板金加工業の新規顧客開拓7つの方法|営業が苦手な町工場でも受注を増やすには
「技術には自信がある。でも新規の問い合わせがほとんど来ない。」
「昔から付き合いのある取引先だけでやってきたけれど、最近は仕事が減ってきた。」
こうした相談を、板金加工会社の経営者からいただくことが増えています。
精密板金や製缶板金の会社は、高い加工技術を持っていても営業専門の担当者がいないケースがほとんどです。そのため、技術力があっても仕事につながらないという状況が起こりやすいのが現実です。
この記事では、板金加工会社が新規顧客を増やすための方法を7つ紹介します。営業が得意ではない会社でも取り組みやすい方法を中心に解説します。
なぜ今、板金加工業に新規開拓が必要なのか
■ 下請け依存の構造的リスク
長く取引が続くのは安心材料ですが、取引先への依存度が高いと状況は変わります。例えば、主要取引先が海外調達へ切り替えたり、加工を内製化したりすると、それだけで売上が大きく落ち込むことがあります。取引先が2〜3社に集中している場合、1社失注のダメージは致命傷になり得ます。
■ 業界を取り巻く環境変化
最近は、発注先を探す方法も変わってきました。
以前は紹介や付き合いが中心でしたが、今では調達担当者がWeb検索で加工会社を探すことも珍しくありません。また、相見積もりを取る企業も増え、技術力が十分に伝わらないと価格だけで比較されるケースもあります。
人手不足や職人の高齢化も進んでいるため、「どんな仕事でも受ける」のではなく、「利益の出る案件を選べる会社になること」が以前より重要になっています。
板金加工業の新規開拓が難しい3つの理由
新規開拓の必要性を感じつつ動けない会社には、共通する理由があります。
1. 営業専任者がいない
社長自身が現場に立ちながら見積り・納期管理・営業をすべて担っており、新規開拓に割く時間が物理的にない。
2. 技術を「伝わる言葉」にできていない
「曲げ精度±0.1mm」「多品種小ロット対応」といった強みも、発注側の困りごと(試作リードタイム短縮、VE提案が欲しい等)に翻訳しなければ刺さらない。
3. 継続的にやり切れない
展示会もWebサイトも、単発で終わると成果が出ない。フォローの仕組みがないため、せっかくの名刺や問い合わせが放置されがち。
逆に言えば、この3つを少しずつ改善するだけでも、新規開拓の成果は出やすくなります。技術力がある会社ほど、営業のやり方を整えるだけで問い合わせが増えるケースは少なくありません。
板金加工業の新規顧客開拓7つの手法
① 既存顧客の深耕・紹介依頼
最もコストが低く成約率が高いのは、既存取引先からの「横展開」です。同じ発注元の別部署・別工場、取引先の協力会社を紹介してもらう。定期訪問時に「こういう加工もできる」と事例を見せるだけでも、追加受注につながります。ただし既存の延長線上のため、下請け構造からの脱却にはつながりにくい点に注意が必要です。
② 自社Webサイト・技術ブログ(SEO)
発注担当者が検索したときに、自社が見つかる状態を作ることが重要です。加工事例や対応材質、設備情報などがしっかり掲載されていれば、それだけで問い合わせにつながることもあります。効果が出るまで半年〜1年かかるため、他の施策と並行して早めに着手するのが鉄則です。
③ 製造業マッチングサイトへの登録
エミダスやミツモアなどのマッチングサイトは、能動的に案件を探せる手段です。手軽に始められる反面、相見積もり前提の案件が多く価格勝負になりやすいため、「入口」と割り切って使うのが現実的です。
④ 展示会・技術商談会への出展
機械要素技術展などの展示会は、図面を持った担当者と直接話せる貴重な場です。ポイントは出展後のフォロー。獲得した名刺に1週間以内にアプローチし、商談化まで追いかける体制がなければ、出展費用は回収できません。
⑤ テレアポ・ダイレクトアプローチ
ターゲット企業(装置メーカー、筐体を必要とするメーカー等)を絞って直接アプローチする手法は、狙った業界へ直接アプローチできるため、比較的早く反応が得られる方法です。Webや展示会が「待ち」の施策であるのに対し、狙った販路を能動的に作れます。
一方で、板金・金属加工の専門用語を理解した担当者でなければ、技術の話に入る前に切られてしまうのが難点。「曲げ」「抜き」「溶接歪み」の話が通じる営業人材の確保が成否を分けます。
⑥ 元請け・商社との連携強化
金属材料商社や機械商社は、常に「加工先」を探しています。商社の担当者に自社の得意加工を正確に理解してもらえれば、継続的な案件紹介ルートになります。
⑦ 営業代行(インサイドセールス)の活用
「手法は分かったが、実行する人がいない」
実際には、「やるべきことは分かっているけれど、人手が足りない」という会社も少なくありません。その解決策が、営業活動そのものを外部に委託する営業代行です。
- 営業社員の採用(年間数百万円の固定費)と違い、必要な期間だけ変動費として使える
- 新設備導入時・新規分野参入時のテストマーケティングとして使える
- 教育コストゼロで、初月から営業活動が立ち上がる
ただし営業代行なら何でも良いわけではありません。製造業・機械分野の知識がない代行会社では、専門用語が通じず商談になりません。依頼先は「製造業の商材を扱った実績があるか」「業界知識を持つ担当者が付くか」で選ぶことが重要です。
【手法比較まとめ】
| 手法 | 初期コスト | 成果までの速さ | 継続性 | 自社の工数 |
|---|---|---|---|---|
| 既存深耕・紹介 | ◎ 低 | ○ | △ | 小 |
| Webサイト・SEO | △ 中 | × 半年〜 | ◎ | 中 |
| マッチングサイト | ○ 低 | ○ | △ 価格競争 | 小 |
| 展示会 | × 高 | ○ | △ 単発 | 大 |
| テレアポ・直接開拓 | ○ 中 | ◎ 速い | ○ | 大(内製時) |
| 商社連携 | ◎ 低 | △ | ○ | 小 |
| 営業代行 | ○ 中 | ◎ 速い | ○ | 小 |
おすすめは「Web(中長期の資産)+能動的アプローチ(短期の受注)」の二本立てです。目先の受注を作りながら、検索から引き合いが入る仕組みを育てるのが、リソースの限られた会社の定石です。
新規開拓を成功させる3つのポイント
- 1. 「誰に売るか」を先に決める: 全方位に営業するのではなく、「産業機械メーカーの試作部門」「食品機械の筐体」など、自社の設備・得意加工が最も刺さるターゲットを絞り込む。
- 2. 技術を顧客の言葉に翻訳する: 「レーザー複合機保有」ではなく「試作1個から、図面受領後○日で納品」。発注側のメリットで語る。
- 3. 継続できる体制を作る: 月に何件アプローチし、何件商談化したかを記録する。社長一人で続かないなら、外部リソースを使ってでも「止めない」仕組みを作る。
営業リソースがない板金加工会社はKOKONATSへ
KOKONATSでは、製造業専門の営業代行・インサイドセールスを行っています。
食品機械メーカー出身のメンバーも在籍しており、板金加工や工作機械、金属材料など製造業ならではの商談にも対応しています。
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