から当てる時期を逆算し、当て先を2つに絞り、最初に出す情報をまとめました。
1. 「売って終わり」にすると、大きいほうを落とす
計測機器は、納めた瞬間に取引が終わる商材ではありません。使っているかぎり、校正・検定・定期検査・修理・部品交換が続きます。台数が増えるほど、この後半のほうが大きくなります。
にもかかわらず、次の校正で別の会社に出てしまう。理由は単純です。相手が「そろそろ校正だ」と思った日に、こちらの名前が出てこなかったからです。
つまり新規開拓の目的は、「いま機器を買ってもらうこと」ではありません。次に機器を触る日に、相談先として思い出してもらえる状態をつくることです。
2. 日付が決まっている仕事がある
計量法|取引・証明に使うはかりは2年に1回
計量法では、取引や証明に使う特定計量器は、検定証印または基準適合証印が付いたものを使わなければならないと定められています。
そのうち「はかり」(質量計)については、2年に1回、行政機関などが行う定期検査を受けることが義務づけられています。商品の値付け、調剤、健康診断の体重測定などが該当します。
ただし例外があります。一般計量士による検査を受けている場合、適正計量管理事業所として自主検査を行っている場合、計量証明事業所として都道府県の登録を受けている場合は、行政の定期検査を受けなくてよいことになっています。
この例外が、そのまま営業の切り口になります。どちらの形で回しているかによって、相手が困っていることが変わるからです。
ISO 9001|定められた間隔で、または使用前に
ISO 9001の7.1.5.2「測定のトレーサビリティ」では、測定機器について次のことが求められます。
- 定められた間隔で、または使用前に、校正または検証を行うこと
- 国際計量標準または国家計量標準にトレーサブルな計量標準に照らして行うこと(それがない場合は、よりどころを文書化して保持する)
- 校正の状態が分かるように機器を識別すること(校正ラベルなど)
- 調整・損傷・劣化から保護すること
間隔を決めるのは相手の会社です。ただし審査や内部監査の前には、必ず校正記録が見られます。ここも日付が読めるポイントです。
3. 当て先は2つ|同じ工場でも、持っているものが違う
どちらから手をつけるか
品質保証・検査部門が先です。理由は3つあります。
- 日付がある。校正の周期も、審査の時期も決まっている
- 台帳がある。機器が何台あるかを把握しているのはこの部署で、1台入れば次がある
- 金額が小さく、稟議が軽い。校正1台なら、設備投資より決裁が早い
生産技術・設備部門は単価が大きい代わりに、予算編成の時期にしか動きません。先に品質保証で取引をつくり、その関係を持って設備の話に入るほうが、順番として通りやすくなります。
4. 最初に出すのは、仕様ではなく「止めないで済むか」
校正に出すということは、その機器が現場から消えるということです。相手が最初に気にするのはそこです。精度や分解能の話は、そのあとで効きます。
先に言えると強いこと(例)
校正にかかる日数/代替機を貸せるのか/出張校正ができるのか/トレーサビリティ体系はどうなっているか/JCSS校正か社内校正か/校正証明書の様式と不確かさの記載/修理まで受けられるのか/複数台をまとめて回すときの段取り
順番が逆になりやすいところです。カタログの性能値から話し始めると、相手にとっては「いま困っていないこと」の説明になります。
5. いつ当てるか|相手のカレンダーはこちらから読める
当てる時期の目安
・定期検査の前……取引・証明に使うはかりは2年周期。前回の時期が分かれば次が読める
・ISOの審査・内部監査の前……校正記録が見られる時期。ここで不足が表に出る
・予算編成と期末……生産技術・設備部門が動くのはここ
・担当者が代わる時期……前任者が決めた委託先が、見直されることがある
ただし、どの機器がいつ校正時期を迎えるかを、外から正確に知る方法はありません。だからこそ、周期が来る前に一度接触しておき、そのときに思い出してもらう形にするほうが現実的です。
6. 手法の比較|計測機器の場合
表の左側が、相手と時期を自分で決められる手段かどうかです。代理店・展示会・Webは「待ち」の手段で、当てる相手と時期を自分で決められるのはテレアポとインサイドセールスだけです。おすすめは、Webと展示会で見つけてもらう入口を保ちながら、能動的に当てる線を1本持っておく二本立てです。
7. 断られた相手を、どう残すか
計測機器の新規開拓では、一次回答のほとんどが「いまは間に合っています」「委託先が決まっています」になります。
これは「いらない」ではなく「いまではない」です。校正は周期で回ってくるので、次の周期が来たときに名前が残っているかどうかで結果が変わります。一度きりの反応として捨てると、2年後をまるごと落とします。
KOKONATSの場合:担当者につながらない相手には最大6回まで架電するルールで運用しています。また、断られた相手は追客データとして蓄積し、時期を変えて再アプローチします。原状回復の支援では、この積み上げからアポ率14.0%を記録しています。
8. 費用の考え方|相場と、KOKONATSの料金
営業代行の市場相場は、BOXILの主要34サービス調査で月額の中央値が約27万円、初期費用の中央値が約16万円、成果報酬はアポ1件あたり1万5,000〜2万円とされています。なお、料金を公開しているのは34社中9社だけです。
KOKONATSが料金を出しているのは、安さの訴求ではありません。検討はその場で決まらず、社内に持ち帰って稟議に載せるものだからです。金額がなければ、資料そのものが作れません。
| プラン | 月額(税抜) | 対象社数 |
|---|---|---|
| 高精度マッチング(機械加工・板金等) | 140,000円 | 200社 |
| 大型案件創出(製造装置・FA等) | 230,000円 | 200社 |
| 見込み客フォローアップ特化プラン | 80,000円 | 100社(枠) |
| 初期費用 | 0円 | 全プラン共通 |
アポインセンティブは、高精度マッチングが15,000円/件(キャンペーン中は5,500円/件)、大型案件創出が30,000円/件です。
【見込み客フォローアップ特化プラン】は、展示会やWebの問い合わせ・資料請求、デモ機を貸したまま止まっている相手を、半年から1年かけて追い続けるためのプランです。「100社」は名簿の数ではなく、同時に追い続ける枠の数を指します。確度が低いと分かった先は枠から外し、空いた枠に次の候補を入れます。外した理由は毎月のレポートで返します。なお、このプランはアポインセンティブ・コールリスト作成の対象外です。
校正のように周期が2年で回ってくる商材では、1回当てて終わりにしないことが、そのまま成果につながります。
9. まとめ
- 計測機器は納品で終わらない。校正・検定・定期検査・修理で戻ってくるのに、そこで名前が出てこない
- 取引・証明に使うはかりは2年に1回の定期検査(一般計量士の検査、適正計量管理事業所、計量証明事業所は例外)
- ISO 9001は「定められた間隔で、または使用前に」校正または検証を求め、識別と保護も要求する。審査の前には記録が見られる
- 当て先は2つ。品質保証・検査部門(日付と台帳を持っている)と生産技術・設備部門(単価は大きいが予算の時期次第)。先に当てるのは前者
- 最初に出すのは仕様ではなく、校正の日数・代替機・出張校正・証明書の様式。相手が気にするのは「止めずに済むか」
KOKONATSでは、製造業に特化した営業代行・インサイドセールスを行っています。ターゲットの選定からリスト作成、アポイント獲得、断られた相手の追客までを一貫してお引き受けします。
次の校正が来たときに相談されるかどうかは、その2年前に決まっています。
初期費用0円。料金・支援の流れはこちらから。
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よくある質問
うちの機器は特定計量器ではありません。計量法の話は関係ないのでは?
自社製品が特定計量器でなくても、当て先の工場には特定計量器があります。はかりの定期検査は2年周期で、そこが動くとき、品質保証部門は機器全体の管理を見直します。自社製品の周期ではなく、相手の部署が動く周期を見てください。
校正まで自社でやっていません。それでも当てられますか?
当てられます。ただし最初にそこを言ってください。校正をどこに出すのか、証明書は誰の名前で出るのか、代替機は用意できるのか。この3つを先に整理しておけば、自社で校正設備を持っていなくても話は進みます。後から分かるほうが心証を悪くします。
代理店に任せているので、直接当てると角が立ちませんか?
直販に切り替える必要はありません。需要を掘り起こす役をメーカーが担い、注文と納品は既存のルートから入る形にしておけば、代理店にとっても増収になります。代理店は既存客への案内はしても、まだ取引のない工場の校正周期までは追えません。そこを埋める動きだと位置づけるほうが、話が通りやすくなります。
技術の話ができない担当者でも架電できますか?
できますが、続きません。校正、検定、定期検査、トレーサビリティ、不確かさ、JCSS、特定計量器、適正計量管理事業所——こうした言葉が出たときに話が止まると、その時点で相手は「分かっていない」と判断します。KOKONATSでは、計測と品質管理まわりの言葉を理解したうえで架電する形をとっています。



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